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2004 慶応義塾大学 理工学部

2月14日実施

易□ 並□ 難□

【1】 底面の半径が a で高さが b の直円柱 A を考える.この直円柱 A を座標空間内の 2 つの平面 z= 0 z= b の間に,その中心軸が z 軸と重なるようにおく.また x 軸と点 (0, a,b) を含む平面を P とする.平面 P で,この直円柱 A を切ってできる 2 つの立体のうちで,点 ( 0, a2, b4 ) を含む方の立体を B とする. t を条件 0 ta をみたす実数とするとき,この立体 B を平面 y= t で切ったときの切り口の面積 S (t ) (ア) である.したがって,立体 B の体積 V= 0a S (t ) dt (イ) となる.

 さらに,この立体 B の側面(つまり,もともとは直円柱 A の側面であった部分)の面積 S1 (ウ) である.立体 B の底面(すなわち,平面 z= 0 の部分)の面積を S2 とする.ここで, S1 +S2 =3π π は円周率)の条件のもとで, a b を動かして立体 B の体積 V を最大にするには, a= (エ) b= (オ) と定めればよい.

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2月14日実施

易□ 並□ 難□

2004年慶応義塾大理工学部【2】の図

【2】 座標空間において, y 軸を回転軸として xy 平面を α (ラジアン)回転させて得られる平面を H とおく.ただし, y<0 である点 (0 ,y,0 ) から原点を見て反時計回りの向きを正の向きとし, 0<α < π2 とする.そして,平面 H xy 平面が交わってできる直線を l とする(右図参照).

  xy 平面上に y= sin2 x が描く曲線を考える.この曲線上の点 (x, y,0) における接線の単位方向ベクトルで x 成分が正であるものを PQ とおく.このとき, PQ の成分表示は x を用いると PQ = ( (カ) , (キ) ,0 ) である.さらに, z 軸と平行で点 P を通る直線が平面 H と交わる点を P とし, z 軸と平行で点 Q を通る直線が平面 H と交わる点を Q とする.こうして新たに得られるベクトル P Q は平面 H 上にあるので,その成分表示は x α を用いると, P Q = ( (カ) , (キ) , (ク) ) となる.

 以上のように成分表示された 2 つのベクトル PQ P Q のなす角を θ として sin θ x α を用いて表すと, sinθ = (ケ) である.よって,特に直線 l ( 1,0, 6 ) を通るときの θ のとり得る値の最小値は (コ) である.

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【3】 実数の閉区間 [0, 1]={ x| 0x 1} を定義域および値域とする関数

f(x )={ 2 x+ 12 (0 x 14 のとき ) -2x +3 2 ( 14 x 34 のとき) 2 x- 32 ( 34x 1 のとき)

を考える.この関数の 2 回の合成を f2 (x )=f (f( x)) また 3 回の合成を f 3( x)=f ( f2 (x) )= f(f (f( x))) とする.

(1)  x が閉区間 [0, 1] を動くとき, y=f2 (x ) および y= f3 (x) のグラフの概形をそれぞれ (サ) (シ) に描きなさい.



 さらに 4 以上の自然数 n に対して,関数 f (x) n 回の合成を f n( x)=f (f n-1 (x )) とする.また f 1( x)=f (x ) とおく.いま閉区間 [0 ,1] 内の点 c をひとつ決め,順に値 f 1( c) f2 (c ) f3 (c ) をみていく.このとき f 1( c)=c であれば c を周期 1 の点と呼ぶ. c が周期 1 の点ではなく,かつ m 2 として m 回の合成でその値がはじめて c になるとき,つまり条件

fj (c) c j=1 2 m-1 )かつ fm (c) =c

がみたされるとき, c を周期 m の点と呼ぶ.

(2) 閉区間 [0, 1] 内の周期 1 の点の個数は (ス) 個である.また周期 2 の点の個数は (セ) 個である.

(3)  m 3 以上の奇数としたとき,周期 m の点の個数を求めて (ソ) に記入し,さらにその答えを得た理由を (タ) に書きなさい.

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【4】 以下一般に,関数 y= f(x ) の第 k 次導関数を f (k) (x) と表す. f( 1) (x) f (x ) を表している.また f (0) (x )=f (x) とおく.

(1)  n 2 以上の整数とし, g(x ) x n 次式とする. m n より小さい正の整数とするとき,

g(k )( 0)=0 k=0 1 2 m-1

ならば, g(x ) (n- m) 次式 h (x) を用いて,

g(x )=h (x) xm

と表されることを証明し,それを (チ) に書きなさい.

(2)  p 2 以上の整数とする. (2p -1) 次式 f (x) で,条件

をみたすものを求めたい.まず g (x)= f(x +1) とおくと,条件(iii)より g (k) (0 )=0 k= 0 1 2 p-1 となる.そこで(1)の結果を用いれば, f( x)=r (x) ( x-1) p (ここで r (x) (p- 1) 次式)と表されることがわかる. r( x)= ap-1 x p-1 +a p-2 xp -2+ +a 1x+ a0 とおく.次に,条件(ⅱ)より (2 p-2 ) 次式 f (x ) に(1)の結果を用いれば,

f (x)= (2p -1) ap- 1( x-1) p-1 × (ツ)

がわかる.これらの式から, r(x ) r (x ) の関係式

(テ) =(2 p-1) ap -1 × (ツ)

が得られる.この関係式より,漸化式 a k= (ト) × ak- 1 k=1 2 p-1 が導かれる.この漸化式と条件(ⅰ)を用いて a k= (ナ) k=0 1 2 p- 1 が得られる.以上で, r(x ) したがって f (x) が求められた.

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【5】 正の整数 n に対して,

S(n )= 1+1 22 +13 2+ +1 n2

とおく.

(1)  1k< n をみたす整数 k n に対して,次の不等式が成り立つことを証明しなさい.

1 k+1 -1 n+1 <S (n)- S(k )< 1k- 1n

(2) すべての正の整数 n に対して,

S(n )<1.7

が成り立つことを証明しなさい.

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