2009 東京理科大学 理学部数学科2月12日実施MathJax

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2009 東京理科大学 理学部数学科B方式

2月12日実施

配点20点

易□ 並□ 難□

【1】 半径 r の円の面積と,半径 r の球の体積についての次の問に答えよ.

(1) 半径 r の円の面積を求める式

2 -r r r2- x2 dx=π r2

によって表される数学的な内容を,左辺の積分の式の立て方の図形的意味を中心に正確な日本語で述べよ.また,この積分を計算して右辺の値が得られることを答を導く過程とともに示せ.

(2) 半径 r の球の体積を求める式

π -r r ( r2- x2 )2 dx= 43 π r3

によって表される数学的な内容を,左辺の積分の式の立て方の図形的意味を中心に正確な日本語で述べよ.また,この積分を計算して右辺の値が得られることを答を導く過程とともに示せ.

2009 東京理科大学 理学部数学科B方式

2月12日実施

配点40点

易□ 並□ 難□

【2】  10 円硬貨, 5 円硬貨, 1 円硬貨の 3 枚を同時に投げ, 10 円硬貨の表が出たら s= 1 とおき,裏が出たら s= 0 とおく.また, 5 円硬貨の表が出たら t= 1 とおき,裏が出たら t= 0 とおく. 1 円硬貨についても表が出たら u= 1 とおき,裏が出たら u= 0 とおく.さらに,数列 { an } について次の条件

(H) どの自然数 n についても an の値は 0 または 1 である

を定める.例えば,数列

a1= 0 a2= 1 a3= 0 a4= 1 a5= 0 a6= 1

は条件(H)を満たしている.

(1) 条件(H)を満たすすべての数列 {an } について次の不等式

s2 +t4 +u8 + 116 n=1 a n2n -1 14

が成り立つ確率を求めよ.

(2) 条件(H)を満たすある数列 {an } を選ぶことによって次の等式

s2 +t4 +u8 + 116 n= 1 an2 n-1 = 13

が満たされる確率を求めよ.

2009 東京理科大学 理学部数学科B方式

2月12日実施

配点40点

易□ 並□ 難□

【3】  f(x ) は区間 [ - π2 , π 2 ] で微分可能な偶関数で,その導関数 f (x ) も同じ区間で連続であるとする.また区間の端点では条件 f (- π2 )= f( π2 )= 0 が満たされているものとする.以下で,上で述べたようなすべての関数 f (x) に対して不等式

(*)  -π 2π 2 {f (x)} 2dx - π2 π2 { f (x) }2 dx

が成立することを示す.

(1) (*)の証明にとりかかる前に区間 [- π2 , π2 ] 全体では不等式

{f (x)} 2 {f (x) }2

が成立するとは限らないことを確かめておこう.

  f(x )=( x+ π2 )( π 2-x ) のとき

{f ( x1) }2 <{ f ( x1) }2 {f ( x2) }2 >{ f ( x2) }2

が成立する点 x1 x2 の例をあげよ.

(2)  |x | < π2 とし,最初に述べたような一般の関数 f (x) に対して

g(x )= f(x )cos x h( x)=g ( x)cos x

とおく.

(a)  h(x )=f (x )+g (x) sinx が成立することを示せ.

(b) 微分係数の定義に基づき,次の極限値

limx +0 g( π2 -x) =limx +0 f( π2 -x) x

が定まることを示せ.この極限値を a とおくとき

limx +0 g( x- π2 )=a

が成立することを示せ.

(c)  f (-x)+ f (x)= 0 を示してから

limx +0 h( π2 -x ) limx +0 h (x- π2 )

を求めよ.

(3) まず |x |< π2 で定義された関数 g (x) h( x) x= ± π2 での値については(2)の(b)で求めた極限値 a により

g ( π2 ) =g (- π2 )=a

と定め,(2)の(c)で求めた極限値により

h( π2 )= limx +0 h( π2 -x ) h (- π2 )= limx +0 h( x- π2 )

と定める.これにより 2 つの関数 g (x) h (x) は区間 [ - π2 , π2 ] 全体で連続であるといえる.すなわち,この区間上の連続関数 f (x) f (x) g (x) h (x) 3 角関数を使って表した等式

f(x )=g (x) cosx f (x) =h( x)-g (x) sinx

は,この区間全体で成立する.従って,ある微分可能な関数 G (x) の導関数 G (x ) を用いて

{ f (x) }2 -{ f(x )}2 = {h (x)} 2- 12 G ( x)

と書き表せる.左辺の { f (x) }2 -{f (x) }2 を計算することにより, G(x ) g (x) 3 角関数を使って表せ.ただし, G(0 )=0 とする.

(4)  -π 2π 2 [{ f (x) }2 -{ f(x )}2 ]d x= -π 2π 2 {h (x)} 2d x

を示せ.これから不等式(*)が導けることを説明せよ.

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