Mathematics
Examination
Test
Archives
を考えると,立体は正四面体である.このとき,以下の設問に答えよ.
(ⅰ) 正四面体を平面に平行な平面で切ったときに出来る図形の面積をとすると,
と表され,はのとき最大値をとる.(このときの図形はペトリー多角形と呼ばれている.)さらに,
とおくと,は正四面体の体積となっている.
(ⅱ) 三角形三角形三角形三角形の重心をそれぞれとする.このとき,立体は再び,正四面体となる.(このことを,正四面体は自己双対であるという.)同様に,を自然数として,三角形三角形三角形三角形の重心をそれぞれとする.このとき,
である.
また,正四面体の表面積と体積は,それぞれ,
である.
【3】 企業と企業が,互いに競合する商品を販売しようとしている.両社は,販売する商品の特性を,ある程度の範囲の中から選ぶ事が可能である.また,消費者の好みもさまざまである.この状況での企業の戦略決定を,次のモデルで考えてみよう.
企業が販売する商品の特性を企業が販売する商品の特性を消費者の好みをで表す.ただし,それぞれのとり得る値の範囲は,
とする.企業とは,まず,特性とをそれぞれ決めるものとする.その結果は公表され,各企業は相手の企業が決めた特性も知るものとする.以下,の場合に限定して考察する.第段階として,企業は販売する商品の個あたりの販売価格(円)を決め,同様に企業は(円)を決める.ただし,販売価格のとり得る値の範囲は,とする.一方,好みを持つ消費者は,自分の好みと商品の特性および販売価格を考え合わせて,次のように商品を選択して購入するものとする.この消費者にとっての企業の商品の価値と企業の商品の価値が,とを正の定数として,
で定まるものとし,消費者は,自分にとっての価値が大きい方の商品を選択するものとする.問題の複雑化を避けるため,もし価値が等しければ,企業の商品を選択するものとする.また,いずれの場合でも,消費者は,選択した商品を必ず購入するものとする.
以下の設問において,太線の四角による表示のある問い,例えばやなど,に対してはのいずれかの文字が入る.を入れる場合はならばならばならばならばと解答しなさい.
(ⅰ) 消費者の選択に関する仮定から実数が定まり,好みを持つ消費者は,であれば企業の商品を選び,であれば企業の商品を選ぶことがわかる.の値をを用いて表すと,
となる.
(ⅱ) 次に,企業の売上高に相当する値を定める.はじめに記したように,消費者の好みはさまざまであり,その好みがとの間に分布していると考えている.その分布の仕方を特定すれば,各消費者の選択を集約することにより,各企業の売上高を定めることができる.ここでは,企業の売上高に相当する評価値と,企業の売上高に相当する評価値を,
と定め,これらの評価値を最大化する問題に置き換えて考える(ただし,は(ⅰ)で求めたものである).もう少し詳しく記すと,第段階における,であることを前提とした価格設定がどのようになるかをまず調べ,その決定の仕方を考慮に入れて,評価値が最大になる商品の特性を求める,という問題をいくつかのステップに分けて考える.
まず,をの関数と考える.ここで,をの関数と考えるということは,の式の中に含まれる以外の文字,すなわちはすべて定数と考える,ということである.この点に注意して,が最大値をとるの値をを用いて表すと,
となる.
(ⅲ) 同様にして,をの関数と考え,が最大値をとるの値をを用いて表すことができる.(ⅱ)の結果と合わせると,とについての連立次方程式が得られる.この連立方程式の解をととすると,において,はの関数として最大値をとり,同時に,はの関数として最大値をとることがわかる.の値をを用いて表すと,
となり,とに対するの値は,
と表される.
(ⅳ) 最後に,各企業の価格決定が今求めたとになることを前提として,企業は商品の特性を以下のように決定する.まず,として,をの関数と考える.次に,この関数が最大値をとるの値を求める.その値をとする.ここで,関数のグラフの概形を解答用紙の座標平面に描きなさい.ただし,関数の極値および極値をとるの値を明記する必要はありません.
(ⅴ) 企業もまったく同様にして,とし,をの関数と考えて,その関数が最大値をとるの値を求める.その値をとする.とが決まれば,それらに対するとも確定する.これらの値の組は当たられた仮定を満たし,企業とにとって,お互いに最適な戦略決定になっている.最終的に求められたそれぞれの値をを用いて表し,解答用紙の解答欄にある所定の位置に答えのみ記入しなさい.