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【4】 複素数に対し,実数を記号で表すことにする.ただし,は実数とする.
(1) であるので,となる.
(2) 次方程式が虚数解をもつとき,を求めよう.ここで,はすべて実数であり,である.
とおくと
となる.ここで,であることから
を得る.さらに
であることから,となる.つまり,虚数が次方程式の解であるとき,も解となる.
したがって,解と係数の関係によりを得る.
(3) を実数とし,とする.方程式が虚数解をもつとき,のとり得る値の範囲を求めよう.
であるので,因数定理により
が成り立つ.
ここで
とおく.の虚数解はの虚数解であるので,が虚数解をもつときののとり得る値の範囲はである.
また,次方程式の虚数解の一つをとすると,(2)によりが得られる.したがって,のとり得る値の範囲は,となることがわかる.
を満たしているとする.の一般項を求めよう.
(1) であるので,最初の項については
が成り立っている.いま,初項から第項までが成り立っているとすると,に対して,により
を満たす.よって,に対して
と表される.ここで
を満たす最小の自然数はであるので,のとき,はで定まる.また,である.
(2) 以下,のとき,数列の一般項を求めよう.まず,このとき
であることを数学的帰納法により確かめる.
[Ⅰ] のとき,であるので,が成り立つ.
[Ⅱ] として,のときが成り立つと仮定する.によりであるので,となる.また,であるので,のときにもが成り立つ.
[Ⅰ],[Ⅱ]により,のとき,が成り立つ.
したがって,により
である.とおくと,により,とは関係式
を満たし,この関係式はと変形できる.であるので
である.から,なので,のとき
である.
【5】(1) 一つのさいころを投げて出た目の数を得点とするゲームを行う.このゲームでは,出た目を見て,もう一度だけ投げることもでき,その場合は新たに出た目の数が得点になる.このゲームの得点を確率変数と考えて,いろいろな場合について,その期待値(平均)を求めてみよう.
まず,最初に出た目にかかわらずもう一度投げることにした場合に得られる得点をとすると,確率変数の期待値はである.
次に,最初にの目が出たときにはもう一度投げ,以上の目が出たときにはそのまま得点にすることにした場合に得られる得点をとする.となる確率はであり,となる確率はである.となる確率も考えることによって,確率変数の期待値はとわかる.
この値は,の期待値より大きくなっている.さらに期待値を大きくする方法を考えてみよう.
一つのさいころを投げることによって点が得られるとみなしてよいので,最初のさいころの目がより大きいときはそのまま得点にし,より小さいときにはもう一度投げるのはよいということがわかる.この場合に得られる得点をとすると,確率変数の期待値はになる.
【5】(2) 人の生徒に対して,科目Aと科目Bの試験を実施した.試験の点数は正規分布に従うと考え,必要に応じて正規分布表を用いてもよい.
科目Aの平均点は点,標準偏差は点であった.点数の高い順に順位をつけたとき,この試験で点であった生徒の順位はまでにあり,点であった生徒の順位はまでにある.に当てはまるものを,次ののうちから一つずつ選べ.ただし,同じものを選んでもよい.
科目Bの標準偏差は点であったが,平均点が発表されなかったので,無作為に選ばれた人の試験の点数をもとに平均点を推定することにした.人の平均点が点であったとき,人の点数を十分に大きな標本と考えてに対する信頼度(信頼係数)の信頼区間を求めると,となる.小数第位を四捨五入して小数第位まで答えよ.
番号 | ゲームX | ゲームY |
A | B | |
平均値 | C | |
中央値 | C | |
分散 | E |
【5】 人の生徒が,ゲームXとゲームYを行った.右の表は,二つのゲームのそれぞれの得点をまとめたものである.ただし,ゲームX,ゲームYのどちらの得点も整数値である.また,表の数値はすべて正確な値であり,四捨五入されていないものとする.
この人の生徒のゲームXとゲームYの得点の相関図(散布図)を作成したところ,次のようになった.
以下,小数で解答する場合,指定された数の一つ下の桁を四捨五入し,解答せよ.途中で割り切れた場合,指定された桁までにマークすること.
(1) 相関図から番号の生徒のゲームXの得点Aはであり,ゲームYの得点Bはであることがわかる.
生徒人のゲームYの得点の平均値Cはである.さらに,中央値Dはであり,分散の値Eはである.
また,ゲームXの得点とゲームYの得点の間にはに当てはまる最も適切なものを,次ののうちから一つ選べ.
正の相関関係がある
相関関係はほとんどない
負の相関関係がある
(2) ゲームXの得点を変量ゲームYの得点を変量で表し,得点の和を変量得点の差を変量で表す.このとき,の平均値はである.また,の値が,以上の生徒は人である.
変量と変量の相関図として最も適切なものはであり,変量と変量の相関係数の値はである.に当てはまるものを,次ののうちから一つ選べ.
変量の標準偏差の値を変量の標準偏差の値をで表すとき,相関図から,であることがわかる.に当てはまるものを,次ののうちから一つ選べ.
番地号 | 番地号 | 番地号 |
番地号 | 番地号 | 番地号 |
番地号 | 番地号 | 番地号 |
【6】 のマスに番地号の住所を右の表のように割り当てる.ただし,であり,である.
この表の各マスにを配置する.ただし,各番地にがそれぞれ回ずつ,各号にがそれぞれ回ずつ現れるとする.このように配置された表をのラテン方陣とよぶ.たとえば
: |
はのラテン方陣である.
(1) が次のように配置された表がある.これがのラテン方陣になるとき,番地号に配置される数はであり,番地号に配置される数はであればよい.
: |
(2) ののラテン方陣を作る方法を考えよう.番地号に,の値をで割った余りを配置すれば,が得られる.そのための〔プログラム1〕を作成した.ただし,INT(X)
はX
を超えない最大の整数を表す関数である.
〔プログラム1〕
100 LET N=3
110 FOR J=0 TO N-1
120 FOR K=0 TO N-1
130 LET D=
140 E=D-INT(D/N)*N
150 PRINT E;
160 NEXT
170 PRINT
180 NEXT
190 END
150
行のセミコロン ;
はE
の値を改行せずに続けて表示するためのものであり,170
行のPRINT
文は改行するためのものである.
に当てはまるものを,次ののうちから一つずつ選べ.ただし,同じものを繰り返し選んでもよい.
J
K
J+K
J+K+1
N
(3) のラテン方陣の番地と番地の各号に配置されている数を入れ替えて
: |
のラテン方陣を作成したい.このためには〔プログラム1〕の130
行のをに変更すればよい.
また,のラテン方陣の号と号の各番地に配置されている数を入れ替えて
: |
のラテン方陣を作成したい.このためには〔プログラム1〕の130
行のをに変更すればよい.に当てはまるものを,次ののうちから一つずつ選べ.ただし,同じものを選んでもよい.
2*J
2*K
J+K
2*J+K
J+2*K
2*J+2*K
(4) 番地号に配置される数がであるのラテン方陣は,だけであることが知られている.それぞれのラテン方陣の番地号に配置される数が,であることを考えると,のラテン方陣の総数はとなる.
個ののラテン方陣を得るために,〔プログラム1〕を変更して〔プログラム2〕を作成した.行番号に下線が引かれた行は,追加または変更された行である.変数A
,B
には1
または2
を入力し,変数C
には0
または1
または2
を入力する.
〔プログラム2〕
100 LET N=3
105 INPUT A,B,C
110 FOR J=0 TO N-1
120 FOR K=0 TO N-1
130 LET D=A*J+B*K+C
140 E=D-INT(D/N)*N
150 PRINT E;
160 NEXT
170 PRINT
180 NEXT
190 END
変数A
に1
,B
に1
,C
に1
を入力したとき,得られるラテン方陣はであり,変数A
に2
,B
に2
,C
に1
を入力したとき,得られるラテン方陣はである.に当てはまるものを,次ののうちから一つずつ選べ.ただし,同じものを選んでもよい.
変数A
,B
,C
に入力される値のすべての組合せは通りであり,これらすべての組合せからのラテン方陣がすべて得られる.