2018　大学入学共通テスト試行調査数学IAMathJax

【１】［１］　有理数全体の集合を$A\text{，}$無理数全体の集合を$B$とし，空集合を$\varnothing$と表す．このとき，次の問いに答えよ．

(1)「集合$A$と集合$B$の共通部分は空集合である」という命題を，記号を用いて表すと次のようになる．

$A\cap B=\varnothing$

　「$1$のみを要素にもつ集合は集合$A$の部分集合である」という命題を，記号を用いて表せ．解答は，解答欄$\boxed{\text{(あ)}}$に記述せよ．

(2)　命題「$x\in B\text{，}$$y\in B$ならば，$x+y\in B$である」が偽であることを示すための反例となる$x\text{，}$$y$の組を，次の$\overline{)\text{0}}\text{〜}$$\overline{)\text{5}}$のうちから一つ選べ．必要ならば，$\sqrt{2}\text{，}$$\sqrt{3}\text{，}$$\sqrt{2}+\sqrt{3}$が無理数であることを用いてもよい．ただし，解答の順序は問わない．$\boxed{\text{ア}}\text{，}$$\boxed{\text{イ}}$

$\overline{)\text{0}}$　$x=\sqrt{2}\text{，}$$y=0$

$\overline{)\text{1}}$　$x=3-\sqrt{3}\text{，}$$y=\sqrt{3}-1$

$\overline{)\text{2}}$　$x=\sqrt{3}+1\text{，}$$y=\sqrt{2}-1$

$\overline{)\text{3}}$　$x=\sqrt{4}\text{，}$$y=-\sqrt{4}$

$\overline{)\text{4}}$　$x=\sqrt{8}\text{，}$$y=1-2\sqrt{2}$

$\overline{)\text{5}}$　$x=\sqrt{2}-2\text{，}$$y=\sqrt{2}+2$

【１】［２］　関数$f(x)=a{(x-p)}^2+q$について，$y=f(x)$のグラフをコンピュータのグラフ表示ソフトを用いて表示させる．

　このソフトでは，$a\text{，}$$p\text{，}$$q$の値を入力すると，その値に応じたグラフが表示される．さらに，それぞれの$\boxed{}$の下にある・を左に動かすと値が減少し，右に動かすと値が増加するようになっており，値の変化に応じて関数のグラフが画面上で変化する仕組みになっている．

　最初に，$a\text{，}$$p\text{，}$$q$をある値に定めたところ，図１のように，$x$軸の負の部分と$2$点で交わる下に凸の放物線が表示された．

(1)　図１の放物線を表示させる$a\text{，}$$p\text{，}$$q$の値に応じて，方程式$f(x)=0$の解について正しく記述したものを，次の$\overline{)\text{0}}\text{〜}$$\overline{)\text{4}}$のうちから一つ選べ．$\boxed{\text{ウ}}$

$\overline{)\text{0}}$　方程式$f(x)=0$は異なる二つの正の解をもつ．

$\overline{)\text{1}}$　方程式$f(x)=0$は異なる二つの負の解をもつ．

$\overline{)\text{2}}$　方程式$f(x)=0$は正の解と負の解をもつ．

$\overline{)\text{3}}$　方程式$f(x)=0$は重解をもつ．

$\overline{)\text{4}}$　方程式$f(x)=0$は実数解をもたない．

(2)　次の操作A，操作P，操作Qのうち，いずれか一つの操作を行い，不等式$f(x)>0$の解を考える．

　このとき，操作A．操作P，操作Qのうち「不等式$f(x)>0$の解がすべての実数となること」が起こり得る操作は$\boxed{\text{エ}}\text{．}$また，「不等式$f(x)>0$の解がないこと」が起こり得る操作は$\boxed{\text{オ}}\text{．}$

　$\boxed{\text{エ}}\text{，}$$\boxed{\text{オ}}$に当てはまるものを，次の$\overline{)\text{0}}\text{〜}$$\overline{)\text{7}}$のうちから一つずつ選べ．ただし，同じものを選んでもよい．

$\overline{)\text{0}}$　ない

$\overline{)\text{1}}$　操作Aだけである

$\overline{)\text{2}}$　操作Pだけである

$\overline{)\text{3}}$　操作Qだけである．

$\overline{)\text{4}}$　操作Aと操作Pだけである

$\overline{)\text{5}}$　操作Aと操作Qだけである

$\overline{)\text{6}}$　操作Pと操作Qだけである

$\overline{)\text{7}}$　操作Aと操作Pと操作Qのすべてである

【１】［３］　久しぶりに小学校に行くと，階段の一段一段の高さが低く感じられることがある．これは，小学校と高等学校とでは階段の基準が異なるからである．学校の階段の基準は，下のように建築基準法によって定められている．

　高等学校の階段では，$\stackrel{\text{け}}{\text{蹴}}\stackrel{\text{あ}}{\text{上}}$げが$18\mathrm{cm}$以下，$\stackrel{\text{ふみ}}{\text{踏}}\stackrel{\text{づら}}{\text{面}}$が$26\mathrm{cm}$以上となっており，この基準では，傾斜は最大で約$35\mathrm{°}$である．

階段の傾斜をちょうど$33\mathrm{°}$とするとき，蹴上げを$18\mathrm{cm}$以下にするためには，踏面をどのような範囲に設定すればよいか．踏面を$x\mathrm{cm}$として，$x$のとり得る値の範囲を求めるための不等式を，$33\mathrm{°}$の三角比と$x$を用いて表せ．解答は，解答欄$\boxed{\text{(い)}}$に記述せよ．ただし，踏面と蹴上げの長さはそれぞれ一定であるとし，また，踏面は水平であり，蹴上げは踏面に対して垂直であるとする．

（本問題の図は，「建築基準法の階段に係る基準について」（国土交通省）をもとに作成している．）

【１】［４］　三角形$\mathrm{ABC}$の外接円を$O$とし，円$O$の半径を$R$とする．辺$\mathrm{BC}\text{，}$$\mathrm{CA}\text{，}$$\mathrm{AB}$の長さをそれぞれ$a\text{，}$$b\text{，}$$c$とし，$\mathrm{\angle CAB}\text{，}$$\mathrm{\angle ABC}\text{，}$$\mathrm{\angle BCA}$の大きさをそれぞれ$A\text{，}$$B\text{，}$$C$とする．

　太郎さんと花子さんは三角形$\mathrm{ABC}$について

${\displaystyle \frac{a}{\sin A}}={\displaystyle \frac{b}{\sin B}}={\displaystyle \frac{c}{\sin C}}=2R\cdots$(＊)

の関係が成り立つことを知り，その理由について，まず直角三角形の場合を次のように考察した．

　次に太郎さんと花子さんは，三角形$\mathrm{ABC}$が鋭角三角形や鈍角三角形のときにも(＊)が成り立つことを証明しようとしている．

(1)　三角形$\mathrm{ABC}$が鋭角三角形の場合についても(＊)の関係が成り立つことは，直角三角形の場合に(＊)の関係が成り立つことをもとにして，次のような太郎さんの構想により証明できる．

　$\boxed{\text{カ}}$に当てはまる最も適当なものを，次の$\overline{)\text{0}}\text{〜}$$\overline{)\text{4}}$のうちから一つ選べ．

$\overline{)\text{0}}$　点$\mathrm{B}$から辺$\mathrm{AC}$に下ろした垂線と，円$O$との交点のうち点$\mathrm{B}$と異なる点

$\overline{)\text{1}}$　直線$\mathrm{BO}$と円$O$との交点のうち点$\mathrm{B}$と異なる点

$\overline{)\text{2}}$　点$\mathrm{B}$を中心とし点$\mathrm{C}$を通る円と，円$O$との交点のうち点$\mathrm{C}$と異なる点

$\overline{)\text{3}}$　点$\mathrm{O}$を通り辺$\mathrm{BC}$に平行な直線と，円$O$との交点のうちの一つ

$\overline{)\text{4}}$　辺$\mathrm{BC}$と直交する円$O$の直径と，円$O$との交点のうちの一つ

(2)　三角形$\mathrm{ABC}$が$A>90\mathrm{°}$である鈍角三角形の場合についても${\displaystyle \frac{a}{\sin A}}=2R$が成り立つことは，次のような花子さんの構想により証明できる．

　$\boxed{\text{キ}}\text{，}$$\boxed{\text{ク}}$に当てはまるものを，次の各解答群のうちから一つずつ選べ．

$\boxed{\text{キ}}$の解答群

• $\overline{)\text{0}}$　$\mathrm{\angle ABC}$
• $\overline{)\text{1}}$　$\mathrm{\angle ABD}$
• $\overline{)\text{2}}$　$\mathrm{\angle ACB}$
• $\overline{)\text{3}}$　$\mathrm{\angle ACD}$
• $\overline{)\text{4}}$　$\mathrm{\angle BCD}$
• $\overline{)\text{5}}$　$\mathrm{\angle BDC}$
• $\overline{)\text{6}}$　$\mathrm{\angle CBD}$

$\boxed{\text{ク}}$の解答群

• $\overline{)\text{0}}$　$90\mathrm{°}+\mathrm{\angle ABC}$
• $\overline{)\text{1}}$　$180\mathrm{°}-\mathrm{\angle ABC}$
• $\overline{)\text{2}}$　$90\mathrm{°}+\mathrm{\angle ACB}$
• $\overline{)\text{3}}$　$180\mathrm{°}-\mathrm{\angle ACB}$
• $\overline{)\text{4}}$　$90\mathrm{°}+\mathrm{\angle BDC}$
• $\overline{)\text{5}}$　$180\mathrm{°}-\mathrm{\angle BDC}$
• $\overline{)\text{6}}$　$90\mathrm{°}+\mathrm{\angle ABD}$
• $\overline{)\text{7}}$　$180\mathrm{°}-\mathrm{\angle CBD}$

【２】［１］　$\mathrm{\angle ACB}=90\mathrm{°}$である直角三角形$\mathrm{ABC}$と，その辺上を移動する$3$点$\mathrm{P}\text{，}$$\mathrm{Q}\text{，}$$\mathrm{R}$がある．点$\mathrm{P}\text{，}$$\mathrm{Q}\text{，}$$\mathrm{R}$は，次の規則に従って移動する．

　次の問いに答えよ．

(1)　図１の直角三角形を考える．

(ⅰ)　各点が移動を開始してから$2$秒後の線分$\mathrm{PQ}$の長さと三角形$\mathrm{APQ}$の面積$S$を求めよ．

$\mathrm{PQ}=\boxed{\text{ア}}\sqrt{\boxed{\text{イウ}}}\text{，}$$S=\boxed{\text{エ}}\sqrt{\boxed{\text{オ}}}$

(ⅱ)　各点が移動する間の線分$\mathrm{PR}$の長さとして，とり得ない値，一回だけとり得る値，二回だけとり得る値を，次の$\overline{)\text{0}}\text{〜}$$\overline{)\text{4}}$のうちからそれぞれすべて選べ．ただし，移動には出発点と到達点も含まれるものとする．

• $\overline{)\text{0}}$　$5\sqrt{2}$
• $\overline{)\text{1}}$　$5\sqrt{3}$
• $\overline{)\text{2}}$　$4\sqrt{5}$
• $\overline{)\text{3}}$　$10$
• $\overline{)\text{4}}$　$10\sqrt{3}$

(ⅲ)　各点が移動する間における三角形$\mathrm{APQ}\text{，}$三角形$\mathrm{BQR}\text{，}$三角形$\mathrm{CRP}$の面積をそれぞれ$S_1\text{，}$$S_2\text{，}$$S_3$とする．各時刻における$S_1\text{，}$$S_2\text{，}$$S_3$の間の大小関係と，その大小関係が時刻とともにどのように変化するかを答えよ．解答は解答欄$\boxed{\text{(う)}}$に記述せよ．

(2)　直角三角形$\mathrm{ABC}$の辺の長さを右の図２のように変えたとき，三角形$\mathrm{PQR}$の面積が$12$となるのは，各点が移動を開始してから何秒後かを求めよ．

${\displaystyle \frac{\boxed{\text{ケコ}}\pm \boxed{\text{サ}}\sqrt{\boxed{\text{シ}}}}{\boxed{\text{ス}}}}$秒後　

【２】 ［２］　太郎さんと花子さんは二つの変量$x\text{，}$$y$の相関係数について考えている．二人の会話を読み，下の問いに答えよ．

　このときのコンピュータの画面の様子が次の図である．

(1)　$\boxed{\text{セ}}\text{，}$$\boxed{\text{ソ}}\text{，}$$\boxed{\text{タ}}$に当てはまるものを，次の$\overline{)\text{0}}\text{〜}$$\overline{)\text{9}}$のうちから一つずつ選べ．ただし，同じものを繰り返し選んでもよい．

• $\overline{)\text{0}}$　$-1.50$
• $\overline{)\text{1}}$　$-1.00$
• $\overline{)\text{2}}$　$-0.50$
• $\overline{)\text{3}}$　$-0.25$
• $\overline{)\text{4}}$　$0.00$
• $\overline{)\text{5}}$　$0.25$
• $\overline{)\text{6}}$　$0.50$
• $\overline{)\text{7}}$　$1.00$
• $\overline{)\text{8}}$　$1.50$
• $\overline{)\text{9}}$　$2.00$

(2)　変量$x$と変量$y$の値の組を変更して，$(x,y)=(1,2)\text{，}$$(2,2)$としたときには相関係数が計算できなかった．その理由として最も適当なものを，次の$\overline{)\text{0}}\text{〜}$$\overline{)\text{3}}$のうちから一つ選べ．$\boxed{\text{チ}}$

$\overline{)\text{0}}$　値の組の個数が$2$個しかないから．

$\overline{)\text{1}}$　変量$x$の平均値と変量$y$の平均値が異なるから．

$\overline{)\text{2}}$　変量$x$の標準偏差の値と変量$y$の標準偏差の値が異なるから．

$\overline{)\text{3}}$　変量$y$の標準偏差の値が$0$であるから．

(3)　相関係数の値についての記述として誤っているものを，次の$\overline{)\text{0}}\text{〜}$$\overline{)\text{4}}$のうちから一つ選べ．$\boxed{\text{ツ}}$

$\overline{)\text{0}}$　値の組の個数が$2$のときには相関係数の値が$0.00$になることはない．

$\overline{)\text{1}}$　値の組の個数が$3$のときには相関係数の値が$-1.00$となることがある．

$\overline{)\text{2}}$　値の組の個数が$4$のときには相関係数の値が$1.00$となることはない．

$\overline{)\text{3}}$　値の組の個数が$50$であり，$1$個の値の組が$(x,y)=(1,1)\text{，}$残りの$49$個の値の組が$(x,y)=(2,0)$のときは相関係数の値は$-1.00$である．

$\overline{)\text{4}}$　値の組の個数が$100$であり，$50$個の値の組が$(x,y)=(1,1)\text{，}$残りの$50$個の値の組が$(x,y)=(2,2)$のときは相関係数の値は$1.00$である．

(4)　$\boxed{\text{テ}}\text{，}$$\boxed{\text{ト}}$に当てはまる最も適当なものを，次の各解答群のうちから一つずつ選べ．

$\boxed{\text{テ}}$の解答群

$\overline{)\text{0}}$　$x$軸に関して対称に分布する

$\overline{)\text{1}}$　変量$x\text{，}$$y$のそれぞれの中央値を表す点の近くに分布する

$\overline{)\text{2}}$　変量$x\text{，}$$y$のそれぞれの平均値を表す点の近くに分布する

$\overline{)\text{3}}$　円周に沿って分布する

$\overline{)\text{4}}$　直線に沿って分布する

$\boxed{\text{ト}}$の解答群

$\overline{)\text{0}}$　変量$x$の中央値と平均値が一致する

$\overline{)\text{1}}$　変量$x$の四分位数を超えることができない

$\overline{)\text{2}}$　変量$x\text{，}$$y$のそれぞれの平均値を表す点からの距離が等しい

$\overline{)\text{3}}$　平面上の異なる$2$点は必ずある直線上にある

$\overline{)\text{4}}$　平面上の異なる$2$点を通る円はただ$1$つに決まらない

【３】　くじが$100$本ずつ入った二つの箱があり，それぞれの箱に入っている当たりくじの本数は異なる．これらの箱から二人の人が順にどちらかの箱を選んで$1$本ずつくじを引く．ただし，引いたくじはもとに戻さないものとする．

　また，くじを引く人は，最初にそれぞれの箱に入れる当たりくじの本数は知っているが，それらがどちらの箱に入っているかはわからないものとする．

　今，$1$番目の人が一方の箱からくじを$1$本引いたところ，当たりくじであったとする．$2$番目の人が当たりくじを引く確率を大きくするためには，$1$番目の人が引いた箱と同じ箱，異なる箱のどちらを選ぶべきかを考察しよう．

　最初に当たりくじが多く入っている方の箱を$\mathrm{A}\text{，}$もう一方の箱を$\mathrm{B}$とし，$1$番目の人がくじを引いた箱が$\mathrm{A}$である事象を$A\text{，}$$\mathrm{B}$である事象を$B$とする．このとき，$P(A)=P(B)={\displaystyle \frac{1}{2}}$とする．また，$1$番目の人が当たりくじを引く事象を$W$とする．

　太郎さんと花子さんは，箱$\mathrm{A}\text{，}$箱$\mathrm{B}$に入っている当たりくじの本数によって，$2$番目の人が当たりくじを引く確率がどのようになるかを調べている．

(1)　箱$\mathrm{A}$には当たりくじが$10$本入っていて，箱$\mathrm{B}$には当たりくじが$5$本入っている場合を考える．

　$1$番目の人が引いた箱が箱$\mathrm{A}$で，かつ当たりくじを引く確率は，

$P(A\cap W)=P(A)\cdot P_A(W)={\displaystyle \frac{\boxed{\text{ア}}}{\boxed{\text{イウ}}}}$

である．一方で，$1$番目の人が当たりくじを引く事象$W$は，箱$\mathrm{A}$から当たりくじを引くか箱$\mathrm{B}$から当たりくじを引くかのいずれかであるので，その確率は，

$P(W)={\displaystyle \frac{\boxed{\text{エ}}}{\boxed{\text{オカ}}}}$

である．

　よって，$1$番目の人が当たりくじを引いたという条件の下で，その箱が箱$\mathrm{A}$であるといいう条件付き確率$P_W(A)$は，

$P_W(A)={\displaystyle \frac{P(A\cap W)}{P(W)}}={\displaystyle \frac{\boxed{\text{キ}}}{\boxed{\text{ク}}}}$

と求められる．

　また，$1$番目の人が当たりくじを引いた後，同じ箱から$2$番目の人がくじを引くとき，そのくじが当たりくじである確率は，

$P_W(A)\times {\displaystyle \frac{9}{99}}+P_W(B)\times {\displaystyle \frac{\boxed{\text{ケ}}}{99}}={\displaystyle \frac{\boxed{\text{コ}}}{\boxed{\text{サシ}}}}$

である．

　それに対して，$1$番目の人が当たりくじを引いた後，異なる箱から$2$番目の人がくじを引くとき，そのくじが当たりくじである確率は，${\displaystyle \frac{\boxed{\text{ス}}}{\boxed{\text{セソ}}}}$である．

(2)　今度は箱$\mathrm{A}$には当たりくじが$10$本入っていて，箱$\mathrm{B}$には当たりくじが$7$本入っている場合を考える．

　$1$番目の人が当たりくじを引いた後，同じ箱から$2$番目の人がくじを引くとき，そのくじが当たりくじである確率は${\displaystyle \frac{\boxed{\text{タ}}}{\boxed{\text{チツ}}}}$である．それに対して異なる箱からくじを引くとき，そのくじが当たりくじである確率は${\displaystyle \frac{7}{85}}$である．

(3)　箱$\mathrm{A}$に当たりくじが$10$本入っている場合，$1$番目の人が当たりくじを引いたとき，$2$番目の人が当たりくじを引く確率を大きくするためには，$1$番目の人が引いた箱と同じ箱，異なる箱のどちらを選ぶべきか．箱$\mathrm{B}$に入っている当たりくじの本数が$4$本，$5$本，$6$本，$7$本のそれぞれの場合において選ぶべき箱の組み合わせとして正しいものを，次の$\overline{)\text{0}}\text{〜}$$\overline{)\text{4}}$のうちから一つ選べ．$\boxed{\text{テ}}$

【４】　ある物体$\mathrm{X}$の変量を天$\stackrel{\text{びん}}{\text{秤}}$ばかりと分銅を用いて量りたい．天秤ばかりは支点の両端に皿$\mathrm{A}\text{，}$$\mathrm{B}$が取り付けられており，両側の皿にのせたものの質量が等しいときに釣り合うように作られている．分銅は$3\mathrm{g}$のものと$8\mathrm{g}$のものを何個でも使うことができ，天秤ばかりの皿の上には分銅を何個でものせることができるものとする．以下では，物体$\mathrm{X}$の質量を$M(\mathrm{g})$とし，$M$は自然数であるとする．

(1)　天秤ばかりの皿$\mathrm{A}$に物体$\mathrm{X}$をのせ，皿$\mathrm{B}$に$3\mathrm{g}$の分銅$3$個をのせたところ，天秤ばかりは$\mathrm{B}$の側に傾いた．さらに，皿$\mathrm{A}$に$8\mathrm{g}$の分銅$1$個をのせたところ，天秤ばかりは$\mathrm{A}$の側に傾き，皿$\mathrm{B}$に$3\mathrm{g}$の分銅$2$個をのせると天秤ばかりは釣り合った．このとき，皿$\mathrm{A}\text{，}$$\mathrm{B}$にのせているものの質量を比較すると

$M+8\times \boxed{\text{ア}}=3\times \boxed{\text{イ}}$

が成り立ち，$M=\boxed{\text{ウ}}$である．上の式は

$3\times \boxed{\text{イ}}+8\times (-\boxed{\text{ア}})=M$

と変形することができ，$x=\boxed{\text{イ}}\text{，}$$y=-\boxed{\text{ア}}$は，方程式$3x+8y=M$の整数解の一つである．

(2)　$M=1$のとき，皿$\mathrm{A}$に物体$\mathrm{X}$と$8\mathrm{g}$の分銅$\boxed{\text{エ}}$個をのせ，皿$\mathrm{B}$に$3\mathrm{g}$の分銅$3$個をのせると釣り合う．

　よって，$M$がどのような自然数であっても，皿$\mathrm{A}$に物体$\mathrm{X}$と$8\mathrm{g}$の分銅$\boxed{\text{オ}}$個をのせ，皿$\mathrm{B}$に$3\mathrm{g}$の分銅$\boxed{\text{カ}}$個をのせることで釣り合うことになる．$\boxed{\text{オ}}\text{，}$$\boxed{\text{カ}}$に当てはまるものを，次の$\overline{)\text{0}}\text{〜}$$\overline{)\text{5}}$のうちから一つ選べ．ただし，同じものを選んでもよい．

• $\overline{)\text{0}}$　$M-1$
• $\overline{)\text{1}}$　$M$
• $\overline{)\text{2}}$　$M+1$
• $\overline{)\text{3}}$　$M+3$
• $\overline{)\text{4}}$　$3M$
• $\overline{)\text{5}}$　$5M$

(3)　$M=20$のとき，皿$\mathrm{A}$に物体$\mathrm{X}$と$3\mathrm{g}$の分銅$p$個を，皿$\mathrm{B}$に$8\mathrm{g}$の分銅$q$個をのせたところ，天秤ばかりが釣り合ったとする．このような自然数の組$(p,q)$のうちで，$p$の値が最小であるものは$p=\boxed{\text{キ}}\text{，}$$q=\boxed{\text{ク}}$であり，方程式$3x+8y=20$のすべての整数解は，整数$n$を用いて

$x=\boxed{\text{ケコ}}+\boxed{\text{サ}}n\text{，}$$y=\boxed{\text{ク}}-\boxed{\text{シ}}n$

と表すことができる．

(4)　$M=\boxed{\text{ウ}}$とする．$3\mathrm{g}$と$8\mathrm{g}$の分銅を，他の質量の分銅の組み合わせに変えると，分銅をどのようにのせても天秤ばかりが釣り合わない場合がある．この場合の分銅の質量の組み合わせを，次の$\overline{)\text{0}}\text{〜}$$\overline{)\text{3}}$のうちからずべて選べ．ただし，$2$種類の分銅は，皿$\mathrm{A}\text{，}$皿$\mathrm{B}$のいずれにも何個でものせることができるものとする．$\boxed{\text{ス}}$

• $\overline{)\text{0}}$　$3\mathrm{g}$と$14\mathrm{g}$
• $\overline{)\text{1}}$　$3\mathrm{g}$と$21\mathrm{g}$
• $\overline{)\text{2}}$　$8\mathrm{g}$と$14\mathrm{g}$
• $\overline{)\text{3}}$　$8\mathrm{g}$と$21\mathrm{g}$

(5)　皿$\mathrm{A}$には物体$\mathrm{X}$のみをのせ，$3\mathrm{g}$と$8\mathrm{g}$の分銅は皿$\mathrm{B}$にしかのせられないとすると，天秤ばかりを釣り合わせることでは$M$の値を量ることができない場合がある．このような自然数$M$の値は$\boxed{\text{セ}}$通りあり，そのうち最も大きい値は$\boxed{\text{ソタ}}$である．

　ここで，$M>\boxed{\text{ソタ}}$であれば，天秤ばかりを釣り合わせることで$M$の値を量ることができる理由を考えてみよう．$x$を$0$以上の整数とするとき，

(ⅰ)　$3x+8\times 0$は$0$以上であって，$3$の倍数である．

(ⅱ)　$3x+8\times 1$は$8$以上であって，$3$で割ると$2$余る整数である．

(ⅲ)　$3x+8\times 2$は$16$以上であって，$3$で割ると$1$余る整数である．

　$\boxed{\text{ソタ}}$より大きな$M$の値は，(ⅰ)，(ⅱ)，(ⅲ)のいずれかに当てはまることから，$0$以上の整数$x\text{，}$$y$を用いて$M=3x+8y$と表すことができ，$3\mathrm{g}$の分銅$x$個と$8\mathrm{g}$の分銅$y$個を皿$\mathrm{B}$にのせることで$M$の値を量ることができる．

　このような考え方で，$0$以上の整数$x\text{，}$$y$を用いて$3x+2018y$と表すことができないような自然数の最大値を求めると，$\boxed{\text{チツテト}}$である．

【５】　ある日，太郎さんと花子さんのクラスでは，数学の授業で先生から次の問題１が宿題として出された．下の問いに答えよ．なお，円周上に異なる 点をとった場合，弧は二つできるが，本問題において，弧は二つあるうちの小さい方を指す．

(1)　問題１は次のような構想をもとにして証明できる．

　$\boxed{\text{ア}}\text{，}$$\boxed{\text{イ}}$に当てはまるものを，次の$\overline{)\text{0}}\text{〜}$$\overline{)\text{7}}$のうちから一つずつ選べ．ただし，$\boxed{\text{ア}}\text{，}$$\boxed{\text{イ}}$の解答の順序は問わない．

• $\overline{)\text{0}}$　$\mathrm{▵AB}{\mathrm{B}}^{\prime }$
• $\overline{)\text{1}}$　$\mathrm{▵A}{\mathrm{B}}^{\prime }\mathrm{C}$
• $\overline{)\text{2}}$　$\mathrm{▵ABX}$
• $\overline{)\text{3}}$　$\mathrm{▵AXC}$
• $\overline{)\text{4}}$　$\mathrm{▵BC}{\mathrm{B}}^{\prime }$
• $\overline{)\text{5}}$　$\mathrm{▵BX}{\mathrm{B}}^{\prime }$
• $\overline{)\text{6}}$　$\mathrm{▵}{\mathrm{B}}^{\prime }\mathrm{XC}$
• $\overline{)\text{7}}$　$\mathrm{▵CBX}$

　太郎さんたちは，次の日の数学の授業で問題１を証明した後，点$\mathrm{X}$が弧$\mathrm{BC}$上にないときについて先生に質問した．その質問に対して先生は，一般に次の定理が成り立つことや，その定理と問題１で証明したことを使うと，下の問題２が解決できることを教えてくれた．

(2)　太郎さんと花子さんは問題２について，次のような会話をしている．

(ⅰ)　$\boxed{\text{ウ}}$に当てはまるものを，次の$\overline{)\text{0}}\text{〜}$$\overline{)\text{5}}$のうちから一つ選べ．

• $\overline{)\text{0}}$　$\mathrm{PQ}$
• $\overline{)\text{1}}$　$\mathrm{PS}$
• $\overline{)\text{2}}$　$\mathrm{QS}$
• $\overline{)\text{3}}$　$\mathrm{RS}$
• $\overline{)\text{4}}$　$\mathrm{RT}$
• $\overline{)\text{5}}$　$\mathrm{ST}$

(ⅱ)　$\boxed{\text{エ}}\text{，}$$\boxed{\text{オ}}$に当てはまるものを，次の$\overline{)\text{0}}\text{〜}$$\overline{)\text{4}}$のうちから一つずつ選べ．ただし，$\boxed{\text{エ}}\text{，}$$\boxed{\text{オ}}$の解答の順序は問わない．

• $\overline{)\text{0}}$　$\mathrm{P}$
• $\overline{)\text{1}}$　$\mathrm{Q}$
• $\overline{)\text{2}}$　$\mathrm{R}$
• $\overline{)\text{3}}$　$\mathrm{S}$
• $\overline{)\text{4}}$　$\mathrm{T}$

(ⅲ)　$\boxed{\text{カ}}$に当てはまるものを，次の$\overline{)\text{0}}\text{〜}$$\overline{)\text{5}}$のうちから一つ選べ．

• $\overline{)\text{0}}$　辺$\mathrm{PQ}$
• $\overline{)\text{1}}$　辺$\mathrm{PS}$
• $\overline{)\text{2}}$　辺$\mathrm{QS}$
• $\overline{)\text{3}}$　弧$\mathrm{PQ}$
• $\overline{)\text{4}}$　弧$\mathrm{PS}$
• $\overline{)\text{5}}$　弧$\mathrm{QS}$

(ⅳ)　$\boxed{\text{キ}}$に当てはまるものを，次の$\overline{)\text{0}}\text{〜}$$\overline{)\text{6}}$のうちから一つ選べ．

• $\overline{)\text{0}}$　$30$
• $\overline{)\text{1}}$　$45$
• $\overline{)\text{2}}$　$60$
• $\overline{)\text{3}}$　$90$
• $\overline{)\text{4}}$　$120$
• $\overline{)\text{5}}$　$135$
• $\overline{)\text{6}}$　$150$

(ⅴ)　$\mathrm{\angle QPR}$が$\boxed{\text{キ}}\mathrm{°}$より「小さいとき」と「大きいとき」の点$\mathrm{Y}$について正しく述べたものを，それぞれ次の$\overline{)\text{0}}\text{〜}$$\overline{)\text{6}}$のうちから一つずつ選べ．ただし，同じものを選んでもよい．

• 小さいとき$\boxed{\text{ク}}$
• 大きいとき$\boxed{\text{ケ}}$

$\overline{)\text{0}}$　点$\mathrm{Y}$は，三角形$\mathrm{PQR}$の外心である．

$\overline{)\text{1}}$　点$\mathrm{Y}$は，三角形$\mathrm{PQR}$の内心である．

$\overline{)\text{2}}$　点$\mathrm{Y}$は，三角形$\mathrm{PQR}$の重心である．

$\overline{)\text{3}}$　点$\mathrm{Y}$は，$\mathrm{\angle PYR}=\mathrm{\angle QYP}=\mathrm{\angle RYQ}$となる点である．

$\overline{)\text{4}}$　点$\mathrm{Y}$は，$\mathrm{\angle PQY}+\mathrm{\angle PRY}+\mathrm{\angle QPR}=180\mathrm{°}$となる点である．

$\overline{)\text{5}}$　点$\mathrm{Y}$は，三角形$\mathrm{PQR}$の三つの辺のうち，最も短い辺を除く二つの辺の交点である．

$\overline{)\text{6}}$　点$\mathrm{Y}$は，三角形$\mathrm{PQR}$の三つの辺のうち，最も長い辺を除く二つの辺の交点である．