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2020 立命館大学 理系学部A方式
(薬学部を除く)2月2日実施

易□ 並□ 難□

【1】 座標平面上に点 A B をとる.線分 AB の長さは,実数の定数 r (ただし r>2 )を用いて, r+2 と表される.点 A x 軸上を動き,点 B y 軸上を動くとき,線分 AB 2:r に内分する点 P の軌跡を表す曲線 C を考える.

〔1〕 点 A の座標を (a ,0) B の座標を (0, b) P の座標を (x, y) とするとき, a b r x y を用いて表すと, a= b= となる.そして,曲線 C の方程式は,次のように表される.

=1

ただし, には, a b は入らないとする.

〔2〕 実数 s t を用いて方程式 y=s x+t で表される直線を l1 とする.直線 l1 が曲線 C と共有点をもつとき,共有点の x 座標は次の方程式の解である.

( )x 2+2r 2s tx+( ) =0

ただし, は, r s t を用い, x y は用いずに答えよ.

 直線 l1 が曲線 C の接線となるための必要十分条件は, r s t を用いて表すと

=4

である.

〔3〕 直線 l2 と直線 l3 が垂直で,点 Q (p,q ) で交わるとする.

 まず,直線 l2 が, x 軸と y 軸に平行ではない場合について考える.直線 l2 の傾きを u とおくと,直線 l2 上の方程式は y= と表される.直線 l3 の方程式は y= と表される.

 直線 l2 が曲線 C の接線となるための必要十分条件は,

( ) u2+2 pgu+ ( )= 0

である.ただし, は, p q r を用いて表す.一方,直線 l3 が曲線 C の接線となるための必要十分条件は,

( )u 2-2p qu+ ( )=0

である.このとき,直線 l2 と直線 l3 の両方が曲線 C の接線であるように点 Q が動くとき,点 Q の軌跡を表す方程式は, r を用いて次のように表される.

p2+q 2=

 なお,直線 l2 が, x 軸あるいは y 軸に平行な場合にも,この方程式は成り立っている.

2020 立命館大学 理系学部A方式
(薬学部を除く)2月2日実施

易□ 並□ 難□

【2】 自然数 a b l に対して, a b の最大公約数を d とする.このとき, 1 次不定方程式

ax+b y=dl (1)

の整数解 x y を考える.

〔1〕 自然数 a b を用いて a=a d b=b d と表すと, a b の最大公約数は であり,式(1)は

ax +b y=l (2)

となる.特に l=1 のときの 1 次不定方程式(2)の整数解の 1 つを x0 y0 とすると,次のようになる.

a x0+b y0 =1 (3)

式(2)から式(3)の l 倍を引くと

a (x-l x0)+ b( y-l y0) =0 (4)

となる. a b の最大公約数が であり, x-lx 0 y-l y0 はともに整数であることから, x-lx 0 の倍数, y-ly 0 の倍数となる.ここで,整数 m を用いて

x- lx0 = -( y-ly 0) = m (5)

とおくと,方程式(1)の整数解は

x= y=

と表される.

〔2〕  d=1 とする.整数解 (x ,y)= ( , ) のうち,実数 c に対して不等式 y<- x2+c を満たすものを考える.

  y=-x2 +c で定まる放物線と, 1 次不定方程式(1)すなわち ax +by=l で定まる直線は, c> 4 b2 のときに異なる 2 つの共有点をもち,その座標は

(a ± 2b , 2bl- a2a 2b2 ) (複号同順)

である.特に x 座標に注目すれば,整数解 (x ,y)= ( , ) y<- x2+c を満たすためには,式(5)の m は不等式

- 2 b2< m< + 2 b2 (6)

を満たす必要がある.したがって, a=2 b=3 l=2 のとき,不等式(6)を満たす m の値がちょうど 2 個存在するために c がとりうる値の範囲は

<c

であることがわかる.

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(薬学部を除く)2月2日実施

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【3】 実数 r 0r< 12 とする.次式によって与えられる定積分

K(r )= -rr dx (1x 2) 12x 2

の極限 limr 12 -0K (r) を以下の手順にしたがって求める.まず,準備として,次の〔1〕,〔2〕,〔3〕について考える.

〔1〕 区間 [0 ,1] で関数 f (t)= 2t 1+t2 を考える. f (t)= 0 より, f(t ) の値域は 0f (t) である.また 1- {f (t) }2= である.

〔2〕  α 0<α <π2 tan6af;α =2+1 を満たしているとき

tan( π2 -α)=

である.ただし, α を用いずに答えよ.

〔3〕 定積分 I J をそれぞれ次のようにおく.

I= 0π2 2+sin θ J= 0π2 2-sin θ

 まず, I を計算する.〔1〕で定義した f (t) を用いて sinθ =f( t) とおき,置換積分法を使うと, I

I= 01 ( t+ )2+ ( )2 dt

となる.ただし, は正の実数である.ここで t+ = tanu とおいて置換積分法を使って〔2〕の α を用いて I を求めると I= となる.

 次に, J についても同様の方法で求めると, J= となる.

〔4〕 〔1〕から〔3〕までの準備のもとで,極限 limr 12 -0K (r) を求める.ここで, x=1 2 sinθ とおいて K (r) に置換積分法を用いると,極限 limr 1 2-0 K(r ) は, I J を用いて と表すことができる.したがって,極限 lim.r 1 2-0 K(r ) は, となる.

2020 立命館大学 理系学部A方式
(薬学部を除く)2月2日実施

易□ 並□ 難□

【4】 虚数単位を i とし, α β γ δ を虚数とする.

〔1〕 複素数平面上の点 z を原点を中心に argα だけ回転し,原点からの距離を |α | 倍し, β だけ平行移動した点は, と表される.

〔2〕  z0=i とし,自然数 n に対して,点 zn を以下のように定める. zn zn- 1 を原点を中心に argα だけ回転し,原点からの距離を |α | 倍し, β だけ平行移動した点とする. an=| zn-z n-1 | とおき,数列 {a n} を考える.一般項 an α β および n で表すと, an= となる.したがって, |α |<1 のとき,

n= 1a n=

である.

〔3〕 点 z を点 δ を中心に argγ だけ回転し,点 δ からの距離を |γ | 倍した点は である.任意の複素数 z について = が成り立つとき, γ δ をそれぞれ α β を用いて表すと, γ= δ= である.

〔4〕 実数 θ 0<θ <π2 を満たすとする.また, α= 13 (cosθ +isinθ ) であり, =1 が成り立つとする.複素数平面上で 1 が表す点を B とし,〔2〕で定めた zn が表す点を P n とする.三角形 P 0B P2 の面積は であり,三角形 P 0P1 P2 の面積は となる.

 三角形 P n-1 PnP n+1 の面積 Sn となり,

n =1 S2n- 1=

である.ただし, は, z0 z1 z2 zn-1 zn を用いずに表せ.

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