1995　大阪府立大学　A・前期MathJax

【１】　$A=\left(\begin{array}{cc}2& 3\\ 1& 2\end{array}\right)$に対して

$\left(\begin{array}{c}{x}_n\\ y_n\end{array}\right)=A^n\left(\begin{array}{c}1\\ 0\end{array}\right)\text{，}n=1\text{，}2\text{，}3\text{，}\cdots$

とする．次の問に答えよ．

(1)　$x_n$と$y_n$を求めよ．

(2)　$a=2+\sqrt{3}\text{，}b=2-\sqrt{3}$とおく．$a^n$と$b^n$を$x_n\text{，}{y}_n$を用いて表せ．また，点${\mathrm{P}}_1(x_1,y_1)\text{，}{\mathrm{P}}_2(x_2,y_2)\text{，}{\mathrm{P}}_3(x_3,y_3)\text{，}\cdots \text{，}{\mathrm{P}}_n(x_n,y_n)\text{，}\cdots$はすべて同じ曲線上にある．$ab=1$が成り立つことを利用して，その曲線の方程式を求めよ．

【２】　平面上を動く点$\mathrm{P}$の時刻$t$における座標は$(x(t),y(t))$で，速度ベクトルはベクトル$(x(t),y(t))$を$90°$回転したベクトルに，ベクトル$(e^{2t}-2t,2e^{2t}-t^2-t)$を加えたものとする．次の問に答えよ．ただし，回転は原点を中心に反時計まわりに行う．

(1)　$x^{″}(t)$を$x(t)$と$t$の多項式を用いて表せ．

(2)　$x(t)$が連続関数$f(t)$を用いて次の式で表されるとする．

$x(t)={\displaystyle {\int }_0^t}\sin (t-s)f(s)ds$

このとき，$f(t)$を求めよ．また，$x(\pi )$の値を計算せよ．

【２】　関数$f(x)=x^3-2x^2+1$について，次の問に答えよ．

(1)　$f(x)$の極値とその極値を与える$x$の値を求めよ．

(2)　$y=f(x)$と$x$軸で囲まれた部分の面積を求めよ．

【３】　曲線$C_1:y=x^4+a{x}^2+bx+12$と曲線$C_2:y=2x^3-(a+1)x^2+cx+c^2$が異なる$2$点で接する．このとき，次の問に答えよ．ただし，$a\text{，}b\text{，}c$は実数とする．

(1)　$b$を$a$で表せ．また，$a$の範囲も答えよ．

(2)　$a$の値を変えるとき，点$(a,b)$が描く曲線を図示し，さらに，この曲線と座標軸との交点の座標および$b$の範囲も答えよ．

【３】　曲線$C_1:y=x^4+a{x}^2+bx+12$と曲線$C_2:y=2x^3-(a+1)x^2+cx+c^2$が異なる$2$点で接する．このとき，$b$を$a$で表せ．また，$a$の範囲を答えよ．ただし，$a\text{，}b\text{，}c$は実数とする．

【４】　空間において，直線$x=z-1=0$と直角に交わり，球$x^2+y^2+{(z-2)}^2=1$に接する直線のうち$xy$平面と交わるものを考える．これらの直線と$xy$平面の交点が描く図形の方程式を求めよ．

【４】　$n$を正の整数とする．赤玉$1$個，白玉$n$個の入った箱がある．$\mathrm{A}\text{，}\mathrm{B}$の二人はこの順で，次のルールでどちらかが赤玉を取り出すまで交互に$1$個ずつ玉を取り出すものとする．

・玉を取り出す前に，毎回箱の中をよくかき混ぜる．

・$\mathrm{A}$が取り出した玉は箱に戻さない．

・$\mathrm{B}$が取り出した玉は箱に戻す．

　このとき，次の問に答えよ．

(1)　$k$を正の整数とする．ちょうど$k$巡目に$\mathrm{A}$が赤玉を取り出す確率$p_k$と$\mathrm{B}$が赤玉を取り出す確率$q_k$を求めよ．ただし，$\mathrm{A}$が玉を取り出し，続いて$\mathrm{B}$が玉を取り出すことを$1$巡と数える．

(2)　どちらかが赤玉を取り出すまでに$\mathrm{A}$が取り出した白玉の個数の期待値を求めよ．