2005　筑波大学　前期MathJax

【１】　次の関係式を満たす関数$f(x)$がただ一つ存在するように，定数$a$の値を定めよ．

$f(x)=ax+{\displaystyle \frac{1}{4}}{({\displaystyle {\int }_0^{{\displaystyle \frac{2}{\pi }}}}f(t)\sin tdt)}^4$

【２】　曲線$C:y=\sin x(0<x<{\displaystyle \frac{\pi }{2}})$を考える．$C$上の点$\mathrm{P}$における$C$の法線を$l$とする．

(1)　法線$l$が点$\mathrm{Q}(0,1)$を通るような点$\mathrm{P}$がただ一つ存在することを示せ．

(2)　(1)の条件を満たす点$\mathrm{P}$に対し，直線$l\text{，}$曲線$C\text{，}$直線$y=1$で囲まれる部分の面積を$S_1$とし，直線$l\text{，}$曲線$C\text{，}x$軸で囲まれる部分の面積を$S_2$とする．$S_1$と$S_2$の大小を比較せよ．

【３】　曲線$C:y=e^x$上の異なる$2$点$\mathrm{A}(a,e^a)\text{，}\mathrm{P}(t,e^t)$における$C$のそれぞれの法線の交点を$\mathrm{Q}$として，線分$\mathrm{AQ}$の長さを$L_a(t)$で表す．さらに，$r(a)=\underset{t\to a}{\lim }{L}_a(t)$と定義する．

(1)　$r(a)$を求めよ．

(2)　$a$が実数全体を動くとき，$r(a)$の最小値を求めよ．

【４】　$2$次正方行列$P=\left(\begin{array}{cc}p& q\\ r& 1\end{array}\right)$について，次の問いに答えよ．

(1)　$P$が逆行列をもたなければ$\left(\begin{array}{c}q\\ 1\end{array}\right)=k\left(\begin{array}{c}p\\ r\end{array}\right)$となる$k$が存在するか，または$\left(\begin{array}{c}p\\ r\end{array}\right)=\left(\begin{array}{c}0\\ 0\end{array}\right)$であることを示せ．

(2)　条件$A^2=O\text{，}A\left(\begin{array}{c}p\\ r\end{array}\right)=\left(\begin{array}{c}q\\ 1\end{array}\right)$を満たす$2$次正方行列$A$が存在するとき，$P$は逆行列をもつことを示せ．

(3)　$A=\left(\begin{array}{cc}2& 4\\ \mathrm{-1}& \mathrm{-2}\end{array}\right)$のとき$A\left(\begin{array}{c}p\\ r\end{array}\right)=\left(\begin{array}{c}q\\ 1\end{array}\right)$となるような$p\text{，}q\text{，}r$を$1$組求め，$A^{\mathrm{-1}}AP$を計算せよ．

【５】　実数$a$に対して，曲線$C_a$を方程式

${(x-a)}^2+a{y}^2=a^2+3a+1$

によって定める．

(1)　$C_a$は$a$の値と無関係に$4$つの定点を通ることを示し，その$4$定点の座標を求めよ．

(2)　$a$が正の実数全体を動くとき，$C_a$が通過する範囲を図示せよ．

【６】　$30$人のクラスにおいて$2$回試験を行ったところ$2$回とも全員が受験し，得点の平均値と分散について，以下の表のような結果を得た．$2$回全体の得点の分散は$44$であり，$1$回目と$2$回目の得点の共分散は$20$であった．

(1)　$2$回目の試験の得点の分散を求めよ．

(2)　$1$回目と$2$回目の試験の得点の相関係数を求めよ．

(3)　$3$回目の試験を行ったところ$24$人が受験し，平均値$54\text{，}$分散$51$であった．$3$回全体の得点の分散を求めよ．

【７】　正の整数$N$に対して，$a^2\leqq N<{(a+1)}^2$である正の整数$a$と$b=N-a^2$によって，数列$\{x_n\}$を

• $x_0=a$
• $x_{n+1}=a+{\displaystyle \frac{b}{x_n+a}}$

で定義する．

(1)　$N\text{，}a$を入力して$x_0\text{，}{x}_1\text{，}{x}_2\text{，}\cdots$を計算し，$|{x_n}^2-N|<0.0001$となったとき$x_n$の値を出力して終了するプログラムを書け．ただし，BASICでは$|x|$は$\mathrm{ABS}(x)$で求められる．

(2)　$x_{n+1}-\sqrt{N}={\displaystyle \frac{a-\sqrt{N}}{x_n+a}}(x_n-\sqrt{N})\text{（}n=0\text{，}1\text{，}2\text{，}\cdots \text{）}$が成り立つことを示せ．

(3)　$b>0$のとき，次の不等式が成り立つことを示せ．

$x_0<x_2<\cdots <x_{2k}<\sqrt{N}<x_{2k+1}<\cdots <x_3<x_1$

(4)　$\underset{n\to \infty }{\lim }{x}_n=\sqrt{N}$を示せ．

志望別問題選択一覧

第一学群

　自然学類　【１】〜【３】必須，【４】〜【７】から２題選択

第二学群

　人間学類　数学III選択　【１】〜【３】から２題選択

　人間学類　数学C選択　【４】〜【７】から２題選択

　生物学類，生物資源学類　【１】〜【３】必須，【４】〜【７】から２題選択

第三学群

　社会工学類，情報学類　【１】〜【３】必須，【４】〜【７】から２題選択

　国際総合学類　【１】〜【３】から２題選択，【４】〜【７】から２題選択

　工学システム学類，工学基礎学類　【１】〜【３】必須，【４】〜【７】から１題選択

医学専門学群

　医学類，看護・医療科学類　【１】〜【３】必須，【４】〜【７】から２題選択

図書館情報専門学群

　【１】〜【３】から２題選択，【４】〜【７】から２題選択