2004 東京工業大学 後期小論文第5類MathJax

Mathematics

Examination

Test

Archives

2004 東京工業大学 後期小論文第5類

易□ 並□ 難□

【1】 ある線分の長さを 1 としたとき, 1+ 13 1+ 2 1 +2 などのように,四則演算と平方根を取る操作を整数に対して有限回行って表される正の長さを持つ線分は, 1 個の定規を 1 個のコンパスだけを用いて作図することができる.ここで,定規とは与えられた 2 点を通る直線を引く道具であり,コンパスとは与えられた点を中心として与えられた任意の半径の円をかく道具である.

2004年東工大後期第4類小論文【1】の図 2004年東工大後期第4類小論文【1】の図 2004年東工大後期第4類小論文【1】の図
(a) (b)(c)
図1.1

 まず,図1.1(a)に示す線分 AB と線分 CD について,線分 AB の長さが線分 CD の長さよりも長いと仮定して,それらの長さの和と差を求めてみる.図1.1(b)に示すように,線分 AB を定規を使って延長し,点 B を中心として半径が線分 CD の長さに等しい円をコンパスを使ってかくと,線分 AB を延長した直線との交点 E が得られる.このとき,線分 AE の長さは線分 AB と線分 CD の長さの和となる.次に,図1.1(c)に示すように,点 B を中心として半径が線分 CD の長さに等しい円をコンパスを使ってかくと,線分 AB との交点 F が得られる.このとき,線分 AF の長さは線分 AB と線分 CD の長さの差となる.ある長さの線分を N 倍( N 2 以上の整数)とするときも,自分自身と同じ長さの和を作る操作を N -1 回くり返せばよい.

 以下の問に答えよ.ただし,必要なら図を用いて説明してもよい.

問1  1 個の定規と 1 個のコンパスだけで,与えられた線分を N 等分する方法を示せ.ただし, N 2 以上の整数とする.

問2 長さ 1 の線分と長さ L の線分が与えられたとき, 1 個の定規と 1 個のコンパスだけで,長さ L の線分を作図する方法を示せ.ただし, L は正の実数とする.

2004年東工大後期第4類小論文【1】の図

図1.2

 次に,正五角形が 1 個の定規と 1 個のコンパスだけで作図可能であるかどうか考えてみる.図1.2に示すように, x 軸を実軸, y 軸を虚軸とする複素数平面上に,半径が 1 の円とそれを 5 等分する円周上の点 W k がある.ただし, Wk

Wk= cos (2 π k5 )+i sin (2 π k5 )

であり, i は虚数単位, k 0 から 4 までの整数である.図1.2にかかれている長さ l= cos( 2 π5 ) が,四則演算と平方根を取る操作を整数に対して有限回行って表される正の値であれば, 1 個の定規と 1 個のコンパスだけで円周を 5 等分することができるので,正五角形も作図可能となる.

 以下の問に答えよ.ただし,解答には三角関数を用いてはいけない.

問3  Wk 4+ Wk3 +W k2 +Wk k=0 4 を求めよ.

問4  W1+ W2+ W3+ W4 を求めよ.

問5  (W1 +W4 )( W2+ W3 ) を求めよ.

問6  cos ( 2π 5 ) を求めよ.

inserted by FC2 system