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2017 慶応義塾大学 環境情報学部

2月18日実施

易□ 並□ 難□

2017年慶応義塾大環境情報学部【1】2017133380701の図

【1】 右図のように, 3 つの甲円が交わっている.上甲円に含まれる丙円と 2 つの乙円は上甲円に接している. 2 つの上乙円はそれぞれ 2 つの下甲円に接している.また,丙円は 2 つの下甲円に接している.さらに,下甲円は互いに接し,下乙円は 2 つの下甲円に接し,これら 3 つの円は一つの直線に接している.

 いま,乙円の直径を 1 寸とすると,甲円の直径は (1) (2) 寸であり,上甲円の中心は直線から (3) (4) + (5) (6) 寸離れた位置にある.そして,丙円の直径は

(7) (8) + (9) (10) (11) (12) (13) (14)

寸である.



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2月18日実施

易□ 並□ 難□

【2】 つぎの命題を数学的帰納法を用いて証明する.選択肢よりもっとも適切なものを選び,その番号を解答欄のマークしなさい.証明後の例については,解答の数字を解答欄にマークしなさい.

命題 すべての自然数は 2i 3j i, j=0 1 2 の形の数の和で書くことができる.ただし各項は他の項を割ることはないとする.

証明  1=2 03 0 より, 1 は表すことができる. n より小さな自然数に対して命題が成り立つと仮定して n の場合を示す. n (15) のとき, n (16) n より小さいので

n (16) =a 1+a 2+ +ai

と命題を満たす形に書くことができる.すなわち,各項は 2 i3 j の形をしており,他の項を割ることはない.したがって

n= (16) a1 +(16) a2+ + (16) ai

は命題を満たすことがわかる.

  n (17) のとき,自然数 k 3 kn <3 (18) となるように選ぶ. n=3 k であれば命題を満たす. 3k <n のとき, n-3 k (19) なので,前半の議論により

n-3 k= (20) b 1+ (20) b 2+ +(20) bm

と命題をみたす形に書くことができる.よって

n= (20) b1+ (20) b2+ +(20) bm+ 3k

である. bs n -3k (20) < 3 (21)- 3k (20)= 3(22) より, bs 3 k で割られることはない.さらに, (20) bs 3 k を割ることもない.よって n は命題を満たす形に書くことができる.

 以上のことから n の場合も命題が成立し,数学的帰納法により命題が示された.(証明終)


 例えば, 2017 を証明の考え方によって決まる命題を満たす形に表すと

2017=2 (23) 3 (24)+ 2 (25) 3(26) +2 (27) 3 (28)+ 2(29) 3 (30)

となる.ただし,項は 2 のべきの大きい順( (23)> (25) >(27) >(29) )とする.

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2017年慶応義塾大環境情報学部【3】2017133380703の図

【3】 長方形 ABCD は,辺 AD が直線 y =1 2x +1 上にあり,点 B と点 C は放物線 y =1 2 x2 上にあるとする.また, A D x 座標は - 1 2 の間にあり, A x 座標は D x 座標より小さいものとする.

 いま,点 B と点 C を通る直線を y =1 2 x+ d とすると ( (31) (32) (33) (34) <d <1) 長方形 ABCD の面積は

(35) (36) (37) d3+ (38) (39) (40) d2 + (41) (42) (43) d+ (44) (45) (46)

となり, d= (47) (48) (49) (50) のときに,最大値 (51) (52) (53) (54) (55) (56) となる.



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【4】 コイン投げの結果に応じて賞金が得られるゲームを考える.このゲームの参加者は,表が出る確率が 0.8 であるコインを裏が出るまで投げ続ける.裏が出るまでに表が出た回数を i とするとき,この参加者の賞金額は i 円となる.ただし, 100 回投げても裏が出ない場合は,そこでゲームは終わり,参加者の賞金額は 100 円となる.

(1) 参加者の賞金額が 1 円以下となる確率は (57). (58) (59) である.

(2) 参加者の賞金額が c 円以下となる確率が 0.5 以上となるような整数 c の中で最も小さいものは (69) (61) である.

(3) 参加者の賞金額の期待値の小数点第 2 位を四捨五入すると (62) (63) . (64) である.

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【5】 関数 f (x )=p x- q3 x3 -1 x1 における最大値が 13 以下であるとき, pq 座標平面における点 ( p,q ) の存在領域 A を考える.

(ⅰ)  f( x) の極値が - 1x 1 に存在するとき

(65) (66) p+ (67) (68) q (69) (70) p+ (71) (72)

(73) (74) < pq (75) (76)

p 3q (77) (78) (79) (80)

(ⅱ)  f( x) の極値が x <-1 または 1 <x に存在するとき

(65) (66) p+ (67) (68) q (69) (70) p + (71) (72)

(75) (76) < pq

(ⅲ)  f( x) の極値が存在しないとき

(65) (66) p+ (67) (68) q (69) (70) p + (71) (72)

p q (73) (74) または q =0

以上のことから,領域 A の面積は (81) (82) (83) (84) である.ここで,必要であれば公式 x3 dx= 14 x4+ C を用いなさい.

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【6】  A 氏, B 氏, C 氏は起業したいと思っているが, 1 人では不可能で,最低 2 人が組む必要があるとする. 3 人が組めば 72 億円の利益が見込め, A 氏と B 氏が組めば 50 億円, A 氏と C 氏が組めば 32 億円, B 氏と C 氏が組めば 20 億円の利益が見込めるとする.いま, 3 人が組んで起業した結果 72 億円の利益が得られたとき,その分配について考える.以下では, A 氏, B 氏, C 氏のそれぞれの分配額を x y z で表す.

(1)  3 人で組んだ場合に, 2 人で組んだ場合以上の利益の分配を,それぞれが要求すると

{ x,y ,z0 x+y+ z=72 x+y 50 x+z 32 y+z 20 (単位:億円)

となる.ここで, 3 人の分配額の合計が得られた利益の 72 億円になることを表し, A 氏と B 氏の分配額の合計は 2 人が組んだ場合に見込める利益の 50 億円以上になることを両氏が要求することを表し, A 氏と C 氏の分配額の合計は 2 人が組んだ場合に見込める利益の 32 億円以上になることを両氏が要求することを表し, B 氏と C 氏の分配額の合計は 2 人が組んだ場合に見込める利益の 20 億円以上になることを両氏が要求することを表している.

 これらの条件を満たす各人の分配額の中で, A 氏の分配額が最小となる分配額の組み合わせは, x= (85) (86) y= (87) (88) z= (89) (90) である.(単位:億円)

(2) 次に,(1)の条件のうち を仮定せず, のみを仮定すると

{ x,y ,z0 x+y +z=72 (単位:億円)

となる.ここで, 50-( x+y ) AB 両氏の不満, 32-( x+z ) AC 両氏の不満, 20-( y+z ) BC 両氏の不満, -x A 氏の不満, -y B 氏の不満, -z C 氏の不満と定義し,これらを小さくする分配を考える.このように不満を定義した理由は, A 氏と B 氏が組めば 50 億円の利益を見込めたのであるから,分配額との差 50 -(x +y) が大きいほど AB 両氏のいわゆる不満は大きいと考えたからである. AC 両氏の不満, BC 両氏の不満についても同様である.また, A 氏の不満を - x としたのは, A 氏の分配が大きいほどいわゆる不満が小さくなると考えたからである. B 氏の不満, C 氏の不満についても同様である.なお,不満は負の値になる場合もあることに注意すること.

 いま,これらの不満の最大値を M とすると,明らかに AB 両氏の不満, AC 両氏の不満, BC 両氏の不満, A 氏の不満, B 氏の不満, C 氏の不満はいずれも M 以下となる.このとき, M を最小化する z の値は (91) (92) であり, x の範囲は (93) (94) x (95) (96) となる.(単位:億円)

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