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1997 慶応義塾大学 環境情報学部

易□ 並□ 難□

【1】

(1)  x=cos θ とおけば, cos5 θ x に関して 次の整式で表される.その x の係数は である.

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易□ 並□ 難□

【1】

(2)  -12 | x( x-1) | dx=

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【1】

(3)  3log (x- 1) 2log (x+2 )+log 3 を満たす最小の整数 x である.

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易□ 並□ 難□

【2】 平面 x= 12 上の直線 ( 12 ,m t,t ) t は任意の実数, m は正の定数)を z 軸の回りで回転させて得られる曲面を F とする. F ( 0,1, 1) を通るとき m = である.さらに F と平面 z =±1 とで囲まれる領域を G とすれば, G の側面は平面 x =0 上の曲線

z2- y2 =- | z| 1

z 軸の回りに回転させて得られる曲面と一致する.このとき G の体積は

π -1 1 y2 dz=

となる.

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【3-2】との選択

易□ 並□ 難□

【3−1】 太郎君は 2 円,花子さんは 3 円持っている.いま,次のようなゲームをする.

 じゃんけんをし,太郎君が勝ったならば花子さんから 1 円もらえ,太郎君が負けたならば花子さんに 1 円を支払う.ただし,太郎君がじゃんけんに勝つ確率は 25 であり,どちらかの所持金が 0 となったときにその者が敗者となりゲームは終わる.

  An を太郎君の所持金が n 円となった時からスタートし,花子さんの所持金が 0 となる確率とする. A0 =0 A5 = である.このとき

An= A n+1 + A n-1 1n 4

が成立する.よって A n+1 -An = (A n-A n-1 ) である.このことから A5= A 1 および A2= A1 が得られる.よってこのゲームで太郎君が勝つ確率は である.

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【4】 次の文は,一個以上の正の数の中から最大値と最小値を求めるプログラムを作るための考え方を述べたものである.また,その文の後のプログラムはその結果としてできたものである.空欄に適切な解答を,最後の選択肢から選びその番号を解答欄に記入しなさい.

 正の数を次々と読み込み,これらの中から最大値と最小値を求めるには,読み込んだ正の数を記憶する変数 X ,最大値を記憶する変数 MAX ,最小値を記憶する変数 MIN が必要である.MAX MIN は最初に読み込んだ正数 X に初期化する.

 変数 X には,正の数が次々とキーボートから入力されるが,入力する数が無くなったならば,0 または負の数が入力される.

 変数 X に入力された数が MAX より大きいならば MAX の値を X とし,MIN より小さいならば MIN の値を X とする.その後,X のキーボート入力に戻る.

 変数 X に入力された数が 0 または負ならば,結果を印刷してプログラムを終了する.

選択肢



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易□ 並□ 難□

【4】 一つのサイコロを振って出た目の数の得点がもらえるゲームがある.ただし,出た目が気に入らなければ,一階だけ振り直すことを許すとする.このゲームでもらえる得点の期待値が最大となるようにふるまったとき,その期待値は である.同じルールで最高 2 回まで振り直すことができるとすると,このゲームの得点の期待値は である.

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【5】  n に関する数学的帰納法; n=0 1 2 3 に対して命題 P (n ) が成り立つことを証明するには,次のことを示せばよい.

(Ⅰ)  n=0 のとき成り立つ.

(Ⅱ)  nk のとき成り立つとすると, n=k+ 1 のときも成り立つ.

(ⅰ) このことを用いて次のオイラーの公式の証明を完成させなさい.

 平面上にある有限個の点とそれらを結ぶ互いに交わらない平面上の曲線からなる図形を平面グラフという.点を頂点,点を結ぶ曲線を辺と呼び,いくつかの辺によって囲まれた平面の有限領域であって,他の辺によって区切られていないものを面と呼ぶ.また平面グラフの任意の 2 点に対して,それらをそのグラフのいくつかの辺を用いて結ぶことができるとき,そのグラフは連結であるといい,そうでないとき非連結と呼ぶ.平面グラフ G に対して,その頂点の個数を VG 辺の個数を EG 面の個数を F G と書く.このとき連結な平面グラフ G に対してオイラーの公式

VG- EG+ FG= 1

が成立する.この公式は E G に関する数学的帰納法を用いて証明できる.

(Ⅰ)  EG= 0 すなわち, G が一点からなるとき, VG= EG =0 F G= より公式は成立する.

(Ⅱ)  EG k のとき公式が成り立つとすると, EG= k+1 のときも成り立つことを示す. G から任意の一辺を消去したグラフ G を考える.このとき G は連結となる場合と,二つの連結な部分 G1 G2 に分かれる場合が考えられる.前者を場合(A),後者を場合(B)とする.

場合(A):このとき

VG =V G+ EG =E G+ FG =F G+

である.

場合(B):このとき

VG1 + VG2 = VG+ EG 1 +EG 2= EG+ FG 1+ FG2 = FG+

である.

ここで G G1 G2 の辺の数が k 以下であることに注意すれば

VG -E G+ FG =1

(V G1 +V G2 )- (E G1 +EG 2 )+( FG1 + FG2 ) =2

となる.このことから場合(A)および場合(B)とも V G-E G+F G=1 を導くことができる.

 よって数学的帰納法により求める公式が示される.

(ⅱ) 連結な平面グラフ G の外側の無限領域も一つの面として数えれば,オイラーの公式は VG- EG+ FG=2 となる. G の各面が三辺以上からなるとすれば E G3 FG であり,オイラーの公式に代入すれば

EG VG-

を得る.

 いま,平面上に 5 点を置く.各点から残りの 4 点へ互いに交わらない曲線で結べた平面グラフが存在したとすると, VG= 5 EG= となり,これは上の不等式に矛盾する.したがってこのような平面グラフは存在しない.

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