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1996 名古屋大学 後期

工学部

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1996年名古屋大後期工学部【1】の図

【1】 図に示すように,正 N 角形 A1 A2 A N が辺 AN -1 AN が直線 l に重なるようにおく.正 N 角形の中心から頂点までの距離を a とする.次の問いに答えよ.

(1) 頂点 AN を中心に,正 N 角形を左回りに滑らないように回転させ,頂点 A1 が直線 l に重なるようにする.この回転により i 番目の頂点 Ai i=1 2 N-1 が描く軌跡の長さを求めよ.

(2) 問(1)の操作に引き続き,直線 l 上の頂点 A1 を中心に正 N 角形を左回りに回転させ,頂点 A2 が直線 l と重なるようにする.このような操作を繰り返すと,正 N 角形は直線 l にそって滑らずに回転しながら移動する.正 N 角形が 1 回転するとき,頂点 AN -1 の描く軌跡の長さ L N を,和の記号 を用いて表せ.

(3)  N のときの長さ L N の極限値を求めよ.



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【2】 座標平面上の変換 fP (x ,y) P ( x,y )

( x y )= 1 2 A ( xy )+ ( 10 ) A =( cosα -sin αsin αcos α )

で定める.ここで, 0α <2π とする.初期点 P0 を原点 O にとり,漸化式

P n+1 =f ( Pn ) n 0

により,点列 P1 ( x1, y1 ) P 2( x2, y2 ) Pn ( xn, yn ) をつくる.次の問いに答えよ.

(1) 変換 f について, f( U) =U となる点 U ( a,b ) を求めよ.この点を変換 f の不動点という.

(2) この不動点 U について,

| UPn+ 1 |= 1 2 | UPn | Pn U Pn +1 =α n 0

を示せ.

(3)  a を変化させたとき,不動点 U は円の周上を動くことを示せ.また,その円の中心と半径を求めよ.

(4) 三角形 Pn U Pn +1 n0 の面積を Sn その総和を S = n= 0 Sn とする. α を変化させたときの S の最大値を求めよ.

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1996年名古屋大後期工学部【3】の図

【3】  y=x 2 で表される放物線を y 軸回りに回転させて同じ形の容器を 2 つ作る.これらの容器 A B を図に示すように,上下に配置する.容器 A の底には小さな穴があいており,底から流出した水が容器 B にたまる.時刻 t =0 のとき,容器 A の水の深さは H であり,容器 B は空であった.容器 A の水の体積の減少の割合は,毎秒 k ha k は定数, ha は容器 A の水の深さ)であるものと仮定する.水が容器 A から容器 B に到達するまでの時間は無視する.次の問いに答えよ.

(1)  t 秒後の容器 A の水の深さ h a を求め, t h a の関係を図示せよ.

(2)  t 秒後の容器 B の水の深さ h b を求め, t h b の関係を図示せよ.

(3) 容器 A と容器 B の水面の面積の和が最大になるときの時刻 t を求めよ.



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【4】 最初,点 Q ( x,y ) 座標の原点にある. 2 枚の硬貨 A B を同時に投げて,出た結果によって点 Q を移動させていく.硬貨 A が表の場合に点 Q x 座標の正の方向に 1 移動し,裏の場合に負の方向に 1 移動する.同様に,硬貨 B が表の場合に y 座標の正の方向に 1 移動し,裏の場合に負の方向に 1 移動するものとする.ただし硬貨 A B を投げたとき,表の出る事象は互いに独立であり,その確率はそれぞれ 12 である.次の問いに答えよ.

(1)  2 枚の硬貨を n 回投げたのちに,原点から点 Q までの距離が 2 以内となる確率を求めよ.

(2)  2 枚の硬貨を n 回投げたのちに,点 Q が原点に存在する確率を pn 原点を中心とする半径 2 の円周上にある確率を q n として,次式を満足する行列 T を求めよ.

( pn+ 1 qn +1 )=T ( pn qn )

(3)  2 枚の硬貨を n 回投げて点 Q を移動させる.点 Q n 回にわたる移動において,原点から点 Q までの距離が一度も 2 より大きくならない確率を求めよ.

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