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【4】 解析など,コンピュータ上で処理する大きな仕事について考えよう.単位の仕事をという個ので実行すると,時間かかるプログラムがある.この仕事のは複数ので同時並行に実行できるが,は単一のでしか実行できない.このを並列化可能部分と呼び,を並列化不能部分と呼ぶ.
例えばこの仕事を個ので並列に実行すると,この仕事は時間で終了する.この時,単位の仕事を時間で実行しているので,実行速度は(単位/時間)となる.すなわち,この仕事を個ので並列に実行すると,個ので実行した時に比べ,実行速度は倍となる.
以下の問いに答えよ.
(1) このプログラムを個ので並列に実行すると,何時間かかるか.また個ので実行した時に比べ,実行速度は何倍になるか.
(2) このプログラムを個ので並列に実行する場合の実行速度のグラフの概形を描け.ただし,縦軸を実行速度,横軸をの個数とせよ.また,漸近線および漸近値も書き入れること.
(3) 実行速度がの倍のがある.このプログラムをとで並列に実行すると,何時間かかるか.また実行速度は個ので実行した時に比べ,何倍になるか.ただし並列化不能部分はで実行するものとする.
ここで,コンピュータシステムの価格をの価格で近似しよう.個ので実行した場合と個ので実行した場合とを比較すると,価格は倍となる.しかし実行速度は倍にしか増加しない.したがって価格に対する実行速度の比率は倍となる.言い換えると,倍の費用を投入しても倍の見返りしか得られず,その比率が倍にしかならないということになる.もちろん,価格に対する実行速度の比率は,大きいほど良い.
(4) 個ので実行した場合に対し,個ので実行した場合の価格に対する実行速度の比率は何倍となるか.
(5) さらに,このプログラムに対し個のと同じだけの価格を費やして改造することを考えよう.改造の費用もコンピュータシステムの価格に含まれるものとする.この改造では,並列化不能部分の仕事の処理を倍に高速化する.改造後のプログラムを個ので実行すると何時間かかり,改造前のプログラムを個ので実行した時に比べ実行速度は何倍になるか.また価格に対する実行速度の比率は何倍となるか.