【3】 は区間で微分可能な偶関数で,その導関数も同じ区間で連続であるとする.また区間の端点では条件が満たされているものとする.以下で,上で述べたようなすべての関数に対して不等式
(*)
が成立することを示す.
(1) (*)の証明にとりかかる前に区間全体では不等式
が成立するとは限らないことを確かめておこう.
のとき
が成立する点の例をあげよ.
(2) とし,最初に述べたような一般の関数に対して
とおく.
(a) が成立することを示せ.
(b) 微分係数の定義に基づき,次の極限値
が定まることを示せ.この極限値をとおくとき
が成立することを示せ.
(c) を示してから
を求めよ.
(3) まずで定義された関数のでの値については(2)の(b)で求めた極限値により
と定め,(2)の(c)で求めた極限値により
と定める.これによりつの関数は区間全体で連続であるといえる.すなわち,この区間上の連続関数をと角関数を使って表した等式
は,この区間全体で成立する.従って,ある微分可能な関数の導関数を用いて
と書き表せる.左辺のを計算することにより,をと角関数を使って表せ.ただし,とする.
(4)
を示せ.これから不等式(*)が導けることを説明せよ.