1889　第一高等中学校9月施行MathJax

【１】　一数あり其数より其二分の一を減じ又其残りの三分の一を減じ又其残りの四分の一を減じ次第に此の如く減し百分の一を減すれば残数幾何なるや．

【２】　一（メートル）は子午線の長さの四千万分の一なり今一（メートル）は我三尺三寸に当るとせば子午線の長さは何里何町何間なるや．

【３】　陸と海との広さの比は北半球にては${\displaystyle \frac{419}{1000}}$にして南半球にては${\displaystyle \frac{129}{1000}}$なりと云ふ然らば南半球の海と北半球の海との比幾何．

【４】　一量を他の量に（甲）正比例（乙）逆比例をなすとは如何なることなるや．

【５】　日本の人口は明治十五年の初めには$36700000$にして二十年の初めには$38535000$なりと云ふ今同じ割合に増加するものと視做すときは明治二十三年の始めの日本人口は何程なるや．

【１】　$a^2-8b^3-6ab-1÷a-2b-1$此商を求む．

【２】　$P\text{，}$$Q$なる二式の最大公約数を$H$とし最小公倍数$L$とすれば$PQ=HL$なり此証を問ふ．

【３】　${\displaystyle \frac{2+x}{2-x}}-{\displaystyle \frac{3x+x^2}{1+{\displaystyle \frac{3}{2}}x-x^2}}+{\displaystyle \frac{1-x}{{\displaystyle \frac{1}{2}}-x}}-2$を簡約せよ．

【４】　${\displaystyle \frac{x}{a+c}}+{\displaystyle \frac{y}{b+c}}=a\text{，}$${\displaystyle \frac{x}{b+c}}+{\displaystyle \frac{y}{a+c}}=b$此方程式を解け．

【５】　二個の荷物を六十里距る一府に運ぶ為め甲乙丙三役夫を傭ふ但し一夫の力纔に荷物一個を負ふに堪ふ府に達するに及んで甲は乙より五里丙より七里多く負ひ来るを知る甲夫荷物を負ひ来る里数幾何．

【１】　三角形の諸種を挙げ其定義及び図を記せ．

【２】　$\mathrm{ABCD}$なる平行四辺形の対辺$\mathrm{AB}$及び$\mathrm{CD}$の中央点を$\mathrm{E}$及び$\mathrm{F}$とし$\mathrm{DE}$及び$\mathrm{BF}$を結合すれば$\mathrm{AC}$なる対角線を三等分すべし．これを証明せよ．

【３】　三角形の底辺及び之に対する高さと中央線（英 Median sine;Transversale）を与へるときは三角形を作ること如何．

【４】　円の諸弦中長きものは短きものより中心に近きことを証せよ．

【５】　円内に画ける$\mathrm{ABCDEF}$なる六角形あり$\mathrm{A}\text{，}$$\mathrm{C}\text{，}$$\mathrm{E}$三個の角の和は$\mathrm{B}\text{，}$$\mathrm{D}\text{，}$$\mathrm{F}$三個の角の和に等しきことを証明せよ．