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自然数の正の平方根の近似値を求める手続きを作りたい.この問題では,自然数の正の平方根の近似値を,その自然数の正の平方根の小数第三位を切り捨てた数とする.そのような数は,小数部分の桁数が桁である正の数のなかで,乗してその自然数を超えない最大の数である.
問1 の正の平方根の近似値を求める方法を考える.以下の空欄にあてはまる数を答えなさい.
次の方針での正の平方根の近似値を求める.
方針1 小数部分の桁数が桁である正の数をから小さい順に列挙し,乗してを超えるかどうか調べる.乗してを超えなかった最後の数がの正の平方根の近似値である.
この方針で,小数部分の桁数が桁である正の数の乗を順に計算すると,下のようになる.
これより,がの正の平方根の近似値であると分かる.この方法ではの正の平方根の近似値が見つかるまでに乗の計算を回行わなければならない.
より少ない回数の乗の計算で近似値を求めるために,次の新しい方針を考える.
方針2 近似値を,上の位から順に求める.各位には数字をから小さい順にあてはめて乗し,を超えるかどうかを調べる.
最初に次のように,からずつ増やしながら,乗してを超えるかどうかを調べることで,の位を求める.
これより,乗の計算を回行うことで,の位はであると分かる.次に,小数第一位を求める.これは次のように,からずつ増やしながら,乗してを超えるかどうかを調べて求める.
これより,小数部分の桁数が桁である数の乗の計算を回行うことで,小数第一位が分かる.最後に,同様にして小数第二位を求めることで,がの正の平方根の近似値であると分かる.
方針2での正の平方根の近似値が見つかるまでに行う乗の計算回数は,それぞれの位の数を求めるのに行った乗の計算回数の和である.したがって,この方法ではの正の平方根の近似値が見つかるまでに乗の計算を回行う.
問2 未満の自然数の正の平方根はより大きく,未満であることが分かっている.以降では,未満の自然数の正の平方根の近似値を求める手続きを作る.以下の空欄にあてはまるものを解答群から選びなさい.
まず,方針1に従って求める手続きを作る.問1での正の平方根を求めた例で,答(求める近似値)の次の数まで計算したことに注意すると,この手続きは図1のようになる.
(01) kotae
(02) が成り立つ間,
(03) kotae
kotae
(04) を繰り返す
(05) kotae
を表示する
図1:方針1に従って求める手続き
次に,方針2に従って求める手続きを作る.この手続きは図2のようになる.
(01) kotae
(02) tasukazu
(03) keta
をからまでずつ増やしながら,
(04) kotae
kotae
tasukazu
(05) が成り立つ間,
(06) kotae
kotae
(07) を繰り返す
(08) kotae
kotae
tasukazu
(09) tasukazu
tasukazu
(10) を繰り返す
(11) を表示する
図2:方針2に従って求める手続き
の解答群
kotae |
tasukazu |
keta |
kotae kotae |
自然数の正の平方根の近似値を求める手続きを作りたい.この問題では,自然数の正の平方根の近似値を,その自然数の正の平方根の小数第三位を切り捨てた数とする.そのような数は,小数部分の桁数が桁である正の数のなかで,乗してその自然数を超えない最大の数である.
問1 の正の平方根の近似値を求める方法を考える.以下の空欄にあてはまる数を答えなさい.
次の方針での正の平方根の近似値を求める.
方針1 小数部分の桁数が桁である正の数をから小さい順に列挙し,乗してを超えるかどうか調べる.乗してを超えなかった最後の数がの正の平方根の近似値である.
この方針で,小数部分の桁数が桁である正の数の乗を順に計算すると,下のようになる.
これより,がの正の平方根の近似値であると分かる.この方法ではの正の平方根の近似値が見つかるまでに乗の計算を回行わなければならない.
より少ない回数の乗の計算で近似値を求めるために,次の新しい方針を考える.
方針2 近似値を,上の位から順に求める.各位には数字をから小さい順にあてはめて乗し,を超えるかどうかを調べる.
最初に次のように,からずつ増やしながら,乗してを超えるかどうかを調べることで,の位を求める.
これより,乗の計算を回行うことで,の位はであると分かる.次に,小数第一位を求める.これは次のように,からずつ増やしながら,乗してを超えるかどうかを調べて求める.
これより,小数部分の桁数が桁である数の乗の計算を回行うことで,小数第一位が分かる.最後に,同様にして小数第二位を求めることで,がの正の平方根の近似値であると分かる.
方針2での正の平方根の近似値が見つかるまでに行う乗の計算回数は,それぞれの位の数を求めるのに行った乗の計算回数の和である.したがって,この方法ではの正の平方根の近似値が見つかるまでに乗の計算を回行う.
問2 未満の自然数の正の平方根はより大きく,未満であることが分かっている.以降では,未満の自然数の正の平方根の近似値を求める手続きを作る.以下の空欄にあてはまるものを解答群から選びなさい.
まず,方針1に従って求める手続きを作る.問1での正の平方根を求めた例で,答(求める近似値)の次の数まで計算したことに注意すると,この手続きは図1のようになる.
(01) kotae
(02) が成り立つ間,
(03) kotae
kotae
(04) を繰り返す
(05) kotae
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図1:方針1に従って求める手続き
次に,方針2に従って求める手続きを作る.この手続きは図2のようになる.
(01) kotae
(02) tasukazu
(03) keta
をからまでずつ増やしながら,
(04) kotae
kotae
tasukazu
(05) が成り立つ間,
(06) kotae
kotae
(07) を繰り返す
(08) kotae
kotae
tasukazu
(09) tasukazu
tasukazu
(10) を繰り返す
(11) を表示する
図2:方針2に従って求める手続き
の解答群
kotae |
tasukazu |
keta |
kotae kotae |
問3 次の方針3でも,未満の自然数の正の平方根の近似値を求めることができる.
方針3 まず,の正の平方根の近似値が存在する範囲を以上未満とする.範囲を中央値付近でつに分け,近似値がどちらにあるかを調べることで,範囲を半分に狭める.これを,範囲が十分に狭くなるまで繰り返す.
この方針に従って求める手続きは図3のようになる.変数ue
,sita
,tyuuou
には小数部分が桁である数が入る.次の(1)〜(4)に答えなさい.
(01) ue
(02) sita
(03) ue
sita
が成り立つ間,
(04) tyuuou
ue
sita
の小数第三位を切り捨てる
(05) もしtyuuou
tyuuou
ならば
(06) sita
tyuuou
(07) そうでなければ
(08) ue
tyuuou
(09) を実行する
(10) を繰り返す
(11) を表示する
図3:方針3に従って求める手続き
(1) 図3の手続きでの正の平方根の近似値を求めるとき,回目から回目について(04)行目を実行する直前の変数ue
とsita
の値を答えなさい.
(2) 変数ue
とsita
についての不等式sita
sita
ue
ue
を条件と呼ぶことにする.(04)行目の実行直前に条件が成り立っていれば,(05)行目から(09)行目の実行直後にも条件が成り立っていることを示す.以下の空欄に入れるべきものをから選びなさい.同じ記号を複数回選んでもよい.
(04)行目の実行直前に条件が成り立っているとする.(04)行目では変数ue
とsita
の値は変化しないので,(04)行目の実行直後も条件は保存される.(05)行目の条件が成立したとき,tyuuou
tyuuou
が成り立つので,(06)行目の実行直後でもsita
sita
が成り立つ.変数ue
の値は(06)行目の実行で変化しないのでue
ue
も成り立つ.また,(05)行目の条件が成立しなかったとき,tyuuou
tyuuou
が成り立つので,(08)行目の実行直後でもue
ue
が成り立つ.変数sita
の値は(08)行目の実行で変化しないのでsita
sita
も成り立つ.したがって,(05)行目から(09)行目の実行直後にも条件が成り立つ.
(3) 図3の手続きの中のに入る変数を答えなさい.また,その変数の値が,小数部分の桁数が桁である正の数の中での正の平方根を超えない最大の数である理由を答えなさい.ただし,以下の性質は証明なしに使ってよい.
性質1 図3の手続きの(05)行目から(09)行目の実行直後では,常に条件が成り立つ.
(4) 図3の手続きで(05)行目の乗の計算が行われる回数は回以下である.その理由を答えなさい.