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【2】 ある漁場に食用資源となる魚が生息している.漁場に生息する魚の量を資源量と呼び,(単位は百トン)と表す.漁場において,魚を獲らなければ,資源量が年間に増加する量は(単位はトン)になる.は現在の資源量に依存し,その関係は
で表される.が負の時は減少量を表す.
この状況において,漁場における資源量が変化しないのは,のときである.
(1) 企業は魚を獲り販売する企業であり,企業だけが漁場を利用できる状況を考える.年間に獲る魚の量を漁獲量(単位はトン)と呼ぶ.企業は,資源量がであるとき,年間にの魚を獲るものとする.このとき,毎年持続的に獲ることができる漁獲量を最大にするためには,企業は,資源量がで維持されるよう,毎年の漁獲量をにすればよい.
実際には,企業は魚を獲るために労働者を雇う必要がある.労働者人が年間に従事する時間の総量を単位の労働量と呼ぶ.資源量がで,単位の労働量を投入するとき,漁獲量は,
で表されるものとする.この企業の漁獲量はであることから,資源量がであるときに必要とされる労働量は,だけを用いて表すと,である.
魚トンあたりの価格が労働量単位あたりに支払われる賃金がであり,賃金以外に費用はかからないものとする.このとき,企業の利潤(とする)は,式から,だけを用いて表すと,である.利潤を最大にしようとする企業は,資源量がの水準で維持されるよう漁獲量を決め,だけの利潤を得る.
次に,漁場が企業だけでなく,どの企業でも利用できるような状況になったとする.これによって,利潤を得ようと新たな企業が参入し,漁場における漁獲量が増加し,資源量はより減少する.利潤が正である限り新たな企業が参入する.したがって,最終的には漁場を利用しているすべての企業の利潤がゼロになるところで漁獲量が決まる.ただし,投入する労働量と漁獲量との関係は,すべての企業で同一であるとする.この状況では,資源量はとなる.
(2) 資源量がの状態で,式が,
に変化した場合を考える.この状況において,利潤を最大にしようとする企業だけが漁場を利用できるとき,資源量はとなる.
次に,漁場が企業だけでなく,利潤を得ようとするどの企業でも利用できるような状況になれば,資源量はとなる.ただし,投入する労働量と漁獲量との関係は,すべての企業で同一であるとする.