Mathematics
Examination
Test
Archives
【2】 地球は,北極と南極を結ぶ方向を短軸,それと直角な方向を長軸とする偏(へん)平回転楕(だ)円体であるが,ほぼ球体と見なすことができる.世界地図を作成する場合,球面を平面に展開することは不可能であるから,方位,距離,面積などのすべてを正しく図示することはできない.そこで実際には,方位,距離,面積などのうちのいくつかを正しく図示することのできる,様々な図法が考案されている.
さて,半径の球で作られた正確な地球儀があるとする.以下では,この地球儀に基づいて,北極点を中心とし,北半球を円形に表示するいくつかの図法について考える.この種の図法では,北極点からの方位を正しく図示することができる.緯度を(ラジアン),経度を(ラジアン,東経を正,西経を負とする)で表せば,この種の図法において地球儀上の座標を地図上の座標に対応させる式は,次のように表される.
ここで,は地図上での北極点からの距離を表すの関数であり,図法の種類によって様々な関数が使われる.
以上のことを踏まえて以下の問題に答えよ.なお,解答に際しては,必要に応じて図を用いよ.
問1 とすると北極点からの距離は正しく図示できるが,面積を正しく図示することはできない.次の(1)〜(3)のヒントを参考に,面積がどのように図示されているか説明せよ.
問2 問1の図法では面積を正しく図示することはできない.面積を正しく図示するためには,をどのような関数とすればよいか.なお,解答に際しては,必要に応じて問1のヒント(1)と(2)に定義してある記号や座標を用いよ.また,線分の長さを求める際には,微分の考え方を用いよ.
問3 とすると,北半球の任意の点間の最短経路(これを大圏コースという)を直線で図示することができる.その理由を幾何学的に説明せよ.