2005 東京工業大学 後期小論文第5類MathJax

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2005 東京工業大学 後期小論文第5類

易□ 並□ 難□

【2】 平面上の球の運動の軌跡について考える.図2.1および図2.2に示すように,原点 O を始点とし x 軸に平行で + x 方向に延びる半直線上の壁 W 0 と,原点 O を始点とし x 軸と角度 θ ( 0 <θ< π 2 ) をなす半直線上の壁 W 1 で挟まれた平面上を,大きさの無視できる球が壁に反射しながら運動する.ただし,球が壁に衝突して反射するときは,図2.3に示すように,球が壁に衝突する前の入射方向を示す単位ベクトル v と衝突後の反射方向を示す単位ベクトル v は, | v | =| v |= 1 を満たし, v -v 0 が衝突した壁と垂直であるとする.さらに,球を壁 W 0 上の点 P 0( r0 ,0) (ただし r 0>0 )に置き,壁 W 1 に衝突するような方向 v0 =( cosα 0,sin α0 ) (ただし θ <α0 <π )に弾くとする.図2.1では,球が原点から遠ざかりながら反射を繰り返す軌跡を示しており,図2.2では,球が原点に最初は近づきながらその後遠ざかるように反射を繰り返す軌跡を示しているが,いずれの場合も,球は W 1 W 0 に交互に衝突・反射を有限回繰り返した後,最終的に原点から遠ざかる方向に球が進むことが分かる.

 ここで,球が 2 つの壁と衝突する総回数を N N 1 とする.また,球と壁との n 回目の衝突において 1 nN ), 衝突する点 P n の座標を (x n,y n) とし,このときの反射方向を示す単位ベクトルを vn =( cosα n,sin αn ) とする.以下の問に答えよ.

2005年東工大後期第5類小論文【2】の図

図2.1

2005年東工大後期第5類小論文【2】の図

図2.2

2005年東工大後期第5類小論文【2】の図 v :入射方向を示す単位ベクトル
v :反射方向を示す単位ベクトル
|v |= | v |=1

図2.3

問1 球は最初 W 1 と衝突するので点 P 1 の座標は ( x1, y1 )= (r1 cos θ,r 1sin θ ) と表すことができる.このとき, r1 を求めよ.

問2  v1 を求めよ.

問3 球は, W1 と点 P 1 で衝突した後, v1 の方向に進む.始点を P 1 とし方向ベクトルを v 1 とする半直線が W 0 と交点を持てば N 2 であり,交点を持たなければ N =1 である.

(a)  N2 の場合について, (x2 ,y2 ) v 2 を求めよ.

(b)  N2 であるための α 0 の必要十分条件を求めよ.

問4  N2 のとき, n 回目( 1 nN )の反射方向を示す単位ベクトル vn =( cosα n,sin αn ) α n は,以下の式で表されることを示せ.

αn ={ ( n+1) θ- α0 nは奇数) α 0-n θ nは偶数)

問5 球が 2 つの壁と衝突する総回数 N N = α0 θ - 1 で与えられること,すなわち,少なくとも α 0θ - 1 回の衝突が起こり,なおかつ α 0θ 回目の衝突が起こらないことを示せ.ただし,記号 d d 以上の最小の整数を表すとする.

問6  1n N において rn =x n2+ yn 2 としたとき, r nr0 を求めよ.

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