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1974 東京大学 2次試験
文科・理科共通
【1】 自然数 n ,p に対し, np を十進法で書いたときの一の位の数を f p⁡( n) で表す.ただし,自然数とは, 1 ,2 , 3 ,⋯ のことである.
(1) n が自然数の全体を動くとき, f2⁡ (n) のとる値を全部求めよ.
(2) あらゆる自然数 n に対して, f5⁡ (n)= f1⁡ (n) が成り立つことを証明せよ.
(3) n が自然数の全体を動くとき, f100⁡ (n) のとる値を全部求めよ.
【2】 長さ l の線分が,その両端を放物線 y= x2 の上にのせて動く.この線分の中点 M が x 軸にもっとも近い場合の M の座標を求めよ.ただし l≧ 1 とする.
文科
【3】 半径 a の球から,鉛直で球の中心を通る軸をもつ円柱状の部分をくり抜き,残った環状部分の高さが 2⁢ h になるようにする.この環状部分の体積を求めよ.ただし, a>h とする.
文科新課程
【4】 α>0 とし, xy 平面上において,不等式
y≦ -1 α2 ⁢x 2+ 2⁢α- 1α2 ⁢ x-1+ 1α
を満たす点 (x ,y) 全体からなる集合を A とする. A と第 1 象限との共通部分を B とするとき, B の面積を α の関数として表し,そのグラフを描け.
理科
【3】 右の図は線分 AB の投影図で,その各部の寸法は図に記入してある通りである.この線分の上端 A を通り, AB となす角が 60 °, 平画面に対する傾きが 30 ° であるような直線の,平画面上の跡を C とする.点 B の平面図 b を原点とし, ba を x 軸 b b′ を y 軸として,点 C の座標を求めよ.
【4】 2 つの関数 f⁡ (x) ,g⁡ (x) が次の性質 1),2),3),4)をもつものとする.
1) f⁡(x ),g ⁡(x) は x= 0 において微分可能.
2) f⁡(0 )=g⁡ (0)= 0 .
3) 原点において, y=f⁡ (x) および y= g⁡(x ) のグラフに引いた接線は互いに直交する.
4) 実数 a ,b ,c を適当にとると
f′⁡ (0)= limx→ 0⁡ a⁢x+ b⁢f⁡ (x) c⁢x+ f⁡(x ) ,g′ ⁡(0 )=lim x→0 ⁡ a ⁢x+b ⁢g⁡( x)c ⁢x+g ⁡(x)
が成り立つ.
このとき a の値を求めよ.
【5】 原点 O に中心をもつ半径 2 の固定された円板を A とする.半径 1 の円板 B を,その中心 C が点 (3 ,0) に重なるように置くとき,点 (4 ,0) に重なる B の周上の点を M とする. B を, A の周囲に沿って滑らないようにころがして, OC が x 軸の正の方向となす角が θ になったときの, M の位置の座標を (X ,Y) とする. θ が 0 から π2 まで動くとして,次の問に答えよ.
(1) X と Y とを θ の関数として表せ.
(2) Y の最大値を求めよ.
(3) M の描く曲線の弧の長さを求めよ.
【6】 あるスポーツにおいて, A ,B 2 チームが試合をして,先に 3 回勝った方を優勝とする. 1 回の試合で A が勝つ確率を p ,B が勝つ確率を q (p +q=1 , p>0 , q>0 ) とする.このとき, A が優勝する確率を P ,B が優勝する確率を Q とし,また,優勝チームが決まるまでの試合数を N として,次の問に答えよ.
(1) p>q のとき, P-Q と p- q とはどちらが大きいか.
(2) P-p を最大にする p の値を求めよ.
(3) N の期待値を最大にする p の値およびそのときの N の期待値を求めよ.