2004　九州大学　後期工学部MathJax

【１】　次の問いに答えよ．

(1)　$1$個のサイコロを繰り返し投げる．$1$の目が出た時点で投げるのをやめる．たとえ$1$の目が出ないとしても，$n$回サイコロを投げた時点で投げるのをやめる．このとき，サイコロを投げる回数の期待値を求めよ．

(2)　$1$個のサイコロを繰り返し投げる．合計$2$回$1$の目が出た時点で投げるのをやめる．たとえ$1$の目が出た回数の合計が$2$回に達しなくても，$n$回サイコロを投げた時点で投げるのをやめる．このとき，サイコロを投げる回数の期待値を求めよ．

【２】　連立不等式$0\leqq x\leqq 6\text{，}0\leqq y\leqq 4$の表す領域を$D$とし，連立不等式$0\leqq x\leqq 6\text{，}4\leqq y\leqq 7$の表す領域を$E$とする．$0\leqq t\leqq 6$として点$\mathrm{P}$が$\mathrm{O}(0,0)\text{，}\mathrm{A}(t,4)\text{，}\mathrm{B}(6,7)$を結ぶ折れ線$\mathrm{OAB}$上を$\mathrm{O}$から$\mathrm{B}$まで移動している．ただし，領域$D$内では一定の速さ$u$で動き，領域$E$内では一定の速さ$v$で動くものとする（$u>0\text{，}v>0$）．また，直線$\mathrm{OA}$と直線$x=0$がなす角を$\alpha \text{，}$直線$\mathrm{AB}$と直線$x=6$がなす角を$\beta$とする（$0\leqq \alpha \leqq {\displaystyle \frac{\pi }{2}}\text{，}0\leqq \beta \leqq {\displaystyle \frac{\pi }{2}}$）．このとき，次の問いに答えよ．

(1)　点$\mathrm{P}$が$\mathrm{O}$から$\mathrm{B}$まで移動するのに要する時間を$f(t)$とする．$f(t)$を$t$の式で表せ．さらに，$f(t)$が区間$0<t<6$において最小値をもつことを証明せよ．

(2)　点$\mathrm{A}$が所要時間を最小にする位置にあるとき

${\displaystyle \frac{\sin \alpha }{u}=\frac{\sin \beta }{v}}$

が成り立つことを示せ．

(3)　点$\mathrm{A}$が所要時間を最小にする位置にあり，かつ$\beta =2\alpha$が成立するとき，${\displaystyle \frac{u}{v}}$の値を求めよ．

【３】　曲線$C:y={\displaystyle \frac{1}{x}}\text{（}x>0\text{）}$と直線$l:y=-x+{\displaystyle \frac{5}{2}}$について次の問いに答えよ．

(1)　$C$上の点$\mathrm{P}(p,{\displaystyle \frac{1}{p}})$から$l$に下ろした垂線が$l$と交わる点を$\mathrm{Q}$とする．線分$\mathrm{PQ}$の長さを$p$を用いて表せ．

(2)　$C$と$l$によって囲まれた図形を$l$のまわりに$1$回転して得られる回転体の体積を求めよ．

【４】　初項$a_1=1$と漸化式

$a_n=2a_{n-1}+n-3\text{（}n=2\text{，}3\text{，}\cdots \text{）}$

によって与えられる数列$\{a_n\}$について次の問いに答えよ．

(1)　一般項$a_n$を求めよ．

(2)　$\{a_n\}$の第$k$項から第$2k$項までの$(k+1)$個の項の和$P_k$を求めよ．

(3)　整数$k>1$を選んだとき，

$2^{k-1}-a_k\leqq 25\text{かつ}{2}^{2k}-2^{k-1}-P_k\geqq 25$

が成立しない$k$の範囲を示せ．