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1998-10541-0201
1998 京都大学 後期
文系
配点30点
易□ 並□ 難□
【1】 α を 0 でない複素数とする. β2= α となるような複素数 β がちょうど 2 個存在することを示せ.
1998-10541-0202
【2】 xy 平面上に放物線 y= x2 と点 B( 0,b) を考える.ただし b> 0 とする.
(1) 点 X ( t,t2 ) がこの放物線上を動くとき,線分 BX の長さの最小値を求めよ.
(2) (1)で求めた最小値が 1 となるように b をとる.このとき点 B (0, b) を中心とする半径 1 の円と放物線 y= x2 とは相異なる 2 点 P , Q でそれぞれ共通の接線を持つことを示し,角 PBQ の大きさ(ただし 0° <∠PBQ< 180° とする)を求めよ.さらに角 PBQ に対応する円弧 PQ と放物線で囲まれた図形の面積を求めよ.
1998-10541-0203
文系,理系共通問題
理系は【2】,なお,理系では定積分が1つである
【3】 関数 fn ⁡(x ),( n=1 ,2 ,3 , ⋯) は
f1⁡ (x)=4 ⁢x2 +1
fn⁡ (x)= 3⁢x2 ⁢ ∫01 ⁡t ⁢fn -1′ ⁡(t) ⁢dt+ 3⁢ ∫01 ⁡f n-1 ⁡(t) dt, (n =2, 3, ⋯)
で帰納的に定義されている.この fn ⁡(x ) を求めよ.
1998-10541-0204
文系,理系共通
配点は文系30点,理系35点
【4】 θ が 0° ≦θ< 360° のとき,次の問に答えよ.
(1) 不等式 2⁢ sin⁡3⁢ θ-2⁢ cos⁡2⁢ θ-1> 0 を満たす θ の範囲を求めよ.
(2) 定数 a がいろいろな値を取るとき,方程式
2⁢sin⁡ 3⁢θ- 2⁢cos⁡ 2⁢θ- 1=a
の解の個数がどのように変わるかを調べよ.
1998-10541-0205
【5】 a ,b ,p ,q はすべて自然数で,
p2+ q2a = p⁢q b
を満たしている. a と b の最大公約数が 1 のとき以下の問に答えよ.
(1) p⁢q は b で割り切れることを示せ.
(2) a+2 ⁢b は自然数であることを示せ.
1998-10541-0206
理系
【1】 2 次の正方行列 X と Y は X⁢ Y=Y⁢ X のとき交換可能であるという. 2 次の正方行列 A と B は交換可能ではないが, A と A⁢ B は交換可能であり A と B⁢ A も交換可能であるとする.このとき,
(1) A=( a bc d ) とするとき, a⁢d- b⁢c= 0 を示せ.
(2) O を零行列とするとき, A 2=O であることを示せ.
1998-10541-0207
配点35点
【3】 A1 ,A2 , A3 は xy 平面上の点で同一直線上にはないとする. 3 つの一次式 f ⁡( x,y) =a1 ⁢x+b 1⁢y+ c1 ,f 2⁡( x,y) =a2 ⁢x+b 2⁢y+ c2 ,f3 ⁡(x ,y )=a3 ⁢x+ b3⁢y +c3 は,方程式 f 1⁡( x,y) =0 ,f 2⁡( x,y) =0, f3 ⁡(x, y)=0 によりそれぞれ直線 A 2A3 , A3 A1 , A1 A3 を表すとする.このとき実数 u ,v をうまくとると方程式
u⁢f1 ⁡(x, y)⁢f 2⁡(x ,y)+v ⁢f2 ⁡(x,y )⁢f3 ⁡(x, y)+f 3⁡(x ,y)⁢ f1⁡( x,y)= 0
が 3 点 A1 , A2 ,A3 を通る円を表すようにできることを示せ.
1998-10541-0208
【4】 a は 0< a<π を満たす定数とする. n=0 ,1 ,2 ,⋯ に対し, n⁢π <x<( n+1) ⁢π の範囲に
sin⁡(x +a)= x⁢sin⁡ x
を満たす x がただ一つ存在するので,この x の値を xn とする.
(1) 極限値 lim n→∞ ⁡( xn-n ⁢π) を求めよ.
(2) 極限値 lim n→∞ ⁡n⁢ (xn- n⁢π) を求めよ.
1998-10541-0209
【5】 xy 平面上に 2⁢ n 個の点 Ai (i, 1), Bi( i,2) (i =1, 2, ⋯,n ) がある.上下に隣り合う 2 点 A i, Bi を結ぶ線分を「縦辺」( i= 1, 2, ⋯, n ),左右に隣り合う 2 点 Ai , Ai+1 および B i, Bi+ 1 を結ぶ線分を「横辺」( i= 1, 2 ,⋯ ,n- 1 )と言う.すべての横辺には,各辺独立に,確率 p で右向きの矢印が,確率 1- p で×印が描かれている.またすべての縦辺には常に上向きの矢印が描かれている.このとき点 A 1( 1,1) から出発して,矢印の描かれている辺だけを通り,矢印の方向に進んで,点 B n( n,2) に到達する経路が少なくとも 1 本存在する確率を Qn とする.以下の問に答えよ.
(1) Q2 ,Q3 を求めよ.
(2) Qn を求めよ.
1998-10541-0210
【6】 自然数 n に対し, In= ∫ 0π4 ⁡ cosn⁡ 2⁢θ ⁢sin2 ⁡θ⁢d θ とする.
(1) I2 の値を求めよ.
(2) xy 平面上で原点 O から点 P( x,y) への距離を r , 軸の正の方向と半直線 OP のなす(弧度法による)角を θ とする.方程式 r= sin⁡2⁢ θ, (0 ≦θ≦ π2 ) で表される曲線を,直線 y= x の周りに回転して得られる曲面が囲む立体の体積を V とするとき,
V=3⁢ πI3 +2⁢π I2
と表されることを示せ.