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1998 慶応義塾大学 医学部

2月21日実施

易□ 並□ 難□

【1】 以下の文章の空欄に適当な式を入れて文章を完成しなさい.解答は, (き) M を用いて表し,他は N を用いて表しなさい.解答は所定の解答欄の空欄に記入すること.

  N を正の整数とする.

方程式 x+ y=N を満たす負でない整数よりなる解 (x ,y) の個数は (あ) である.また

x+y+ z=N (*)

を満たす負でない整数よりなる解 (x ,y,z ) の個数は (い) である.

 以下では方程式(*)のみを扱い,解と言えばこの方程式(*)の解で負でない整数よりなる解 ( x,y, z) を意味するものとする.

(a)  N 2 以上の整数とする. x y z がすべて偶数である解 (x ,y,z ) の個数は (う) である.また, x y z のうちに奇数が含まれるような解の個数は (え) である.

(b)  N 3 以上の奇数とする. x y z のうち, 1 つのみが奇数で,他は偶数であるような解の個数は (お) である.また, x y z すべてが奇数であるような解の個数は (か) である.

(c)  M を自然数とし, N=M2 とする. x が整数の 2 乗であるような解の個数は (き) である.

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2月21日実施

易□ 並□ 難□

【2】 問い(1)では文章の空欄に適当な式を入れて文章を完成しなさい.解答は所定の解答欄の空欄に記入すること.問い(2)では,所定の場所に解答を記述しなさい.

(1)  xy 平面の楕円 x 2+ y24 =1 2 点, P( cosθ ,2sin θ) Q (cos (θ +h), 2sin (θ+ h)) をとる.ただし, 0<θ <π 2 0 <θ+h <π 2 h 0 とする. 2 P Q におけるこの楕円の法線の交点は h 0 とするとき,ある点 R に近づく.この点 R を求めよう.

 まず,点 P における法線の方程式は y= (あ) である.次に, 2 P Q における法線の交点の x 座標を求めると, x= (い) である.この x 座標は h 0 とするとき (う) に収束する.これが求める点 R x 座標である.点 R y 座標は y = (え) である.

(2)  θ 0< θ< π2 の範囲を動くとき,対応する点 R が描く曲線の概形を描きなさい.また,この曲線に両端の点を付け加えて得られる曲線の長さを求めなさい.

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2月21日実施

易□ 並□ 難□

【3】  -1<x 1 で次の関数 f (x ) を考える.

f( x)= {g (x )} 12 x ただし, g( x)= 1 -x1 +x

以下の問いに答えなさい.

(1) 次の等式を満たす分数式 F (x) G( x) を求めなさい.

f (x) ={ g( x)} 12 F( x) f (x) ={ g( x)} 12 G( x)

(2)  y=f (x ) のグラフの概形を,関数 f (x ) の値の増減,極値,凹凸を調べて描きなさい.ただし, x -1< x1 の範囲で考えるものとする.

(3)  xy 平面の x> -1 である点 (x ,y) で次の不等式を満たすものの全体のなす図形 G の概形を描きなさい.

y2- x2 1-x 1+x 0

(4) 問い(3)での図形 G の点 (x ,y) で, x0 であるものの全体をなす図形 D を, x 軸を回転軸として一回転してできる回転体の体積を求めなさい.

(5) 問い(4)での図形 D の面積を求めなさい.

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2月21日実施

易□ 並□ 難□

【4】(1) この問いでは後の問で必要となる知識を用意する.

  p1 p2 p n を実数とする.任意の実数 t にたいして

(t -p1 )2 +( t-p2 )2 ++ (t -pn )2 0

が成り立つことを利用して, p1 p2 pn が,条件 p 1+p 2+ +pn =1 を満たしたすべての可能な値をとるときの p12 +p2 2+ +pn 2 の最小値と,その値をとるときの p 1 p 2 pn の値を求めなさい.

 以下において「 a 人の競技者の集団」というような表現が出てくるが,そのような a は必ずしも整数に限らず,一般の実数の値をとることを許すとする.

(2) 赤い帽子を 1 つずつかぶった競技者の集団 A と,白い帽子を 1 つずつかぶった競技者の集団 B が帽子取り競技を行う.競技では各競技者は互いに相手側の競技者の帽子を奪おうとする.自分の帽子を奪われた競技者はただちに退場させられ,先に競技者数がゼロになった方を負けとし,反対側を勝ちとする.同時に競技者数がゼロになった場合は引き分けとする.この競技中, A B に属する集団が遭遇した場面での局所的な戦いは次のように進行するとする.すなわち, A a > 0 人の競技者の集団と, B b > 0 人の競技者の集団が遭遇すると,直ちにこれら (a +b) 人の間で戦いが始まり,遭遇後 t 秒後の A B の集団の競技者数をそれぞれ x (t ) y( t) とすると,これらは次の関係式(イ)を満たしていると仮定する.

d dt x (t) =-y (t) d dt y (t )=- x( t) x( 0)= a y(0 )=b (イ)

(2-a) 次式で与えられる x (t ) y( t) は関係式(イ)を満たしていることを示しなさい.

( x( t) y( t) )= ( e -t+ et2 e-t -et 2 e-t -et 2 e-t +e t2 ) ( ab ) (ロ)

 以後 2 つの集団が遭遇した時は,戦いは(ロ)に従って進行するとする.

(2-b) (ロ)で, {x (t )} 2- {y (t) }2 a b を用いて表しなさい.

(2-c) (ロ)で,有限時間 t 秒の後に, x( t)= 0 または, y( t)= 0 となるための必要十分条件を a b を用いて表しなさい.またその時, y( t)= 0 となるための必要十分条件を a b を用いて表しなさい.

(3) さて, A 側の監督は勝つための作戦を立てるため以下のような問題を考えた. A の監督は自分の競技者集団と遭遇する相手方集団の人数を自分の思いどうりにできるものと仮定する. A B の最初の全競技者数はそれぞれ X Y であったとする.

(3-a) 自然数 n と, p1+ p2+ +pn =1 pi >0 i=1 2 n を満たす pi i=1 2 n を考える.まず, A の全員を B の競技者数 p 1Y の集団と遭遇させ,次に,残存した A の競技者の全員を B の競技者数 p2 Y の集団と遭遇させ, 最後に,残存した A の競技者の全員を B の競技者数 pn Y の集団と遭遇させ,それぞれの戦いにおいて有限時間で B の方を消滅させ,結局, B に勝ちたい.そのように勝つための必要十分条件を X Y p 1 p 2 pn で表しなさい.

(3-b) 問い(3-a)で求めた条件が満たされているとする.その範囲内で p1 p 2 pn を条件 p1+ p2+ +p n=1 pi >0 i= 1 2 n を満たして変化させるとき, A の残った競技者数の最大値と,その値をとるときの p i i=1 2 n の値を求めなさい.

(3-c)  X= 12 Y とする.各 n にたいして p1 p2 pn を問い(3-b)のように選んだとき, n 回の遭遇で A が勝つための n の最小値を求めなさい.

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