2006 東京工業大学 後期小論文第5類MathJax

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2006 東京工業大学 後期小論文第5類

易□ 並□ 難□

2006東工大後期第5類小論文【1】の図

図1.1

【1】 白塗り正三角形に対して,各辺の中点を結んだ正三角形を黒く塗りつぶす操作を考える.すなわち,図1.1に示すように,辺 AB BC CA の中点である点 D E F を結んだ正三角形を黒く塗りつぶす.

 この操作を,一辺 a の白塗り正三角形 GHI に繰り返し行うことを考える.まず, n 1 以上の整数とする.第 1 回操作後の図形は,図1.2(a)に示す元の正三角形に対して図1.1の操作を行い生成されるものとする.第 n +1 回操作後の図形は,第 n 回操作後の図形における一辺 a2 n の白塗り正三角形すべてに対して,図1.1の操作を行い生成されるものとする.具体的に,同図(b)は第 1 操作後の図形( n =1 ),同図(c)は第 2 回操作後の図形( n= 2 )を示している.

 以下の問に答えよ.ただし,白塗り正三角形の辺を結線と呼び,白塗り正三角形の頂点を端点と呼ぶことにする.

2006年東工大後期第5類小論文【1】の図 2006年東工大後期第5類小論文【1】の図 2006年東工大後期第5類小論文【1】の図
(a) 元の正三角形 (b) 第 1 回操作後の図形 (c) 第 2 回操作後の図形
図1.2

問1 題 n 回操作後の図形において,一辺 a2 n の白塗り正三角形の数 b n と,端点の数 c n を求めよ.

問2 第 n 回操作後の図形において,黒塗り正三角形の数 d n と,その面積の総和 c n を求めよ.

問3  m 2 以上の整数とする.第 m 回操作後の図形において,黒塗り正三角形それぞれの重心と,正三角形 GHI の重心 P との距離を考える.最短距離は 0 であるが, 2 番目に短い距離を求めよ.

問4 第 n 回操作後の図形においては,各辺が複数の結線で構成される正三角形が存在する.例えば,図1.2(b)の正三角形 GHI は,各辺が 2 つの結線のみで構成されている.各辺が結線のみで構成される正三角形の総数 f n n の関数として求めよ.なお, f 1=5 f2 =17 である.

問5 第 n 回操作後の図形において,点 G を始点として点 H に至る経路を考える.ただし,経路は結線のみを通り,すべての端点を 1 回だけ通るものとする.

(a) 第 1 回操作後の図形において,このような経路を 1 つ示せ.

(b) 題意の経路が存在する n に関する必要充分十分条件を求めよ.また, n がこの条件を満たすとき,題意の経路が存在することを証明せよ.さらに,その経路長をすべて求めよ.

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