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(1) ある食品メーカーで,ヨーグルトの新製品の試食テストを実施した.テスト品を人に食べてもらい,表1のように点を基準(普通)として,美味しさを点満点で評価してもらった.
表1:ヨーグルトの評価得点の度数分布表
評価得点 | |||||
点 | 点 | 点 | 点 | 点 | |
人数(人) |
このヨーグルトの評価得点の平均値を計算するには,以下の式のように,評価得点に比率を掛け,足し上げるので,
となる.
ヨーグルトの評価得点を二乗した値の平均値はであり,この値と上で求めたヨーグルトの評価得点の平均値を用いると,ヨーグルトの評価得点の分散はとなる.
別の日に,プリンの評価得点を別の人で行った.その結果が表2である.プリンの試食テストの時は,点を基準(普通)にして評価している.
表2:プリンの評価得点の度数分布表
評価得点 | |||||
点 | 点 | 点 | 点 | 点 | |
人数(人) |
プリンの評価得点の平均値はであり,プリンの評価得点を二乗した値の平均値はである.平均値と二乗した値の平均値を用いると,プリンの評価得点の分散はになる.
(ア) 上の文章の空欄にあてはまる数値を答えなさい.(とについては,四捨五入して小数第位まで求めなさい)
(イ) ヨーグルトの評価得点とプリンの評価得点の分散が,なぜ下線部の結果になるか,表1及び表2の評価得点の分布を考慮して,その理由を簡潔に説明しなさい.
(2) データの平均値の精度を表す指標として,平均値の標準偏差が用いられる.この指標は,データの標準偏差をデータの総数の平方根で割ったものである.この値が小さいほど,データの平均値の精度が高くなる.以下の表3と表4の試食テストのデータにおいて,平均値の標準偏差の比を求めなさい.その結果を用いて,どちらのテストが,どの程度精度が高いか論じなさい(なお,表3は表1と同じ表である).
表3:人の評価得点の度数分布表
評価得点 | |||||
点 | 点 | 点 | 点 | 点 | |
人数(人) |
表4:人の評価得点の度数分布表
評価得点 | |||||
点 | 点 | 点 | 点 | 点 | |
人数(人) |
(3) 異なるつの試食テストの結果を比較するときに,以下の表5のように累積人数(その評価得点まで合計した人数:この表では,点が最後になるので,点の人数の人は回答者の総数を表す)の表を作成し,表からグラフを描いて比較することがある(図1参照).表5と図1から,桃のゼリーとブドウのゼリーについて,以下のような会話が交わされた.空欄にあてはまる数値もしくは語句を答えなさい(空欄には同じ数値もしくは語句が入る場合もある).
表5:桃のゼリーとブドウのゼリーの評価(累積人数)
累積人数(人) | |||
桃のゼリー | ブドウのゼリー | ||
美味しくない | 点 | ||
点 | |||
普通 | 点 | ||
点 | |||
美味しい | 点 |
図1:累積人数のグラフ
さん:桃とブドウのゼリー,どちらの評価が高かったのだろうか?
さん:点の累積人数を見ると,桃が人で,ブドウが人だね.また,の方が,点,点という評価の高い得点を回答している人が多い.高い評価得点の人数が多い方を製品化した方が良いので,の方を製品化するべきだね.
さん:何点で累積人数が回答者の総数の割に達するかを考えると,は点で達しているが,もう一方は,それ以上の点で達しているよね.だから,の方が評価が高いと言えるよね.
(4) 性別によりゼリーの好みに差があるか調査を行い,表6のような結果が得られた.
表6:性別による桃・ブドウのゼリーの評価(単位:人)
桃のゼリーの方が好き | ブドウのゼリーの方が好き | 計 | |
男性 | |||
女性 | |||
計 |
(ア) 表6を参考にして,次の文章の空欄とにあてはまる数値を答えなさい.(四捨五入して,小数第位までの表記で回答欄に記入)
男性で桃のゼリーの方が好きと回答した比率は女性で桃のゼリーの方が好きと回答した比率はであり,性別により果物の好みに差がないとは言い切れない結果になった.
(イ) 性別によってゼリーの好みに差がない場合に,表7のに最も適する数値を答えなさい.
表7:好みに差がないときの評価(単位:人)
桃のゼリーの方が好き | ブドウのゼリーの方が好き | 計 | |
男性 | |||
女性 | |||
計 |
(5) 桃のゼリーの他に桃のアイスクリームも販売することになった.図2は,月の日別の販売個数に関するグラフである.期間中の販売個数の平均値は,ゼリーがアイスクリームがであった.以下の空欄にあてはまる語句を答えなさい.
図2:ゼリーとアイスクリームの月の販売実績(左:ゼリー,右:アイスクリーム)
ゼリーとアイスクリームの販売個数を比較すると,以下の特徴がこのグラフから読み取れる.
·アイスクリームはゼリーよりもが大きいので,売れるタイミングを逃さないことが重要.
·アイスクリームは,の日に販売個数が多い傾向が見られ,性があると思われる.
総務省統計局「労働力調査」は,日本国民の就業及び不就業の状態を明らかにするための統計を得ることを目的とし,年月に調査が開始されて以来,毎月実施されている.調査結果は,各種の雇用対策や,景気判断等のための重要な基礎資料として利用されている.
この調査では,雇用形態をいくつかの階層で分類しており,分類の最小区分である「従業者」,「休業者」,「完全失業者」,「非労働力人口」は,この順に分類される.具体的には,まず調査週間中に少しでも仕事をしていれば「従業者」となり,従業者ではないが「休業」の要件を満たす者は「休業者」,従業者でも休業者でもなく,「失業」の要件を満たす者は「完全失業者」,また,従業者,休業者,完全失業者のいずれにも属さない者は「非労働力人口」となる.つまり,経済活動に強く結び付いている者から順に取り出していくことで,労働力を特定する.これらの考え方は,以下のようにまとめられる.
図1:就業者数の推移(男女計)
(総務省統計局「労働力調査」(基本集計)年月報告資料より抜粋)
図2:完全失業者数の対前年同月増減と完全失業率(季節調整値)の推移
(総務省統計局「労働力調査」(基本集計)年月報告資料より抜粋)
年月労働力調査(基本集計)の概要によると
・就業者数は約万人.前年同月に比べ約万人の減少.か月連続の減少.(図1参照)
・雇用者数は約万人.前年同月に比べ約万人の減少.か月連続の減少.
・正規の職員・従業員数は約万人.前年同月に比べ約万人の増加.か月連続の増加.
・非正規の職員・従業員数は約万人.前年同月に比べ約万人の減少.か月連続の減少.
・主な産業別就業者を前年同月と比べると,「宿泊業,飲食サービス業」,「建設業」,「生活関連サービス業,娯楽業」などが減少.
・完全失業者数は約万人.前年同月に比べ約万人の増加.か月連続の増加.(図2参照)
・男女別就業者数をみると,男性は約万人,女性は約万人.それぞれ前年同月に比べ,約万人の減少,約万人の減少.
となっている.
以下に示す,表1は年月総務省統計局「労働力調査」(長期系列表1 就業者年齢階級(歳階級)別,全国,月別結果,原数値)をもとに作成した,年月から年月までの性別ごとの年齢階級(歳階級)別の就業者数である.
表1:総務省統計局「労働力調査」性別ごとの年齢階級(歳階級)別全国就業者数(単位:万人)
男性 | 女性 | |||||||||||
年月 |
以上 |
以上 | ||||||||||
(1) 表1の値より,以下の手続きに従って男性と女性とでそれぞれ就業者平均年齢を概算し,空欄とに入る適当な数値を答えなさい.ただし,数値は四捨五入して整数で求めること.
「年月において,日本の男性就業者平均年齢歳,女性就業者平均年齢歳と概算される.」
ここで,階級番号の階級値を表2のように定義し,就業者数をとする.就業者合計をとすると,
により概算できる.
表2:年齢階級と階級値
年齢階級 | 階級番号 | 階級値 |
(2) 就業者数のような経済社会的なデータの多くには,季節性変動(失職・退職や就業・就職の時期が月と月に集中しやすいなど)が存在していることが知られている.そのため,隣接する月次データの差の代わりに,
として定義される前年同月増減を用いることがある.これによりデータの変化の傾向を適切にとらえることができる.
(ア) 表3は表1をもとに作成された,年月から年月までの性別ごとの年齢階級(歳階級)別月次前年同月増減を示している.空欄に入る適当な数値を答えなさい.
表3:年月から年月までの前年同月増減(単位:万人)
男性 | 女性 | |||||||||||||
年月 |
以上 |
合計 |
以上 |
合計 | ||||||||||
(イ) 完成させた表3をもとに,年月から年月までの前年同月増減の月ごとの合計値を,男性と女性それぞれ異なる線種の折れ線グラフで描きなさい.
(3) 性別ごとの年齢階級別就業者数増減は年齢階級人口の違いが影響するため,増減の度合いを比較するには,前年同月就業者数で,前年同月増減を割った前年同月増減率
を性別ごと,年齢階級別に見るほうがよい.
(ア) 表4は表1をもとに,年月前年同月増減率を小数第位まで計算し,切り捨てして小数第位までを表示している.空欄とに入る適当な数値を答えなさい.
表4:年月前年同月増減率()
性別 | ||||||
男性 | ||||||
女性 |
(イ) 表4をもとに男性と女性それぞれについて,年月前年同月増減率の年齢階級(歳階級)別のグラフを描きなさい.
(4) 総務省統計局「労働力調査」に関する説明文,表データや図から読み取ることができる内容をもとに,以下について記述しなさい.
(ア) 年年現在の我が国の就業状況から見た,性別ごと,年齢階級別での労働のしやすさに関する考察を提示し字程度で記述しなさい.
例えば,「男女ともに歳も大きく減少しているが,この年齢階級は年月以前も減少を続けている自然減を示す就業者年齢階級である.総人口の減少とともに減少を続けている年齢階級であり,就業のしやすさには直接的な影響は不明である部分もある.」などが考察となり得る.
この例以外の考察を提示すること.
(イ) (ア)で提示した年月現在の我が国の就業状況から見た,性別ごと,年齢階級別での労働のしやすさに関する考察から類推される社会における問題または課題を提起し字程度で記述しなさい.
(ウ) (イ)で提起した問題または課題を解決または緩和することを可能とする方策についての提案とその提案を行う理由を字程度で記述しなさい.