2013　山口大学　前期MathJax

【１】　$▵\mathrm{OAB}$において，辺$\mathrm{OA}$を$3:4$に内分する点を$\mathrm{D}\text{，}$辺$\mathrm{OB}$を$2:1$に内分する点を$\mathrm{E}$とする．また，$t$を$0<t<1$を満たす実数とするとき，辺$\mathrm{AB}$を$t:(1-t)$に内分する点を$\mathrm{P}$とし，線分$\mathrm{BD}$と線分$\mathrm{OP}$との交点を$\mathrm{Q}$とする．$\overrightarrow{\mathrm{OA}}=\overrightarrow{a}\text{，}\overrightarrow{\mathrm{OB}}=\overrightarrow{b}$として，次の問いに答えなさい．

(1)　$\overrightarrow{\mathrm{OP}}$を$\overrightarrow{a}\text{，}\overrightarrow{b}$および$t$を用いて表しなさい．

(2)　$\overrightarrow{\mathrm{OQ}}$を$\overrightarrow{a}\text{，}\overrightarrow{b}$および$t$を用いて表しなさい．

(3)　点$\mathrm{Q}$が直線$\mathrm{AE}$上にあるとき，$t$の値を求めなさい．

【２】　数列$\{a_n\}$が

$a_1={\displaystyle \frac{1}{4}}\text{，}{a}_{n+1}={\displaystyle \frac{a_n}{4a_n+4}}\text{（}n=1\text{，}2\text{，}3\text{，}\cdots \text{）}$

で定められるとき，次の問いに答えなさい．

(1)　$a_2\text{，}{a}_3\text{，}{a}_4$を求めなさい．

(2)　$b_n={\displaystyle \frac{1}{a_n}}$とおくとき，数列$\{b_n\}$は

$b_{n+1}=5b_n+4\text{（}n=1\text{，}2\text{，}3\text{，}\cdots \text{）}$

を満たすことを証明しなさい．

(3)　数列$\{a_n\}$の一般項を求めなさい．

【３】　今年$6$万円，来年$27$万円の収入がある人がいる．この人は黄金が大好きである．この人が，今年$s$万円，来年$t$万円の黄金を購入すると，$f=s^{2}t$で定められる満足度が得られるとする．この人が今年は$6$万円以下の黄金を購入した場合，来年は，残りの$(6-s)$万円と，$(6-s)$万円に対する$50\mathrm{\%}$の利息と，来年の収入の$27$万円をすべて合わせた金額だけ購入できる．一方，来年の収入から借りてきて今年の$6$万円と合わせて今年購入することもできるが，借りた金額の他に，借りた金額の$50\mathrm{\%}$だけ来年の収入が減るとする．ただし，$s\text{，}t$は$0$以上の実数とし，来年の収入から借りる金額は$18$万円を限度とする．また，収入と得られた利息は来年末までにはすべて黄金の購入に使うとする．このとき，次の問いに答えなさい．

(1)　$s=2$のときの$f$の値と，$s=8$のときの$f$の値を求めなさい．

(2)　$s$を用いて$t$を表しなさい．

(3)　満足度$f$を最大にする$s$の値を求めなさい．なお，$f$の最大値は求めなくてよい．

【４】　原点を出発点として数直線上を動く点$\mathrm{P}$がある．次のような試行を考える．さいころを$1$回投げて，$5$以上の目が出たときは点$\mathrm{P}$を正の向きに$1$だけ進め，$4$以下の目が出たときは負の向きに$2$だけ進める．このような試行について，次の問いに答えなさい．

(1)　この試行を$3$回行うとき，点$\mathrm{P}$が原点の位置にくる確率を求めなさい．

(2)　この試行を$9$回行うとき，点$\mathrm{P}$が$3$回目と$9$回目に原点の位置にくる確率を求めなさい．

(3)　この試行を$9$回行うとき，点$\mathrm{P}$が$3$回目と$9$回目のみ原点の位置にくる確率を求めなさい．

【１】　$x>0\text{，}x\ne 1$を定義域とする次の$5$つの関数を考える．

${\displaystyle \frac{x^2+1}{2}}\text{，}{\displaystyle \frac{2x^2}{x^2+1}}\text{，}x\text{，}{\left({\displaystyle \frac{x+1}{2}}\right)}^2\text{，}{\displaystyle \frac{x^2-1}{2\log x}}$

このとき，次の問いに答えなさい．

(1)　上の$5$つの関数の間に

$\boxed{\text{1}}<\boxed{\text{2}}<\boxed{\text{3}}<\boxed{\text{4}}<\boxed{\text{5}}$

の不等式が成立するとすれば，$\boxed{\text{1}}$から$\boxed{\text{5}}$にはどの関数が入るか．$x=2$を代入することによりそれらを決定しなさい．ただし，$\log 2=0.693\cdots$とする．

(2)　$\boxed{\text{4}}<\boxed{\text{5}}$の部分の不等式を証明しなさい．

(3)　$\boxed{\text{2}}<\boxed{\text{3}}$の部分の不等式を証明しなさい．

【２】　等式

$\left(\begin{array}{cc}2& 3\\ 3& 5\end{array}\right)\left(\begin{array}{c}1\\ y\end{array}\right)=x\left(\begin{array}{c}1\\ y\end{array}\right)$

を満たす定数$x\text{，}y$の組$(x,y)$を$(x_1,y_1)\text{，}(x_2,y_2)$とする．ただし，$y_1<y_2$とする．このとき，次の問いに答えなさい．

(1)　$(x_1,y_1)\text{，}(x_2,y_2)$を求めなさい．

(2)　次の等式を満たす定数$\alpha \text{，}\beta$の値を求めなさい．

$\alpha \left(\begin{array}{c}1\\ y_1\end{array}\right)+\beta \left(\begin{array}{c}1\\ y_2\end{array}\right)=\left(\begin{array}{c}2\\ 2\end{array}\right)$

(3)　数列$\{a_n\}\text{，}\{b_n\}$が，

$\left(\begin{array}{c}{a}_n\\ b_n\end{array}\right)={\left(\begin{array}{cc}2& 3\\ 3& 5\end{array}\right)}^n\left(\begin{array}{c}2\\ 2\end{array}\right)\text{（}n=1\text{，}2\text{，}3\text{，}\cdots \text{）}$

で定められるとき，

$\underset{n\to \infty }{\lim }{\displaystyle \frac{b_n}{a_n}}$

を求めなさい．

【３】　$xy$平面において，曲線$y={\displaystyle \frac{x}{x^2+1}}$と$y={\displaystyle \frac{x^2}{2}}$の原点以外の交点を$\mathrm{P}$とする．また，この$2$つの曲線で囲まれた図形を$D$とする．このとき，次の問いに答えよ．

(1)　点$\mathrm{P}$の座標を求めなさい．

(2)　$D$の面積を求めなさい．

(3)　$D$を$x$軸のまわりに$1$回転してできる立体の体積を求めなさい．

【２】　$f(x)=\tan x\text{，}g(x)={\displaystyle \frac{4x}{x(\pi -2x)}}$とする．$xy$平面において，曲線$y=f(x)(0\leqq x<{\displaystyle \frac{\pi }{2}})$と$y=g(x)(0\leqq x<{\displaystyle \frac{\pi }{2}})$をそれぞれ$C_1\text{，}{C}_2$とするとき，次の問いに答えなさい．

(1)　$0<x<{\displaystyle \frac{\pi }{2}}$のとき，不等式$f(x)>g(x)$を証明しなさい．

(2)　$0<a<{\displaystyle \frac{\pi }{2}}$のとき，$2$曲線$C_1\text{，}{C}_2$と直線$x=a$で囲まれた図形の面積を$S(a)$とする．このとき，$\underset{a\to \frac{\pi }{2}-0}{\lim }S(a)$を求めなさい．

(3)　$m$を実数とし，$2$曲線$C_1\text{，}{C}_2$と直線$y=mx+1$で囲まれた図形の面積を$T(m)$とする．このとき，$\underset{m\to \infty }{\lim }T(m)$を求めなさい．

【３】　$xy$平面において，方程式$x+3y=6$で表される直線を$l_0$とし，方程式$y=x^2-1$で表される放物線を$C_0$とする．$l_0$に関して$C_0$と対称な放物線を$C_1$とするとき，次の問いに答えなさい．

(1)　点$\mathrm{P}(a,b)$と点$\mathrm{Q}(c,d)$が$l_0$に関して対称であるとき，$a\text{，}b$を用いて$c$と$d$を表しなさい．

(2)　$C_1$上の点のうち，$x$座標がもっとも大きい点の座標を求めなさい．

(3)　原点を通る直線$l_1$に関して$C_1$と対称な放物線を$C_2$とする．$C_2$が放物線$x=-y^2$を平行移動して得られる放物線に一致するとき，$l_1$の方程式を求めなさい．

【４】　実数$x$に対し，$x$を超えない最大の整数を$[x]$で表す．数列$\{a_n\}$が

$a_n=[\sqrt{n}]\text{（}n=1\text{，}2\text{，}3\text{，}\cdots \text{）}$

で定められるとき，次の問いに答えなさい．

(1)　$a_1\text{，}{a}_2\text{，}{a}_3\text{，}{a}_4$を求めなさい．

(2)　$n$を自然数とする．

$S_n={\displaystyle \sum _{i=1}^n}{a}_i=a_1+a_2+\cdots +a_n$

とするとき，次の等式を証明しなさい．

$S_n=(n+{\displaystyle \frac{5}{6}})a_n-{\displaystyle \frac{1}{2}}{a_n}^2-{\displaystyle \frac{1}{3}}{a_n}^3$