2002 慶応義塾大学 総合政策学部MathJax

Mathematics

Examination

Test

Archives

2002 慶応義塾大学 総合政策学部

易□ 並□ 難□

【1】  2 つの 2 次曲線

{ x2+ (y- a)2 =1 y=b x2

を考える. a b は実数で a -10 b> 0 とする. a -10 から増やしていくと, 2 つの曲線の共有点の数は 0 1 0 と変化する場合と, 0 1 0 と変化する場合がある.前者は b> の場合である. 2 つの曲線が 2 点で接するとき a b

b2 - a b+1 =0

を満たす.ただし, 2 つの曲線がある点で接するとは,その点を接点とする共通の接線を持つことである.また共有点が 3 点であり,その 3 点を結ぶと正三角形ができるとき

a= b=

である.

2002 慶応義塾大学 総合政策学部

易□ 並□ 難□

2002年慶応義塾大総合政策学部【2】の図

【2】 格子状に 16 個の正方形の小部屋があり,その中に一匹のねずみを入れ,その行動を観察する.小部屋は図のように番号がつけられ,各小部屋からは隣の小部屋に通路があり,番号 4 13 16 以外の小部屋の間では自由に行き来できる.番号 4 13 16 の小部屋に一度はいったら決して出ることはできないものとする.いま,ねずみは通路の選択を同程度に行うと仮定する.たとえば,番号 5 から番号 6 への通路を選択する確率は 13 である.番号 4 13 の小部屋には餌が置いてあり,ねずみはここに到達すれば餌にありつくことができる.

 ねずみを番号 n の小部屋に入れた場合,ねずみが餌にありつける確率 Pn を求めたい.そのためにそれらの確率の間の関係式を求める.当然のことながら, P4 =P13 =1 P 16=0 である.たとえば

P6= ( P2+ P5+ P7+ P10 ) P3= ( +P2 +P7 )

である.これらの関係式を解くことによって P1 = を得る.もし番号 16 の小部屋も自由に行き来できるとすると, P1 = となる.

2002 慶応義塾大学 総合政策学部

【3-2】との選択

易□ 並□ 難□

【3-1】(1) 直線 y= 12 x+1 を複素数を用いて表すと

z=x+ iy α= + i 4

として

α z+α z -1=0

と表される.

(2) 次の等式を成り立たせる実数 x y を求める.

(1+i )x 2+(1 -5i )x y+(2 +6i )y 2=56

答えは 4 組の x y が存在し

{ x= y= { x= y=

2 組と,この符号を変えた 2 組である.

2002 慶応義塾大学 総合政策学部

【3-1】との選択

易□ 並□ 難□

【3-2】 次のプログラムの説明文の中の問ケから問チにおいて,与えられた選択肢から最も適切なものを選び,その番号を解答欄の から に記入しなさい.

100 A, B, C

200 IF A = 0 THEN GOTO 600

210 D = B * B - 4 * A * C

220 IF D = 0 THEN GOTO 500

230 IF D < 0 THEN GOTO 400

300 IF B < 0 THEN GOTO 350

310 X1 = - B - SQR(D)

320 GOTO 360

350 X1 = - B + SQR(D)

360 X1 = X1 / (2 * A)

370 X2 = C / (A * X1)

380 PRINT " REAL SOLUTIONS ", X1, X2

390 GOTO 100

400 PRINT " NO REAL SOLUTION "

410 GOTO 100

500 X1 = - B / (2 * A)

510 PRINT " DOUBLE SOLUTION ", X1

520 GOTO 100

600 END

二次関数 a x2+ bx+ c a (x- p)2 +q の形に変型することを,平方完成という.これから二次方程式 a x2+ bx+ c=0 の解の公式が得られる.このとき, -4 aq を二次方程式の判別式という.判別式が負のとき,解はない. 2 つの解を α β とするとき,解と係数の関係式 α +β=- b a α β= c a が成り立つ. α=β のとき,重解という.

 プログラムは係数 A BC を与えたときの{問ケ:(1)一次方程式を解く (2)二次方程式を解く (3)三次方程式を解く}プログラムである.係数 A の値が 0 でない限り,対応する方程式の解を計算する.文番号 100 で係数を入力し,文番号 200 A の値を調べて,その値が{問コ:(1) -1  (2) 0  (3) 1 }の時,計算を終了する.文番号 210 では{問サ:(1)解の公式 (2)判別式 (3)平方完成}の計算を行っている.文番号 220 では{問シ:(1)異なる 2 つの解の (2)重解の (3)解がない}場合の処理を文番号 500 以下で行わせている.文番号 230 では{問ス:(1)異なる 2 つの解の (2)重解の (3)解のない}場合の処理を文番号 400 以下で行わせている.文番号 300 から 390 までは{問セ:(1)異なる 2 つの解の (2)重解の (3)解がない}場合の処理を行っている.

 解の公式を用いているが,係数 B の絶対値と判別式の平方根が近い値をもつとき,分子の絶対値が小さくなる場合がある.このときは計算される解の精度が失われるので,分子の絶対値が大きい方の解を先に計算する工夫がなされている.こうして 1 つの解を計算した後,他の解は文番号 370 で{問ソ:(1)解の公式 (2)解と係数の関係式 (3)判別式}を使って計算し,文番号 380 で結果を表示している.

 次の文番号 390 では,文番号 100 に飛んで次の計算のための係数を読み込む.文番号 400 では{問タ:(1)異なる 2 つの解の (2)重解の (3)解がない}場合の処理を行ない,文番号 410 で文番号 100 に飛んで次の計算のための係数を読み込む.文番号 500 510 で{問チ:(1)異なる 2 つの解の (2)重解の (3)解がない}場合の処理を行っている.文番号 520 で文番号 100 に飛んで次の計算のための係数を読み込む.

2002 慶応義塾大学 総合政策学部

易□ 並□ 難□

【4】  3 次関数 f (x) の増減表が次のように与えられている.

x  a  0  1 
f (x) + 0 - - - 0 +
f(x )  3  1  -1  

 このとき a= であり

f(x )= x3+ x 2+ x+1

である.

2002 慶応義塾大学 総合政策学部

易□ 並□ 難□

【5】(1)  A 氏, B 氏, C 氏, D 氏の 4 人がある議題の採決を行う.最初に公平な抽選によって投票の順番を決め,各自は議案の賛否を投票する.議案は A 氏と他の 1 名の賛成をもって可決する.さて投票の順番が決まったとき,自分より前の投票者がすべて賛成すると仮定し,自分の賛成の投票によって議案が可決するとき,”賛否に影響を与える立場にいる”と解釈する.例えば投票の順番が CDBA のとき, C 氏, D 氏, B 氏が賛成の投票をしても議案は可決しないので, A 氏が”賛否に影響を与える立場にいる”ことになる.この採決の方法において,各自の”賛否に影響を与える立場にいる”ことになる確率を求めよ.

A: B : C: D:

(2) 投票者が A 氏, B 氏, C 氏, D 氏, E 氏, F 氏の 6 人で,議案が A B 両氏と残りの 2 名の賛成をもって可決する場合を考える.抽選により投票の順番が決まったとき,自分より前の投票者がすべて賛成すると仮定し,自分の賛成の投票によって議案が可決するとき,”賛否に影響を与える立場にいる”と解釈する.この採決の方法において,各自の”賛否に影響を与える立場にいる”ことになる確率を求めよ.

A: B: C:

D: E: F :

inserted by FC2 system