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2003 慶応義塾大学 環境情報学部

易□ 並□ 難□

【1】

(1) 角度 θ 0° θ<360 ° の範囲を動くとき,関数

y=-4 (sin 3θ +cos3 θ)-18 (sin θ-1) (cos θ-1) +9

の最大値を次のようにして求める.

  t=sin θ+cos θ とおけば

y= (1) t 3- (2) t2+ (3) (4) t

となる. t の範囲は |t | (5) であるから, y の最大値は (6) である.

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【1】

(2)  b1 b2 b 3 を正の実数とする. a1= b13 a2= b2 3 a3= b3 3 としたとき

a1+ a2+ a33 - a1 a2 a3 3= 1 (7) ( b1+ b2+ b3) (( b1- b2) 2+ (b 2-b 3) 2+ (b 3-b 1) 2)

となる.したがって

a1+ a2+ a33 a1 a2 a3 3

であり,等号は a1 =a2 =a3 のときに限り成立する.この不等式を用いれば,正の実数 a b に対して

4 (a2 +ab )3 33 ( a2 b) (8)

を得る.

 底面が半径 a の円,高さが b の直円柱を考える.不等式の等号条件から,表面積を一定にして体積を最大にしたとき, b= (9) a である.

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【2】 点 (0, k) (k> 1 4 ) を通る直線 y= mx+ k と放物線 y= x2 との交点を A( a,a 2) B (b, b2) a<b とする. A における接線と B を通り B における接線と直交する直線( B における法線)との交点を P とすれば, P x 座標は

b (10) m2 + (11) k + (12) 1- (13) k

である.この値を b S と書くことにする.同様に, B における接線と A における法線との交点を Q とすれば,線分 PQ の中点 M の座標は

( m (14) S,- (15) k S- m2+ (16) k (17) )

である.

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【3-2】との選択

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【3-1】  (x- 2)2+ (y- 1)2 =32 で表される円は,複素数 z= x+i y を用いて

|z- ( (19) + (20) i )|= (21)

と書ける. z =x-i y とすれば

zz -( (22) - (23) i)z -( (24) + (25) i ) z - (26) =0

とも書ける.また

|z+ (27) (28) ( (29) +i) |= (30) (31) |z |

と表すこともできる.

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【3-1】との選択

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【3-2】 与えられた 4 個の数字の中に, 1 があるかないかを判定するプログラムを考える.一つでも 1 が見つかれば終了し,また見つからないときはそのことを報告するようにしたい.

  4 個の数字を配列 A(1) から A(4) に読み込み,これらが 1 に等しいか否かを順に判定すればよい.ここで一工夫して,あらかじめ配列 A(5) 1 を入れておき,配列 A(1) から A(5) が,A(5) に等しいか否かを判定するようにする.このようにしておくと,A(1) から A(4) 1 がなかったときは,A(5) 1 が見つかることになる.このようにしてプログラムの終了を導くとき,A(5) を番兵と呼ぶ.

 この考え方にしたがって, 7 3 5 1 を読み込んだときの次のプログラムを完成させなさい.このとき,処理の結果として,J の値 (32) が表示される.

10 REM 1 を探す

11 DIM A(5)

12 FOR I = 1 TO (33)

13 READ A(I)

14 NEXT I

15 A(5) = (34)

16 J = (35)

17 IF A(J) = A(5) THEN GOTO (36) (37)

18 J = J + (38)

19 GOTO (39) (40)

20 IF J = 5 THEN GOTO (41) (42)

21 PRINT " FOUND IN " , J

22 GOTO (43) (44)

23 PRINT " NOT FOUND "

24 END

25 DATA 7 , 3, 5 , 1

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【4】 解答欄の (45) から (50) には,次の選択肢から最も適切なものを選び,その番号を解答欄に答えなさい.また,解答欄の (51) から (54) には,計算の結果を答えなさい.

選択肢

  1 2 n の順列 a1 a2 an において ak k を満たす k の個数を,その順列の M 数という. M 数が m となる順列の個数を g (m,n ) と書く.この g (m,n ) を計算してみよう.

 いま, 1 2 n- 1 の順列 a1 a2 an -1 M 数が m となるものが見つかったとする.このとき a kk を満たす ak n に置き換える.そして, n 番目の数を ak とすれば, 1 2 n の順列となり,その M 数は m である.また,順列 a 1 a2 an- 1 M 数が m- 1 となるものが見つかったとする.このとき, ak< k を満たす ak n に置き換え, n 番目の数を ak とするか,あるいは n 番目を n とすることにより, M 数が m 1 2 n の順列が得られる.このことから関係式

g(m ,n)= (45) g (m, (46) ) + (47) g (m- 1, (48) )

を得る.同様にして,不等号の向きを逆にして,順列の L 数を定義する.

 さて,順列 a1 a2 an に対して,逆の順列 b1 b2 bn を, ah= k のとき, bk= h となるように定義する.たとえば,順列 2 5 1 4 3 の逆の順列は 3 1 5 4 2 である.与えられた順列の M 数が m であるとき,逆の順列の L 数は (49) である.これより

g(m ,n)= g( (50) ,n )

がわかる.たとえば

g(2 ,4)= (51) (52) g( 4,5)= (53) (54)

である.

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【5】 解答欄の (55) から (66) には,次の選択肢から最も適切なものを選び,その番号を解答欄に答えなさい.

選択肢

 関数 f (x)

f(x +y)= f(x )+f (y) x y はすべての実数

を満たすとき,ある定数 k が存在して f (x)= kx と書けることを証明しよう.ただし, x>0 のとき, f(x )>0 と仮定する.

 最初に自然数 p 0), q に対して

f( qp x) =q p f(x )

を示す. p×f ( qp x) f ( q (55) x ) (56) 個加えたものだから, (57) を繰り返して用いれば, f( (58) x ) となる.ここで再び (59) を繰り返して用いれば, (60) f( x ) となる.よって式 が得られた.

 ここで 0< x1< x2 に対して

f ( x1) x1 > f ( x2) x2

であるとしてみよう.このとき

x1< qp x2 f( x1) >f ( qp x2 )

を満たす自然数 p q が存在する.

 実際,仮定より f (x1 )>0 f( x2) >0 であり, (61) は,原点 (0 ,0) と点 (x 1,f (x 1) ) を結ぶ線分 l1 が, (0,0 ) ( x2, f( x2 ) ) を結ぶ線分 l2 (62) 側にあることを意味する.ここで l2 あるいはその延長と直線 y= f( x1 ) の交点の x 座標を A とする.このとき qp x2 x1 A の間になるように,自然数 p q を選べば, (63) を用いて式 が成り立つことがわかる.

 ところで (64) を用いれば

f( qp x2) =f (x 1+ qp x2 -x1 )= f(x 1)+f ( qp x2- x1) >f (x1 )

であるから, (65) に矛盾する.

f (x 1) x1 (66) f ( x2) x2

としても,同様に矛盾を導くことができる.よって

f ( x1) x1 = f( x2 )x 2

が得られた. x1 x2 は任意に選べるので,求める結果が導かれた.

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