Mathematics
Examination
Test
Archives
【2】 平面上の球の運動の軌跡について考える.図2.1および図2.2に示すように,原点を始点とし軸に平行で方向に延びる半直線上の壁と,原点を始点とし軸と角度をなす半直線上の壁で挟まれた平面上を,大きさの無視できる球が壁に反射しながら運動する.ただし,球が壁に衝突して反射するときは,図2.3に示すように,球が壁に衝突する前の入射方向を示す単位ベクトルと衝突後の反射方向を示す単位ベクトルは,を満たし,が衝突した壁と垂直であるとする.さらに,球を壁上の点(ただし)に置き,壁に衝突するような方向(ただし)に弾くとする.図2.1では,球が原点から遠ざかりながら反射を繰り返す軌跡を示しており,図2.2では,球が原点に最初は近づきながらその後遠ざかるように反射を繰り返す軌跡を示しているが,いずれの場合も,球はとに交互に衝突・反射を有限回繰り返した後,最終的に原点から遠ざかる方向に球が進むことが分かる.
ここで,球がつの壁と衝突する総回数をとする.また,球と壁との回目の衝突において衝突する点の座標をとし,このときの反射方向を示す単位ベクトルをとする.以下の問に答えよ.
図2.1
図2.2
:入射方向を示す単位ベクトル | |
:反射方向を示す単位ベクトル | |
図2.3
問1 球は最初と衝突するので点の座標はと表すことができる.このとき,を求めよ.
問2 を求めよ.
問3 球は,と点で衝突した後,の方向に進む.始点をとし方向ベクトルをとする半直線がと交点を持てばであり,交点を持たなければである.
(a) の場合について,とを求めよ.
(b) であるためのの必要十分条件を求めよ.
問4 のとき,回目()の反射方向を示す単位ベクトルのは,以下の式で表されることを示せ.
問5 球がつの壁と衝突する総回数がで与えられること,すなわち,少なくとも回の衝突が起こり,なおかつ回目の衝突が起こらないことを示せ.ただし,記号は以上の最小の整数を表すとする.
問6 においてとしたとき,を求めよ.