Mathematics
Examination
Test
Archives
【3】 原点を中心とする角の回転移動によって,点が点に移るとき,
の関係がある.軸に関する対称移動によって点が点に移るとき,
の関係がある.
原点を通り軸とのなす角がである直線に関する対称移動を考える.この対称移動は,原点を中心とする角の回転移動を行い,次に軸に関する対称移動を行い,さらに原点を中心とする角の回転移動を行ったものである.
このとき次の問に答えよ.
(1) 原点を通り軸とのなす角がである直線に関する対称移動で点が点に移るとする.をおよびを用いて表せ.
(2) 直線に関する対称移動を表す行列を求めよ.
(3) 直線に関する対称移動を行い,さらに原点を通るある直線に関する対称移動を行ったところ,結果は原点を中心とする角の回転移動になった.このとき直線の方程式を求めよ.
をからまでの自然数全体の集合とする.をそれぞれ個の要素をもつつの部分集合に分ける.正確に言うと,とは共に個の要素をもつの部分集合であって,でありが空集合となるものである.
の要素を小さい方から順に並べて
とする.また,の要素を大きい方から順に並べて
とする.このとき,次の定理が成り立つ.
定理:
この定理を証明するために,まず,との要素についてより具体的に調べる.の番目の要素との番目の要素について,次の命題が成り立つ.
命題:となるどんなに対しても,とのうちのどちらかは以上であり,もう一方は以下である.
証明:背理法で証明する.この命題が成り立たないと仮定すると,となる番号があって,とは,両方が以上であるか,または,両方が以下であるかのどちらかである.どちらの場合であっても矛盾が生じる,ということを示す.
(1) かつの場合:
なので,集合の中には,以上の要素が少なくとも個ある.また,なので,集合の中には,以上の要素が少なくとも個ある.したがって,
(2) かつの場合:
<証明終り>
この命題を用いることにより,以下のように定理を証明することができる.
定理の証明:は次のように定義されている.
上の命題より,のどちらかは以上であり,もう一方は以下である.そこでのうち,以上の方をとし,以下の方をと表すことにする.こうすると,全てのについて,
が成り立つ.
<証明終り>
問1:命題の証明の(1)の最後の部分を完成させよ.
問2:命題の証明の(2)の部分を完成させよ.
問3:定理の証明を完成させよ.