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【2】 つぎの命題を数学的帰納法を用いて証明する.選択肢よりもっとも適切なものを選び,その番号を解答欄のマークしなさい.証明後の例については,解答の数字を解答欄にマークしなさい.
命題 すべての自然数はの形の数の和で書くことができる.ただし各項は他の項を割ることはないとする.
証明 より,は表すことができる.より小さな自然数に対して命題が成り立つと仮定しての場合を示す.がのとき,はより小さいので
と命題を満たす形に書くことができる.すなわち,各項はの形をしており,他の項を割ることはない.したがって
は命題を満たすことがわかる.
がのとき,自然数をとなるように選ぶ.であれば命題を満たす.のとき,はなので,前半の議論により
と命題をみたす形に書くことができる.よって
である.より,がで割られることはない.さらに,がを割ることもない.よっては命題を満たす形に書くことができる.
以上のことからの場合も命題が成立し,数学的帰納法により命題が示された.(証明終)
例えば,を証明の考え方によって決まる命題を満たす形に表すと
となる.ただし,項はのべきの大きい順()とする.
【6】 氏,氏,氏は起業したいと思っているが,人では不可能で,最低人が組む必要があるとする.人が組めば億円の利益が見込め,氏と氏が組めば億円,氏と氏が組めば億円,氏と氏が組めば億円の利益が見込めるとする.いま,人が組んで起業した結果億円の利益が得られたとき,その分配について考える.以下では,氏,氏,氏のそれぞれの分配額をで表す.
(1) 人で組んだ場合に,人で組んだ場合以上の利益の分配を,それぞれが要求すると
となる.ここで,は人の分配額の合計が得られた利益の億円になることを表し,は氏と氏の分配額の合計は人が組んだ場合に見込める利益の億円以上になることを両氏が要求することを表し,は氏と氏の分配額の合計は人が組んだ場合に見込める利益の億円以上になることを両氏が要求することを表し,は氏と氏の分配額の合計は人が組んだ場合に見込める利益の億円以上になることを両氏が要求することを表している.
これらの条件を満たす各人の分配額の中で,氏の分配額が最小となる分配額の組み合わせは,である.(単位:億円)
(2) 次に,(1)の条件のうちを仮定せず,とのみを仮定すると
となる.ここで,を両氏の不満,を両氏の不満,を両氏の不満,を氏の不満,を氏の不満,を氏の不満と定義し,これらを小さくする分配を考える.このように不満を定義した理由は,氏と氏が組めば億円の利益を見込めたのであるから,分配額との差が大きいほど両氏のいわゆる不満は大きいと考えたからである.両氏の不満,両氏の不満についても同様である.また,氏の不満をとしたのは,氏の分配が大きいほどいわゆる不満が小さくなると考えたからである.氏の不満,氏の不満についても同様である.なお,不満は負の値になる場合もあることに注意すること.
いま,これらの不満の最大値をとすると,明らかに両氏の不満,両氏の不満,両氏の不満,氏の不満,氏の不満,氏の不満はいずれも以下となる.このとき,を最小化するの値はであり,の範囲はとなる.(単位:億円)