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【2】 企業と企業は,ともに廃棄物をトンずつ排出する予定であり,その削減が求められている.企業と企業が廃棄物を削減する量(単位はトン)をそれぞれで表すとき,その削減にかかる費用(単位は万円)は次ので表される.
いま,政府は,企業と企業の廃棄物の排出量を合計でトン削減することが望ましいと考えている.その合計トンの削減を実現するために,政府は以下の種類の制度を考える.
〔1〕 まず,政府が各企業の廃棄物の削減量を決めて,その削減を命じる制度を考える.
(a) 企業と企業に廃棄物をそれぞれトンずつ削減するように命じるとき,その削減にかかる費用は,企業と企業の合計で万円となる.
(b) 企業と企業を合わせて廃棄物をトン削減し,かつ廃棄物の削減にかかる費用の合計を最も小さくするためには,政府は企業にトン,企業にトン削減するように命じればよい.このとき,廃棄物の削減にかかる費用は,企業と企業の合計で万円となる.
〔2〕 次に,政府が各企業に金銭的な動機を与え,企業自身が廃棄物の削減量を決める制度を考える.なお以下では,企業と企業はそれぞれ,負担する金額が最小になるように削減量を決めると仮定する.
(a) 政府が,廃棄物の排出トン当たり万円の税金の支払いを企業に課す制度を考える.この制度の下で,企業が廃棄物の排出をトン削減するとき,企業が負担する金額は,トンの廃棄物の排出に対して支払う税金と,その削減にかかる費用との合計となる.このとき,企業が削減する廃棄物の量は,を用いて表すとトンとなる.従って,企業が廃棄物をトン削減するように誘導するためには,政府は万円の税金を課せばよい.また,万円のとき,企業も廃棄物をトン削減することになり,企業と企業が支払う税金の合計は万円となる.
(b) 政府が,廃棄物の削減トン当たり万円の補助金を企業に与える制度を考える.この制度の下で,企業が廃棄物をトン削減するとき,企業が負担する金額は,削減にかかる費用から補助金の額を差し引いた金額となる.このとき,企業が削減する廃棄物の量は,を用いて表すとトンとなる.従って,企業が廃棄物をトン削減するように誘導するためには,政府は万円の補助金を与えればよい.また,万円のとき,企業も廃棄物をトン削減することになり,企業と企業が受け取る補助金の合計は万円となる.
(c) 政府が,廃棄物の排出トン当たり万円の税金の支払いを企業に課し,同時に廃棄物の削減トン当たり万円の補助金を企業に与える制度を考える.(a) (b)と同様に考えれば,企業が廃棄物をトンだけ削減するように誘導するためには,とはの関係式を満たす必要がある.さらに,この制度のもとで,企業と企業が支払う税金の合計と,受け取る補助金の合計が等しくなるようにとを決めるとき,は万円,は万円となる.