2021 高知工科大学 総合選抜情報学群プログラミングMathJax

Mathematics

Examination

Test

Archives

2021 高知工科大学 総合選抜情報学群プログラミング

A区分

B区分【1】の類題

易□ 並□ 難□

【1】 以下の問1,2のすべてに答えなさい.

 自然数の正の平方根の近似値を求める手続きを作りたい.この問題では,自然数の正の平方根の近似値を,その自然数の正の平方根の小数第三位を切り捨てた数とする.そのような数は,小数部分の桁数が 2 桁である正の数のなかで, 2 乗してその自然数を超えない最大の数である.

問1  3 の正の平方根の近似値を求める方法を考える.以下の空欄 にあてはまる数を答えなさい.

 次の方針で 3 の正の平方根の近似値を求める.

方針1 小数部分の桁数が 2 桁である正の数を 0.01 から小さい順に列挙し, 2 乗して 3 を超えるかどうか調べる. 2 乗して 3 を超えなかった最後の数が 3 の正の平方根の近似値である.

 この方針で,小数部分の桁数が 2 桁である正の数の 2 乗を順に計算すると,下のようになる.

0.01×0.01=0.0001

0.02×0.02=

1.73×1.73= 2.9929

1.74×1.74= 3.0276

 これより, 3 の正の平方根の近似値であると分かる.この方法では 3 の正の平方根の近似値が見つかるまでに 2 乗の計算を 回行わなければならない.

 より少ない回数の 2 乗の計算で近似値を求めるために,次の新しい方針を考える.

方針2 近似値を,上の位から順に求める.各位には数字を 1 から小さい順にあてはめて 2 乗し, 3 を超えるかどうかを調べる.

 最初に次のように, 1 から 1 ずつ増やしながら, 2 乗して 3 を超えるかどうかを調べることで, 1 の位を求める.

1×1=1

2×2=4

 これより, 2 乗の計算を 2 回行うことで, 1 の位は 1 であると分かる.次に,小数第一位を求める.これは次のように, 1.1 から 0.1 ずつ増やしながら, 2 乗して 3 を超えるかどうかを調べて求める.

1.1×1.1=1.21

1.7×1.7= 2.89

1.8×1.8= 3.24

これより,小数部分の桁数が 1 桁である数の 2 乗の計算を 回行うことで,小数第一位が分かる.最後に,同様にして小数第二位を求めることで, 3 の正の平方根の近似値であると分かる.

 方針2で 3 の正の平方根の近似値が見つかるまでに行う 2 乗の計算回数は,それぞれの位の数を求めるのに行った 2 乗の計算回数の和である.したがって,この方法では 3 の正の平方根の近似値が見つかるまでに 2 乗の計算を 回行う.

問2  100 未満の自然数の正の平方根は 0 より大きく, 10 未満であることが分かっている.以降では, 100 未満の自然数 X の正の平方根の近似値を求める手続きを作る.以下の空欄 にあてはまるものを解答群から選びなさい.

 まず,方針1に従って求める手続きを作る.問1で 3 の正の平方根を求めた例で,答(求める近似値)の次の数まで計算したことに注意すると,この手続きは図1のようになる.

(01) kotae 0.01

(02)  X が成り立つ間,

(03)  | kotae kotae +

(04) を繰り返す

(05) kotae -0.01 を表示する

図1:方針1に従って求める手続き

 次に,方針2に従って求める手続きを作る.この手続きは図2のようになる.

(01) kotae 0.00

(02) tasukazu 1.00

(03) keta 0 から 2 まで 1 ずつ増やしながら,

(04)  | kotae kotae + tasukazu

(05)  | X が成り立つ間,

(06)  || kotae kotae +

(07)  | を繰り返す

(08)  | kotae kotae - tasukazu

(09)  | tasukazu tasukazu +

(10) を繰り返す

(11)  を表示する

図2:方針2に従って求める手続き

の解答群

  1   10   0.1   0.01
 kotae  tasukazu  keta  kotae × kotae

2021 高知工科大学 総合選抜情報学群プログラミング

B区分

A区分【1】の類題

易□ 並□ 難□

【1】 以下の問1〜3のすべてに答えなさい.

 自然数の正の平方根の近似値を求める手続きを作りたい.この問題では,自然数の正の平方根の近似値を,その自然数の正の平方根の小数第三位を切り捨てた数とする.そのような数は,小数部分の桁数が 2 桁である正の数のなかで, 2 乗してその自然数を超えない最大の数である.

問1  3 の正の平方根の近似値を求める方法を考える.以下の空欄 にあてはまる数を答えなさい.

 次の方針で 3 の正の平方根の近似値を求める.

方針1 小数部分の桁数が 2 桁である正の数を 0.01 から小さい順に列挙し, 2 乗して 3 を超えるかどうか調べる. 2 乗して 3 を超えなかった最後の数が 3 の正の平方根の近似値である.

 この方針で,小数部分の桁数が 2 桁である正の数の 2 乗を順に計算すると,下のようになる.

0.01×0.01= 0.0001

0.02×0.02=

1.73×1.73= 2.9929

1.74×1.74= 3.0276

 これより, 3 の正の平方根の近似値であると分かる.この方法では 3 の正の平方根の近似値が見つかるまでに 2 乗の計算を 回行わなければならない.

 より少ない回数の 2 乗の計算で近似値を求めるために,次の新しい方針を考える.

方針2 近似値を,上の位から順に求める.各位には数字を 1 から小さい順にあてはめて 2 乗し, 3 を超えるかどうかを調べる.

 最初に次のように, 1 から 1 ずつ増やしながら, 2 乗して 3 を超えるかどうかを調べることで, 1 の位を求める.

1×1=1

2×2=4

 これより, 2 乗の計算を 2 回行うことで, 1 の位は 1 であると分かる.次に,小数第一位を求める.これは次のように, 1.1 から 0.1 ずつ増やしながら, 2 乗して 3 を超えるかどうかを調べて求める.

1.1×1.1=1.21

1.7×1.7= 2.89

1.8×1.8= 3.24

これより,小数部分の桁数が 1 桁である数の 2 乗の計算を 回行うことで,小数第一位が分かる.最後に,同様にして小数第二位を求めることで, 3 の正の平方根の近似値であると分かる.

 方針2で 3 の正の平方根の近似値が見つかるまでに行う 2 乗の計算回数は,それぞれの位の数を求めるのに行った 2 乗の計算回数の和である.したがって,この方法では 3 の正の平方根の近似値が見つかるまでに 2 乗の計算を 回行う.

問2  100 未満の自然数の正の平方根は 0 より大きく, 10 未満であることが分かっている.以降では, 100 未満の自然数 X の正の平方根の近似値を求める手続きを作る.以下の空欄 にあてはまるものを解答群から選びなさい.

 まず,方針1に従って求める手続きを作る.問1で 3 の正の平方根を求めた例で,答(求める近似値)の次の数まで計算したことに注意すると,この手続きは図1のようになる.

(01) kotae 0.01

(02)  X が成り立つ間,

(03)  | kotae kotae +

(04) を繰り返す

(05) kotae -0.01 を表示する

図1:方針1に従って求める手続き

 次に,方針2に従って求める手続きを作る.この手続きは図2のようになる.

(01) kotae 0.00

(02) tasukazu 1.00

(03) keta 0 から 2 まで 1 ずつ増やしながら,

(04)  | kotae kotae + tasukazu

(05)  | X が成り立つ間,

(06)  || kotae kotae +

(07)  | を繰り返す

(08)  | kotae kotae - tasukazu

(09)  | tasukazu tasukazu +

(10) を繰り返す

(11)  を表示する

図2:方針2に従って求める手続き

の解答群

  1   10   0.1   0.01
 kotae  tasukazu  keta  kotae × kotae

問3 次の方針3でも, 100 未満の自然数 X の正の平方根の近似値を求めることができる.

方針3 まず, X の正の平方根の近似値が存在する範囲を 0.01 以上 10.00 未満とする.範囲を中央値付近で 2 つに分け,近似値がどちらにあるかを調べることで,範囲を半分に狭める.これを,範囲が十分に狭くなるまで繰り返す.

 この方針に従って求める手続きは図3のようになる.変数uesitatyuuouには小数部分が 2 桁である数が入る.次の(1)〜(4)に答えなさい.

(01) ue 10.00

(02) sita 0.01

(03) ue - sita > 0.01 が成り立つ間,

(04)  | tyuuou ( ue + sita )÷2 の小数第三位を切り捨てる

(05)  | もしtyuuou × tyuuou X ならば

(06)  || sita tyuuou

(07)  | そうでなければ

(08)  || ue tyuuou

(09)  | を実行する

(10) を繰り返す

(11)  を表示する

図3:方針3に従って求める手続き

(1) 図3の手続きで 3 の正の平方根の近似値を求めるとき, 1 回目から 4 回目について(04)行目を実行する直前の変数uesitaの値を答えなさい.

(2) 変数uesitaについての不等式sita × sita X< ue × ueを条件 と呼ぶことにする.(04)行目の実行直前に条件 が成り立っていれば,(05)行目から(09)行目の実行直後にも条件 が成り立っていることを示す.以下の空欄 に入れるべきものを < = > から選びなさい.同じ記号を複数回選んでもよい.

 (04)行目の実行直前に条件 が成り立っているとする.(04)行目では変数uesitaの値は変化しないので,(04)行目の実行直後も条件 は保存される.(05)行目の条件が成立したとき,tyuuou × tyuuou X が成り立つので,(06)行目の実行直後でもsita × sita X が成り立つ.変数ueの値は(06)行目の実行で変化しないので X ue × ueも成り立つ.また,(05)行目の条件が成立しなかったとき,tyuuou × tyuuou X が成り立つので,(08)行目の実行直後でも X ue × ueが成り立つ.変数sitaの値は(08)行目の実行で変化しないのでsita × sita X も成り立つ.したがって,(05)行目から(09)行目の実行直後にも条件 が成り立つ.

(3) 図3の手続きの中の に入る変数を答えなさい.また,その変数の値が,小数部分の桁数が 2 桁である正の数の中で X の正の平方根を超えない最大の数である理由を答えなさい.ただし,以下の性質は証明なしに使ってよい.

性質1 図3の手続きの(05)行目から(09)行目の実行直後では,常に条件 が成り立つ.

(4) 図3の手続きで(05)行目の 2 乗の計算が行われる回数は 10 回以下である.その理由を答えなさい.

inserted by FC2 system