【3】 三角形のつの角をとし,向かい合う辺の長さをとする.このとき,次のつの命題のうち,どのつも互いに同値であることが知られている.その証明を読み,後の設問に答えよ.ただし,証明にあたっては,三角関数の加法定理は既知とする.
[証明] まずを示す.与えられた式の値をとすると
である.よって
である.(あ)よって(ⅱ)が示された.
同様に(ⅲ),(ⅳ)も示される.よってが示された.
次にを示す.をつくると
であるが,(い)これはに等しい.よって(ⅶ)式が成り立つ.
(ⅴ),(ⅵ)も同様である.よってが示された.
次にを示す.(ⅴ)より
である.よって
である.この式の分子は
(う)
と因数分解できるので
が成り立つ.この右辺はの対称式だから
(え) |
|
が成り立つ.よって
が成り立つ.よってが示された.
以上によりが成り立つことが分かったので,(P)(Q)(R)から任意のつを選んだとき,(お)それらは互いに同値である.(証明終了)
[設問](1) 下線部(あ)と同様にして,(ⅲ)が成り立つことを示せ.
(2) 下線部(い)を確かめなさい.
(3) 下線部 (う)を確かめなさい.
(4) 下線部(え)について,
が成り立っていることを確かめなさい.
(5) 下線部(お)の理由を分かりやすく説明しなさい.
(6) 上の証明ではならば(ⅶ)であることが示されたが,ならば(ⅳ)であることを示せ.
(7) はI(P)(Q)(R)のいずれとも同値である理由を分かりやすく説明しなさい.