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2022 大学入学共通テスト 本試
易□ 並□ 難□
[2] 太郎さんと花子さんは,次の命題Aが真であることを証明しようとしている.
命題A を実数とする.ならば,二つの次関数のグラフのうち,少なくとも一方は軸と共有点をもつ.
太郎:命題Aは,グラフと軸との共有点についての命題だね.
花子:とおいた次方程式の解の問題として命題Aを考えてみてはどうかな.
次方程式に解の公式を適用すると
となる.ここで,を
とおく.同様に,次方程式に対して,を
とおく.
のグラフのうち,少なくとも一方が軸と共有点をもつための必要十分条件は,である.つまり,命題Aの代わりに,次の命題Bを証明すればよい.
命題B を実数とする.ならば,が成り立つ.
太郎:とを用いて,命題Bをどうやって証明したらいいかな.
花子:結論を否定して,背理法を用いて証明したらどうかな.
背理法を用いて証明するには,が成り立たない,すなわちが成り立つと仮定して矛盾を導けばよい.
の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい.)
かつ | かつ |
かつ | かつ |
かつ | または |
または | または |
または | または |
が成り立つならば
が得られる.
一方,を用いると
が得られるので
となるが,これはに矛盾する.したがって,は成り立たない.よって,命題Bは真である.
の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい.)
の解答群
2022 大学入学共通テスト 本試
易□ 並□ 難□
参考図
[1] 以下の問題を解答するにあたっては,必要に応じて三角比の表を用いてもよい.
太郎さんと花子さんは,キャンプ場のガイドブックにある地図を見ながら,後のように話している.
太郎:キャンプ場の地点から山頂を見上げる角度はどれくらいかな.
花子:地図アプリを使って,地点と山頂を含む断面図を調べたら,図1のようになったよ.点は,山頂から地点を通る水平面に下ろした垂線とその水平面との交点のことだよ.
太郎:図1の角度は,の長さを定規で測って,三角比の表を用いて調べたらだったよ.
花子:本当になの?図1の鉛直方向の縮尺と水平方向の縮尺は等しいのかな?
図1
図1のはちょうどであったとする.しかし,図1の縮尺は,水平方向がであるのに対して,鉛直方向はであった.
実際にキャンプ場の地点から山頂を見上げる角であるを考えると,はとなる.したがって,の大きさはただし,目の高さは無視して考えるものとする.
の解答群
より大きくより小さい
ちょうどである
より大きくより小さい
ちょうどである
より大きくより小さい
ちょうどである
より大きくより小さい
より大きくより小さい
ちょうどである
より大きくより小さい
2022 大学入学共通テスト 本試
易□ 並□ 難□
の最大値や最小値について,二つの直線との関係に着目して考える.
との関係として,次のの場合について考える.
と軸との交点の座標をと軸との交点の座標をとする.のすべてにおいて,であり,は軸との部分で交わるものとする.また,ではとの交点の座標と座標はともに正であるとする.
以下,のとり得る値の範囲は実数全体とする.
(1) が具体的な値である場合を考える.
(ⅰ) について考える.であるとき,は,でをとる.
(ⅱ) について考える.であるとき,は,でをとる.
の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい.)
最大値 最小値
(2) のときのについて考える.がをの範囲でとるようなの値の範囲は
である.
(3) について,次のことが成り立つ.
・の最大値があるのは
・の最小値があり,その値が以上になるのは
・の最小値があり,その値をの範囲でとるのは
の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい.)
のみである
とのみである
とのみである.
とのみである
とのみである
のみである
のみである
のうちにはない
2022 大学入学共通テスト 本試
易□ 並□ 難□
花子さんと太郎さんは,次の二つの次方程式について考えている.
またはを満たす実数の個数をとおく.
(1) のとき, である.
また,のとき,である.
(2) のとき, になる場合を考える.
花子:例えば,とをともに満たす実数があるときはになりそうだね.
太郎:それをとしたら,とが成り立つよ.
花子:なるほど.それならば,を消去すれば,の値が求められそうだね.
太郎:確かにの値が求まるけど,実際にとなっているかどうかの確認が必要だね.
花子:これ以外にもとなる場合がありそうだね.
となるの値は
である.ただし,とする.
二人が相談
する様子の
図 省略
(3) 花子さんと太郎さんは,グラフ表示ソフトを用いて,の左辺をとおいた次関数とのグラフの動きを考えている.
に固定したまま,の値だけを変化させる.
の二つのグラフについて,のときのグラフを点線で,の値をから増加させたときのグラフを実線でそれぞれ表す.このとき,のグラフの移動の様子を示すととなり,のグラフの移動の様子を示すととなる.
については,最も適当なものを,次ののうちから一つずつ選べ.ただし,同じものを繰り返し選んでもよい.なお,軸と軸は省略しているが,軸は右方向,軸は上方向がそれぞれ正の方向である.
(4) とする.全体集合を実数全体の集合とし,の部分集合を
とする.の部分集合に対し,の補集合をと表す.このとき,次のことが成り立つ.
・は,であるための
・は,であるための
の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい.)
必要条件であるが,十分条件ではない
十分条件であるが,必要条件ではない
必要十分条件である
必要条件でも十分条件でもない
【4】 日本国外における日本語教育の状況を調べるために,独立行政法人国際交流基金では「海外日本語教育機関調査」を実施しており,各国における教育機関数,教員数,学習者数が調べられている.年度において学習者数が人以上の国と地域(以下,国)はか国であった.これらか国について,年度と年度のデータが得られている.
(1) 各国において,学習者数を教員数で割ることにより,国ごとの「教員人あたりの学習者数」を算出することができる.図1と図2は,年度および年度における「教員人あたりの学習者数」のヒストグラムである.これら二つのヒストグラムから,年間の変化に関して,後のことが読み取れる.なお,ヒストグラムの各階級の区間は,左側の数値を含み,右側の数値を含まない.
図1 年度における教員人あたりの学習者数のヒストグラム |
図2 年度における教員人あたりの学習者数のヒストグラム |
(出典:国際交流基金のWebページにより作成)
•年度と年度の中央値が含まれる階級の階級値を比較すると,
・年度と年度の第四分位数が含まれる階級の階級値を比較すると,
・年度と年度の第四分位数が含まれる階級の階級値を比較すると,
・年度と年度の範囲を比較すると,
・年度と年度の四分位範囲を比較すると,
の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい.)
年度の方が小さい
年度の方が大きい
両者は等しい
これら二つのヒストグラムからだけでは両者の大小を判断できない
(2) 各国において,学習者数を教育機関数で割ることにより,「教育機関機関あたりの学習者数」も算出した.図3は,年度における「教育機関機関あたりの学習者数」の箱ひげ図である.
図3 年度における教育機関機関あたりの学習者数の箱ひげ図
(出典:国際交流基金のWebページにより作成)
年度について,「教育機関機関あたりの学習者数」(横軸)と「教員人あたりの学習者数」(縦軸)の散布図はである.ここで,年度における「教員人あたりの学習者数」のヒストグラムである(1)の図1を,図4として再掲しておく.
図4 年度における教員人あたりの学習者数のヒストグラム
(出典:国際交流基金のWebページにより作成)
については,最も適当なものを,次ののうちから一つ選べ.なお,これらの散布図には,完全に重なっている点はない.
(3) 各国における年度の学習者数をとしたときの年度の学習者数および,各国における年度の教員数をとしたときの年度の教員数を算出した.
例えば,学習者数について説明すると,ある国において,年度が人,年度が人であった場合,年度の学習者数はよりと算出される.
表1はとについて,平均値,標準偏差および共分散を計算したものである.ただし,との共分散は,の偏差との偏差の積の平均値である.
表1平均値,標準偏差および共分散
の 平均値 |
の 平均値 |
の 標準偏差 |
の 標準偏差 |
との 共分散 |
表1の数値が四捨五入していない正確な値であるとして,との相関係数を求めるとである.
(4) 表1と(3)で求めた相関係数を参考にすると,(3)で算出した年度の(横軸)と(縦軸)の散布図はである.
については,最も適当なものを,次ののうちから一つ選べ.なお,これらの散布図には,完全に重なっている点はない.
表2 学習者数が人以上
人未満のか国
国名 | 教員人 あたりの学 習者数(人) |
スイス | |
パラグアイ | |
バングラデシュ | |
ポーランド | |
ペルー | |
トルクメニスタン | |
コートジボワール |
(5) 年度において,学習者数が人以上人未満の国は表2のか国であった.これらの国々について「教員人あたりの学習者数」を算出した.
学習者数が人以上のか国に,表2のか国を加えたか国の「教員人あたりの学習者数」について,後の表3の度数分布表のに当てはまる度数を求め,表3を完成させよ.ここで,か国の「教員人あたりの学習者数」のヒストグラムである(1)の図2を,図5として再掲しておく.
図5 か国の年度における教員
人あたりの学習者数のヒストグラム
(出典:国際交流基金のWeb
ページにより作成)
表3 度数分布表
階級(人) | 度数 (国数) |
以上未満 | |
以上未満 | |
以上未満 | |
以上未満 | |
以上未満 | |
以上未満 | |
以上未満 | |
以上未満 |
表4は,か国とか国のそれぞれの群の「教員人あたりの学習者数」の,平均値と標準偏差である.なお,ここでの平均値および標準偏差は,国ごとの「教員人あたりの学習者数」に対して算出したものとする.以下,同様とする.
表4 教員人あたりの学習者数の平均値と標準偏差
平均値 | 標準偏差 | |
学習者数が人以上のか国 | ||
学習者数が人以上人未満のか国 |
表4より,これらを合わせたか国の「教員人あたりの学習者数」の平均値を算出する式はである.
については,最も適当なものを,次ののうちから一つ選べ.
次の(Ⅰ),(Ⅱ)は,「教員人あたりの学習者数」についての記述である.
(Ⅰ) か国の「教員人あたりの学習者数」の平均値は,か国の「教員人あたりの学習者数」の平均値より小さい.
(Ⅱ) か国の「教員人あたりの学習者数」の分散は,か国の「教員人あたりの学習者数」の分散より小さい.
(Ⅰ),(Ⅱ)の正誤の組合せとして正しいものはである.
の解答群
(Ⅰ) | 正 | 正 | 誤 | 誤 |
(Ⅱ) | 正 | 誤 | 正 | 誤 |
2022 大学入学共通テスト 本試
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2022 大学入学共通テスト 本試
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[2] 日本国外における日本語教育の状況を調べるために,独立行政法人国際交流基金では「海外日本語教育機関調査」を実施しており,各国における教育機関数,教員数,学習者数が調べられている.年度において学習者数が人以上の国と地域(以下,国)はか国であった.これらか国について,年度と年度のデータが得られている.
(1) 各国において,学習者数を教員数で割ることにより,国ごとの「教員人あたりの学習者数」を算出することができる.図1と図2は,年度および年度における「教員人あたりの学習者数」のヒストグラムである.これら二つのヒストグラムから,年間の変化に関して,後のことが読み取れる.なお,ヒストグラムの各階級の区間は,左側の数値を含み,右側の数値を含まない.
図1 年度における教員人あたりの学習者数のヒストグラム |
図2 年度における教員人あたりの学習者数のヒストグラム |
(出典:国際交流基金のWebページにより作成)
•年度と年度の中央値が含まれる階級の階級値を比較すると,
・年度と年度の第四分位数が含まれる階級の階級値を比較すると,
・年度と年度の第四分位数が含まれる階級の階級値を比較すると,
・年度と年度の範囲を比較すると,
・年度と年度の四分位範囲を比較すると,
の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい.)
年度の方が小さい
年度の方が大きい
両者は等しい
これら二つのヒストグラムからだけでは両者の大小を判断できない
(2) 各国において,学習者数を教育機関数で割ることにより,「教育機関機関あたりの学習者数」も算出した.図3は,年度における「教育機関機関あたりの学習者数」の箱ひげ図である.
図3 年度における教育機関機関あたりの学習者数の箱ひげ図
(出典:国際交流基金のWebページにより作成)
年度について,「教育機関機関あたりの学習者数」(横軸)と「教員人あたりの学習者数」(縦軸)の散布図はである.ここで,年度における「教員人あたりの学習者数」のヒストグラムである(1)の図1を,図4として再掲しておく.
図4 年度における教員人あたりの学習者数のヒストグラム
(出典:国際交流基金のWebページにより作成)
については,最も適当なものを,次ののうちから一つ選べ.なお,これらの散布図には,完全に重なっている点はない.
(3) 各国における年度の学習者数をとしたときの年度の学習者数および,各国における年度の教員数をとしたときの年度の教員数を算出した.
例えば,学習者数について説明すると,ある国において,年度が人,年度が人であった場合,年度の学習者数はよりと算出される.
表1はとについて,平均値,標準偏差および共分散を計算したものである.ただし,との共分散は,の偏差との偏差の積の平均値である.
表1平均値,標準偏差および共分散
の 平均値 |
の 平均値 |
の 標準偏差 |
の 標準偏差 |
と の共分散 |
表1の数値が四捨五入していない正確な値であるとして,との相関係数を求めるとである.
(4) 表1と(3)で求めた相関係数を参考にすると,(3)で算出した年度の(横軸)と(縦軸)の散布図はである.
については,最も適当なものを,次ののうちから一つ選べ.なお,これらの散布図には,完全に重なっている点はない.
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【3】 複数人がそれぞれプレゼントを一つずつ持ち寄り,交換会を開く.ただし,プレゼントはすべて異なるとする.プレゼントの交換は次の手順で行う.
手順
外見が同じ袋を人数分用意し,各袋にプレゼントを一つずつ入れたうえで,各参加者に袋を一つずつでたらめに配る.各参加者は配られた袋の中のプレゼントを受け取る.
交換の結果,人でも自分の持参したプレゼントを受け取った場合は,交換をやり直す.そして,全員が自分以外の人の持参したプレゼントを受け取ったところで交換会を終了する.
(1) 人または人で交換会を開く場合を考える.
(ⅰ) 人で交換会を開く場合,回目の交換で交換会が終了するプレゼントの受け取り方は通りある.したがって,回目の交換で交換会が終了する確率はである.
(ⅱ) 人で交換会を開く場合,回目の交換で交換会が終了するプレゼントの受け取り方は通りある.したがって,回目の交換で交換会が終了する確率はである.
(ⅲ) 人で交換会を開く場合,回以下の交換で交換会が終了する確率はである.
(2) 人で交換会を開く場合,回目の交換で交換会が終了する確率を次の構想に基づいて求めてみよう.
構想
回目の交換で交換会が終了しないプレゼントの受け取り方の総数を求める.そのために,自分の持参したプレゼントを受け取る人数によって場合分けをする.
回目の交換で,人のうち,ちょうど人が自分の持参したプレゼントを受け取る場合は通りあり,ちょうど人が自分のプレゼントを受け取る場合は通りある.このように考えていくと,回目のプレゼントの受け取り方のうち,回目の交換で交換会が終了しない受け取り方の総数はである.
したがって,回目の交換で交換会が終了する確率はである.
(3) 人で交換会を開く場合,回目の交換で交換会が終了する確率はである.
(4) の人が交換会を開く.回目の交換でがそれぞれ自分以外の人の持参したプレゼントを受け取ったとき,その回で交換会が終了する条件付き確率はである.
【4】(1) をで割ったときの余りはに等しい.このことを用いると,不定方程式
の整数解のうち,が正の整数で最小になるのは
であることがわかる.
また,の整数解のうち,が桁の正の整数で最小になるのは
である.
(2) 次に,をで割ったときの余りと,で割ったときの余りについて考えてみよう.
まず
であり,また,とすると
である.これらより,をで割ったときの余りと,で割ったときの余りがわかる.
(3) (2)の考察は,不定方程式
の整数解を調べるために利用できる.
をの整数解とする.はの倍数であり,で割ったときの余りはとなる.よって,(2)により,はでもでも割り切れる.とは互いに素なので,はの倍数である.
このことから,の整数解のうち,が桁の正の整数で最小になるのは
であることがわかる.
(4) をで割ったときの余りはに等しい.不定方程式
の整数解のうち,が正の整数で最小になるのは
である.
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