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【2】 トランプを使って行うゲームの一つであるポーカーは,プレイヤーのもつ枚のカードの組合せの強さを競うゲームである.トランプはジョーカーを除いた,スペード()・クラブ()・ダイヤモンド()・ハート()の4 つのスート(あるいはスーツとも呼ばれる)のそれぞれにからまでの数が書かれた枚のカードからなる(の代わりに,の記号を用いることが多い).
枚のカードの組合せには,強い順に以下の種類がある.
・ストレートフラッシュ:同じスートのカードが枚順番に並ぶ
・フォーカード:同じ数のカードが枚揃い,それ以外のカードが枚
・フルハウス:同じ数のカードが枚揃い,別の数のカードが枚揃う
・フラッシュ:同じスートのカードが枚揃うが,順番ではない
・ストレート:数が枚順番に並ぶが,スートはひとつに揃っていない
・スリーカード:同じ数のカードが枚揃うが,残り枚はそれぞれ別の数
・ツーペアー:同じ数のカードが枚揃う組がふたつ別の数であり,残りの枚もそれらとは別の数
・ワンペアー:同じ数のカードが枚揃い,残りはそれぞれ別の数
・カードハイ:上記以外
なお,をと考えてがストレートおよびストレートフラッシュとなるだけでなく,をに続く数と考えてもストレートおよびストレートフラッシュとして許す.しかし,を超えてのようにまで含めるものは許さない.
枚のカードから枚を抜き出す組合せの数は通りあるが,それがストレートフラッシュとなる組合せの数を求めてみよう.ストレートフラッシュの枚のカードの最小の数はのどれかであるから,それぞれのスートごとに通り考えられる.よって,通りのストレートフラッシュの組合せがある.また,ストレートについては,数は順番に並んでいるが,スートが揃っていない組合せの数なので通りある.
次に,フルハウスとなる組合せの数を求めてみよう.同じ数のカードが枚と枚のふたつの組があり,枚の組を選ぶ組合せは残りの枚のカードを選ぶ組合せはであるからフルハウスとなる組合せの数は通りである.ただしとする.
【3】(1) 各面が白色あるいは黒色で塗られた正四面体について,いずれかつの面を等確率で選択し,選択した面を除いたつの面の色を,白色であれば黒色に,黒色であれば白色に塗り直す試行を繰り返す.正四面体のすべての面が白色の状態から開始するとき
(a) つの面が白色,つの面が黒色になる最小の試行回数は回であり,この試行回数で同状態が実現する確率はである.
(b) すべての面が黒色になる最小の試行回数は回であり,この試行回数で同状態が実現する確率はである.
(2) 各面が白色あるいは黒色で塗られた立方体について,いずれかつの面を等確率で選択し,選択した面を除いたつの面の色を,白色であれば黒色に,黒色であれば白色に塗り直す試行を繰り返す.立方体のすべての面が白色の状態から開始するとき
(a) つの面が白色,つの面が黒色になる最小の試行回数は回であり,この試行回数で同状態が実現する確率はである.
(b) すべての面が黒色になる最小の試行回数は回であり,この試行回数で同状態が実現する確率はである.
【6】 ある国の有識者会議が,経済活性化に資する公共サービスの供給量と,医療・公衆衛生に関する公共サービスの供給量の組合せの検討を行っている.供給量の組合せは,予算やマンパワー,既存の法律など,さまざまな要因により,その実現可能性に制約を受け,次の不等式を満たすものとする.
供給量の組合せを軸と軸の次元座標で表わすと,実現可能な供給量の組合せの領域は,の範囲で(1)と(4)を満たすの部分の領域と,の範囲で(2)と(4)を満たすの部分の領域のつからなることが分かる.
いま,有識者会議の目標がの最大化であるとすると,供給量の組合せを
とする結論を得る.
次に,情勢の変化に伴って,上記の(1),(2),(3),(4)に新たな不等式
が加わったとすると,実現可能なの領域は,の範囲で(1)と(4)を満たすの部分の領域と,の範囲で(5)と(4)を満たすの部分の領域と,の範囲で(2)と(4)を満たすの部分の領域のつに分けることができる.また,政府の方針にそって,有識者会議の目標がの最大化に変更されたとすると,供給量の組合せを
とする結論を導くことになる.