2008 電気通信大学 夜間総合問題・後期MathJax

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2008 電気通信大学 夜間総合問題・後期

【1】〜【3】は物理問題

配点100点

易□ 並□ 難□

【4】  DNA 解析など,コンピュータ上で処理する大きな仕事について考えよう. 1.00 単位の仕事を A という 1 個の CPU で実行すると, 1.00 時間かかるプログラムがある.この仕事の 40 % は複数の CPU で同時並行に実行できるが, 60% は単一の CPU でしか実行できない.この 40 % を並列化可能部分と呼び, 60% を並列化不能部分と呼ぶ.

 例えばこの仕事を 2 個の CPU A で並列に実行すると,この仕事は 0.80 時間で終了する.この時, 1.00 単位の仕事を 0.80 時間で実行しているので,実行速度は 1.25 (単位/時間)となる.すなわち,この仕事を 2 個の CPU A で並列に実行すると, 1 個の CPU A で実行した時に比べ,実行速度は 1.25 倍となる.

 以下の問いに答えよ.

(1) このプログラムを 4 個の CPU A で並列に実行すると,何時間かかるか.また 1 個の CPU A で実行した時に比べ,実行速度は何倍になるか.

(2) このプログラムを N 個の CPU A で並列に実行する場合の実行速度のグラフの概形を描け.ただし,縦軸を実行速度,横軸を CPU A の個数 N とせよ.また,漸近線および漸近値も書き入れること.

(3) 実行速度が CPU A 99.00 倍の CPU B がある.このプログラムを CPU A CPU B で並列に実行すると,何時間かかるか.また実行速度は 1 個の CPU A で実行した時に比べ,何倍になるか.ただし並列化不能部分は CPU A で実行するものとする.

 ここで,コンピュータシステムの価格を CPU の価格で近似しよう. 1 個の CPU A で実行した場合と 2 個の CPU A で実行した場合とを比較すると,価格は倍となる.しかし実行速度は 1.25 倍にしか増加しない.したがって価格に対する実行速度の比率は 0.63 倍となる.言い換えると, 2 倍の費用を投入しても 1.25 倍の見返りしか得られず,その比率が 0.63 倍にしかならないということになる.もちろん,価格に対する実行速度の比率は,大きいほど良い.

(4)  1 個の CPU A で実行した場合に対し, 4 個の CPU A で実行した場合の価格に対する実行速度の比率は何倍となるか.

(5) さらに,このプログラムに対し 1 個の CPU A と同じだけの価格を費やして改造することを考えよう.改造の費用もコンピュータシステムの価格に含まれるものとする.この改造では,並列化不能部分の仕事の処理を 2 倍に高速化する.改造後のプログラムを 3 個の CPU A で実行すると何時間かかり,改造前のプログラムを 1 個の CPU A で実行した時に比べ実行速度は何倍になるか.また価格に対する実行速度の比率は何倍となるか.

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