2002　慶応義塾大学　環境情報学部MathJax

【１】　$4$角形$\mathrm{ABCD}$があり，$\angle \mathrm{A}=42°\text{，}\mathrm{BC}=10\text{，}\mathrm{CD}=4$とする．$4$角形の面積$S$が最大と成るときの$\angle \mathrm{C}$を下記の方法で求める．

　$\angle \mathrm{C}=\theta °$とおくと，$\mathrm{BD}$は$\theta$によってきまる．よって$S$が最大のとき，三角形$\mathrm{ABD}$の面積も$\mathrm{BD}$を固定したなかで最大となる．したがって$\mathrm{AB}=\mathrm{AD}$であり，この長さを$x$とすると

$S={\displaystyle \frac{1}{\boxed{\text{ア}}}}{x}^2\sin 42°+\boxed{\text{イ}}\sin \theta °$

となる．また$x$と$\theta$の関係は

$x^2={\displaystyle \frac{\boxed{\text{ウ}}+\boxed{\text{エ}}\cos \theta °}{{\sin }^{2}21°}}$

である．よって

$S=\boxed{\text{オ}}{\displaystyle \frac{\cos 21°}{\sin 21°}}-\boxed{\text{カ}}{\displaystyle \frac{1}{\sin 21°}}\cos (21°+\theta °)$

となる．このことから$\theta =\boxed{\text{キ}}$のとき$S$は最大となる．

【２】

(1)　$f(x)\text{，}g(x)$を多項式とする．$2$曲線$y=f(x)\text{，}y=g(x)$は，$x=\alpha$で共通の接線をもつとき，$x=\alpha$で接するという．このとき，$f(x)-g(x)$は${(x-\alpha )}^2$で割り切れる．ただし，直線の接線はそれ自身とする．

　いま，$f(x)=8x^3+6x+9$とし，$k$を定数とする．このとき，$2$曲線$y=f(x)\text{，}y=kx$は

$x={\left({\displaystyle \frac{\boxed{\text{ア}}}{\boxed{\text{イ}}}}\right)}^{\frac{1}{3}}$

で接する．また，$2$曲線$y=f(x)\text{，}y=k{x}^2$は

$x={\displaystyle \frac{\boxed{\text{ウ}}}{\boxed{\text{エ}}}}$

で接する．

【２】

(2)　点$(x,y)$が直線$2x+y=2$の上を動くとき，${\displaystyle \frac{1}{3}}{2}^{x+4}+2^{x+y}+{\displaystyle \frac{3}{2}}{2}^y$は

$2^x={\displaystyle \frac{\boxed{\text{オ}}}{\boxed{\text{カ}}}}\text{，}{2}^y={\displaystyle \frac{\boxed{\text{キ}}}{\boxed{\text{ク}}}}$

のとき最小値

${\displaystyle \frac{\boxed{\text{ケ}}}{\boxed{\text{コ}}}}$

をとる．

【３-１】(1)　$z=x+iy\text{，}x\ne 0\text{，}y\ne 0$とする．$z^4$が実数のとき$x$は$\pm \boxed{\text{イ}}y$のいずれかであり，$z^4$が$i$の実数倍のとき$x$は$\pm (\sqrt{\boxed{\text{ウ}}}\pm \boxed{\text{エ}})y$のいずれかである．

(2)　$1+i$の極形式は

$\sqrt{\boxed{\text{オ}}}(\cos \boxed{\text{カ}}°+i\sin \boxed{\text{キ}}°)$

である．また

${(1+i)}^{99}+{(1-i)}^{99}=-2^{\boxed{\text{ク}}}$

である．

【３-２】　次のプログラムの説明文の中の問ケから問スにおいて，与えられた選択肢から最も適切なものを選び，その番号を解答欄の$\boxed{\text{ケ}}$から$\boxed{\text{ス}}$に記入しなさい．空欄$\boxed{\text{セ}}$から$\boxed{\text{ナ}}$に対応する解答欄には解答の数字を記入しなさい．

100 DIM A(4)

110 FOR J = 1 TO 4

112  READ A(J)

114 NEXT J

120 FOR I = 1 TO 3

130  LET K = 1

140  FOR J = I + 1 TO 4

150  IF A(J) < A(K) THEN LET K = J

160  NEXT J

170  LET T = A(I)

180  LET A(I) = A(K)

190  LET A(K) = T

200  FOR J = 1 TO 4

210   PRINT A(J);

220  NEXT J

230  PRINT

240 NEXT I

300 DATA 5,3,7,3

400 END

　このプログラムは文番号 300 の DATA 文で与えた$4$個の数字を，文番号 110 から 114 により配列 A に読み込んだ後，｛問ケ：(1)小さい順　(2)大きい順　(3)でたらめ｝に整列させる．文番号 120 から 240 までの I に関する FOR 文では，A(1) から A(I) までを整列する．ここで，I は$1$から$3$まで変わるので，I に関する繰り返しが終わると，A(1) から A(3) までが整列する．この時，A(4) には A(1) から A(4) までの｛問コ：最小値　(2)最大値　(3)中間値｝が入ることになるので全体が整列することになる．

　文番号 130 の代入文で K の値は I の値に設定されるが，これは A(I) から A(4) までの｛問サ：(1)最小値　(2)最大値　(3)中間値｝がとりあえず A(I) にあるものとして設定したものである．文番号 140 から 160 の J に関する FOR 文の中で，A(I) から A(4) までの｛問シ：(1)最小値　(2)最大値　(3)中間値｝の位置を確定して K に入れる．その後，文番号 170 から 190 の命令文で A(I) の値と A(K) の値が入れ替わる．この結果，A(I) には，A(I) から A(4) までの｛問ス：(1)最小値　(2)最大値　(3)中間値｝が入ることになる．

　文番号 200 から 230 の文で表示される結果は以下の表の通りである．ただし，文番号 230 の PRINT 文は，次からの表示にそなえて改行を行なうためにある．

【４】　以下の空欄$\boxed{\text{ア}}\text{，}\boxed{\text{イ}}\text{，}\boxed{\text{キ}}\text{，}\boxed{\text{ク}}$に対応する解答欄には解答の数字を記入しなさい．残りの空欄には最も適切な解答を下の選択肢から選び，その番号を解答欄に記入しなさい．

　$1$と$2$を，$21121$のように重複を許して横に並べ，その和が$n$になるようにする．このような並べ方全体の集合を${\mathrm{S}}_n$とし，その要素の総数を$F_n$とする．たとえば

$F_5=\boxed{\text{ア}}\text{，}{F}_7=\boxed{\text{イ}}$

となる．$s\in {\mathrm{S}}_n$に現れる$1$と$2$の個数を$k$とすれば，$s$に現れる$2$の個数は$\boxed{\text{ウ}}$に等しい．ゆえに，$F_n$は

${}_{\boxed{\text{エ}}}C_{\boxed{\text{オ}}}\text{（}0\leqq n-k\leqq \boxed{\text{カ}}\leqq n\text{）}$

の和に等しい．

　$1\text{，}2\text{，}3$を$2113231$のように重複を許して横に並べ，その和が$n$になる並べ方全体の集合を${\mathrm{T}}_n$とし，その要素の総数を$G_n$とする．たとえば

$G_5=\boxed{\text{キ}}\text{，}{G}_7=\boxed{\text{ク}}$

となる．$t\in {\mathrm{T}}_n$に現れる$1\text{，}2\text{，}3$の個数を$k$とし，$2\text{，}3$の個数を$h$とする．このとき$G_n$は

${}_{k}C_{\boxed{\text{ケ}}}{}_{\boxed{\text{コ}}}C_{\boxed{\text{サ}}}\text{（}0\leqq \boxed{\text{シ}}\leqq h\leqq \boxed{\text{ス}}\leqq n\text{）}$

の和に等しい．

選択肢

• (1)　$k$
• (2)　$h$
• (3)　$n-k$
• (4)　$n-h$
• (5)　$n-k-h$
• (6)　$h+k$
• (7)　$2n-k$

【５】　$y=x^2$を$y$軸のまわりに回転して得られる曲面を内面とするワイングラスを用意する．いまワイングラスに球を入れたところ，$y$軸からの距離が$2cm$のところで球と内面が接した．このとき球の半径は

$\sqrt{{\displaystyle \frac{\boxed{\text{ア}}}{\boxed{\text{イ}}}}}cm$

である．また，球とワイングラスが囲む領域の体積は

${\displaystyle \frac{\pi }{12}}(\boxed{\text{ウ}}-\boxed{\text{エ}}\sqrt{\boxed{\text{オ}}}){cm}^3$

である．

　ただし，関数$x=g(y)\text{（}a\leqq y\leqq b\text{）}$を$y$軸のまわりに回転して得られる回転体の体積は

$\pi {\displaystyle {\int }_a^b}{g(y)}^{2}dy$

で与えられる．