1930　松江高等学校入学選抜試験MathJax

【１】　五位の整数あり其奇数番目の数字の和と偶数番目の数字の和との差が$11$にて整除せらるるときは元の整数も亦$11$にて整除せらるることを証明せよ．

【２】　$a\text{，}b\text{，}c$が実数にして悉くは相等からざるとき，次の方程式の根は実数なることを証明せよ．

${\displaystyle \frac{1}{x-a}}+{\displaystyle \frac{1}{x-b}}+{\displaystyle \frac{1}{x-c}}=0$

【３】　直角三角形あり其三辺の長さは連続する三つの整数に比例すると云ふ連続する三つの整数とは如何なる数か．

【４】　次の連立方程式を解け．

${\displaystyle \frac{\sqrt{x}-\sqrt{y}}{\sqrt{x}+\sqrt{y}}}+{\displaystyle \frac{\sqrt{x}+\sqrt{y}}{\sqrt{x}-\sqrt{y}}}={\displaystyle \frac{17}{4}}\text{，}$

$x^2+y^2=706$

【５】　旅人甲，$\mathrm{A}$地を発し$\mathrm{B}$地に向ひて初日に行くこと$1$里，第二日に行くこと$2$里，第三日に行くこと$3$里，斯の如く逐日増程進行せり．甲の出発より$5$日遅れて旅人乙も$\mathrm{A}$地を発し毎日$12$里の速さにて$\mathrm{B}$地に向へり．両人途中にて一所なる日は甲の出発したる日より幾日目なるか．$\mathrm{A}\text{，}\mathrm{B}$両地間の距離は$150$里あり．

【６】　円の直径$\mathrm{AB}$の一端$\mathrm{A}$に於ける切線上の一点$\mathrm{C}$より猶一つの切線$\mathrm{CD}$を引き其切点$\mathrm{D}$より$\mathrm{AB}$に下ろせる垂線の足を$\mathrm{E}$とせば線分$\mathrm{DE}$は直線$\mathrm{CB}$により二等分せらるることを証明せよ．

【７】　一点を過る三つの直線あり．此三直線に交る一つの直線を引き其切り取らるる二つの部分が二つの与へられたる線分に夫々相等しき様にするには如何にすべきか．

【８】　中心$\mathrm{O}$なる円に外接する不等辺四角形$\mathrm{ABCD}$の対角線$\mathrm{AC}$の中点を$\mathrm{E}$とせば$▵\mathrm{OBE}=▵\mathrm{ODE}$なることを証明せよ．