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2000 九州大学 前期

文系

配点50点

易□ 並□ 難□

【1】 原点を O 直線 x= 1 上の動点を P 中心 ( 12 ,0 ) 半径 12 の円を C とする.線分 OP C との交点で原点でないものを Q とし, OP 上に OR = PQ を満たす点 R (x, y) をとる.

(1) 点 P を動かしたとき,点 R の軌跡を表す方程式を x y とで表せ.

(2)  m n 100 以下の自然数として,点 ( 1 m , 1n ) が(1)で求めた曲線上にあるような組 (m, n) をすべて求めよ.

2000 九州大学 前期

文系

配点50点

易□ 並□ 難□

【2】 実数 p q r を係数とする関数 f (x)= px2 +qx +r をここでは高々 2 次の関数とよぶことにする.また, a b c は異なる 3 つの実数とする.

(1)  f(a )=1 f( b)=0 f (c) =0 を満たす高々 2 次の関数 f (x) を求めよ.

(2) 高々 2 次の関数 f (x) g( x) f (a)= g(a ) f(b )=g (b) f (c)=g (c) を満たすならば, f( x) g (x) は同じ関数であることを示せ.

(3)  h(x )=(x -a) (x-b )(x -c) とすると,

1 h(x )= 1 h (a) (x -a) + 1h (b ) ( x-b) + 1h (c )( x-c)

であることを示せ.

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文系,理系共通

理系は【1】

文系は【3】〜【5】から1題選択

配点50点

易□ 並□ 難□

【3】 係数が 0 1 である x の整式を,ここでは M 多項式と呼ぶことにする.整数を係数とする x の整式は,偶数の係数を 0 でおきかえ,奇数の係数を 1 でおきかえると M 多項式になる. 2 つの整式は,このおきかえによって等しくなるとき合同であるという.例えば, 5x 2+4 x+3 x2 -1 とは対応する M 多項式が共に x 2+1 となるので,合同である.

  M 多項式は, 2 つの 1 次以上の M 多項式の積と合同になるとき可約であるといい,可約でないとき既約であるという.例えば, x2 +1 ( x+1) 2 と合同であるから,可約である.

(1)  x2+ x+1 は既約な M 多項式であることを示せ.

(2)  1 次から 3 次までの既約な M 多項式をすべて求めよ.

(3)  x4+ x+1 は既約な M 多項式かどうか判定せよ.

2000 九州大学 前期

文系

【3】〜【5】から1題選択

配点50点

易□ 並□ 難□

【4】 下記の各命題についてその真偽を記し,理由を述べよ.

(1)  7 は無理数である.

(2) 和も積も共に 0 でない有理数であるような 2 つの実数 a b は,共に有理数である.

(3) 無理数は何乗かすると有理数になる.ただし,ここで何乗かするというのは, n 1 以上のある整数として n 乗することである.

(4) 和も積も共に有理数であるような 2 つの実数 a b に対して, a5 +b5 は有理数である.

2000 九州大学 前期

文系

【3】〜【5】から1題選択

配点50点

易□ 並□ 難□

【5】 正五角形の頂点を反時計回りに A B C D E とし,線分 AC BD の交点を F BD CE の交点を G CE DA の交点を H DA EB の交点を I EB AC の交点を J とする.

(1) 三角形 ABF と三角形 AFH は合同な三角形であることを示せ.

(2) 三角形 ABJ の面積と五角形 FGHIJ の面積はどちらが大きいか検討せよ.

(3) 星形 AJBFCGDHEIA の面積と,正五角形 ABCDE からその星形を除いた残りの部分の面積は,どちらが大きいか検討せよ.

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文系

【6】〜【8】から1題選択

配点50点

易□ 並□ 難□

【6】 表のでる確率が 12 の公平な(歪みのない)コインが n 枚,表のでる確率が 34 の歪んだコインが 1 枚ある.公平なコインはそれぞれを 2 回投げ, 2 回共に表が出た場合にそのコインを用意した箱に入れる.また,歪んだコインは n 回投げて n 回すべてが表であったらその箱の入れる.全部のコインについてこれを行ったとき,箱に入っているコインの枚数を X とする.

(1)  n=2 のとき, P(X 1) と, X の期待値を求めよ.

(2)  P(X 1)> 13 16 となる最小の n を求めよ.

(3)  X の期待値と分散を n を用いて表せ.

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文系,理系共通

文系は【6】〜【8】から1題選択

理系は【5】で,【4】〜【6】から1題選択

配点50点

易□ 並□ 難□

【7】  1 から n までの数で m 個からなる重複しない数の順列を作り出す算法として,下記のものを考えた.ただし, S は順列を表し,算法の開始の時は数を含まない( S は空であるという)とする.算法の終了時には結果として順列を得るものとする.

算法〔以下(a),(b),(c),…の順に行う〕

(a)  S を空とし, j=n- m+1 とする.

(b)  1 から j までの数からデタラメに数 t を選ぶ.

(c)  t が順列 S に入っているならば, t の直後に j を入れ,そうでないならば, t S の先頭に入れる.

(d)  j 1 増やす.

(e)  jn ならば,(b)へもどる. j>n ならば,終了する.

(1)  n=10 m=6 の場合で(b)において選ばれた数 t は順に 4 3 6 3 2 5 であった.その結果として得られる順列 S はどのような順列か.

(2)  n=10 m=6 の場合で結果として得られた順列 S 8 27 5 93 であった.(b)で選ばれた数 t の列は何であったか.

(3) 算法の結果として得られた順列 S から(b)において選ばれた数の列を復元する算法を記述せよ.

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文系

【6】〜【8】から1題選択

配点50点

理系【6】の類題

易□ 並□ 難□

【8】 空間内に 3 A( 1,0,0 )B (0, 2,0) C( 0,0, 3) をとる.

(1) 空間内の点 P AP (BP +2 CP )=0 を満たしながら動くとき,この点 P はある定点 Q から一定の距離にあることを示せ.

(2) (1)における定点 Q 3 A B C を通る平面上にあることを示せ.

(3) (1)における P について,四面体 ABCP の体積の最大値を求めよ.

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理系

配点50点

易□ 並□ 難□

【2】 定数 a b を係数とする 2 次関数 y= -ax 2+b のグラフが,原点を中心とする半径 1 の円と異なる 2 点で接しているとする.ただし, a>0 とする.

(1)  a b の条件式,および接点の座標を求めよ.

(2) 与えられた 2 次関数のグラフと x 軸とで囲まれる部分を, y 軸のまわりに回転して得られる回転体の体積 V a を用いて表せ.

(3)  V を最小にする a b の値,およびそのときの V の値を求めよ.

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理系

配点50点

易□ 並□ 難□

【3】  n を自然数として,

f(x )= k=1 n xkk

とおく.

(1)  x<1 において,

f(x )=-log (1- x)- 0 x tn1 -t dt

が成り立つことを示せ.ここで, log は自然対数を表す.

(2)  |x | 13 とするとき,次の不等式が成り立つことを示せ.

(ⅰ)  x0 において, 0x tn1 -t dt 3x n+1 2( n+1)

(ⅱ)  x<0 において, | 0 x tn1 -t d t| |x| n+1 n+1

(ⅲ)  |f (x) -f (-x) -log 1+x 1-x | 5 |x |n +1 2(n +1)

(3) この不等式を用いて, log2 の近似値を誤差が 1100 以下となるような分数で求めよ.

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理系

【4】〜【6】から1題選択

配点50点

易□ 並□ 難□

【4】 複素数 z= cos20° +isin 20° と,それに共役な複素数 z に対し

α=z+ z

とする.

(1)  α は整数を係数とするある 3 次方程式の解となることを示せ.

(2) この 3 次方程式は 3 個の実数解をもち,そのいずれも有理数ではないことを示せ.

(3) 有理数を係数とする 2 次方程式で, α を解とするものは存在しないことを背理法を用いて示せ.

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理系

【4】〜【6】から1題選択

配点50点

文系【8】の類題

易□ 並□ 難□

【6】  a b c 0 でない実数として,空間内に 3 A (a, 0,0) B (0, b,0) C (0, 0,c) をとる.

(1) 空間内の点 P AP (BP +2 CP )=0 を満たしながら動くとき,この点 P はある定点 Q から一定の距離にあることを示せ.

(2) (1)における定点 Q 3 A B C を通る平面上にあることを示せ.

(3) (1)における P について,四面体 ABCP の体積の最大値を求めよ.

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理系

【7】〜【9】から1題選択

配点50点

易□ 並□ 難□

【7】 発芽して一定期間後の,ある花の苗の高さの分布は母平均 m cm), 母標準偏差 σ =1.5 cm の正規分布であるとする.

(1) 花壇に植えるとき,高さが 7.3 cm より低い苗と 13.0 cm より高い苗は間引くとする. m=10 cm としたとき,苗が間引かれる確率を求めよ.

(2) 母平均 m が未知であったため,大きさ n の標本を任意抽出して,信頼度 95 % m に対する信頼区間を求めたところ, [9.81, 10.79] であった.標本平均 x の値と n を求めよ.

(3) 赤花と白花を交配して得られた種子と,赤花同志の交配で得られた種子をまいて育てた苗の花の色を調べた.赤白交配の種子を 1 赤花のみからの種子を 0 とし,咲いた花の色については,赤白混じったものは 1 赤のみであれば 0 として,観察した結果は以下の通りとなった.種子の種類と咲いた花の色の相関係数を求めよ.

種 子 1 1 1 1 1 1 1 1 0 0
花の色 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0

正規分布表 P (0U u0 ):

u0 0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09
1.6 .4452 .4463 .4474 .4484 .4495 .4505 .4515 .4525 .4535 .4545
1.7 .4554 .4564 .4573 .4582 .4591 .4599 .4608 .4616 .4625 .4633
1.8 .4641 .4649 .4656 .4664 .4671 .4678 .4686 .4693 .4699 .4706
1.9 .4713 .4719 .4726 .4732 .4738 .4744 .4750 .4756 .4761 .4767
2.0 .4772 .4778 .4783 .4788 .4793 .4798 .4803 .4808 .4812 .4817

2000 九州大学 前期

理系

【7】〜【9】から1題選択

配点50点

易□ 並□ 難□

【8】 平面上の点の極座標を,原点 O からの距離 r 0 と偏角 θ を用いて (r, θ) で表す.

(1) 平面上の 2 曲線

C1: r=2 cos(π +θ) C2 :r=2 (cos θ+1) ( ただし, π2< θ< 3π 2)

の概形を描き,この 2 曲線 C1 C2 の交点の極座標を求めよ.

(2) 平面上の 3 P1 P2 E の極座標をそれぞれ ( r1, θ1 ) ( r2, θ2 ) (1, 0) とするとき,三角形 OE P1 と三角形 O P2Q とが相似となる点 Q P 1*P 2 で表す.点 P 1*P 2 の極座標を求めよ.ただし,点 Q E OP1 =P 2OQ となるように向きも込めて定める.

(3)  3 O P1 P2 が同一直線上にないとき,四辺形 OP 1RP 2 が平行四辺形となるような点 R P1 P2 で表す. P1 P 2 の極座標が ( r1, θ1 ) ( r2, θ2 ) r 1=r 2=r のとき,点 P 1P 2 の極座標を求めよ.

(4) さらに,平面上の点 P の極座標を (r, θ) として,実数 k に対し点 k P を, k0 のときは極座標が (k r,θ) となる点, k<0 のときは (| k| r,θ +π) となる点とする.(1)で求めた 2 曲線 C 1 C2 の交点を V として,点 k (V( V*V)) が曲線 C1 上にあるための k の条件を求めよ.

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理系

【7】〜【9】から1題選択

配点50点

易□ 並□ 難□

【9】  3 次単位行列 E の第 1 行の -2 倍を第 3 行に加えた行列を P とする.

(1)  QP= E となる行列 Q を求めよ.

(2) 行列

R=( a1 a2 a3 a4 b1 b2 b3 b4 c1 c2 c3 c4 )

について, S=P R を求めよ.

(3)  3× 3 行列 A 3 × 1 行列 B が与えられているとき, PA X=P B を満たす行列 X は,また A X=B を満たすことを示せ.

(4)  x y z を未知数とする連立 1 次方程式

{ -3 x-2y +z=a -3x +4y- 5z=b - 6x-5 y+4 z=c

の係数が作る行列を A として,この方程式を A X=B で表すとき,この両辺に左から P をかけた連立 1 次方程式を書け.

(5) 上と同様の操作を繰り返すことにより,(4)で与えた連立 1 次方程式が解を持つための条件を求め,解があるときはその解をすべて求めよ.

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