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2013 島根大学 推薦I総合理工(情報・情報システム)学部情報

易□ 並□ 難□

2013年島根大推薦1総合理工学部情報【1】2013106810401の図

【1】  2 分木とは右図のように各頂点からつねに 2 本の辺が出ている構造である.

丸は頂点と呼ばれ,線は辺と呼ばれる.また一番上の黒い頂点は根と呼ばれ,下にある灰色の頂点は葉と呼ばれる.

この 2 分木は以下のように機能的に定義される:

基礎ステップ:ただひとつの頂点は 2 分木である.

帰納ステップ 2 つの 2 分木 T 1 T 2 の根と,新たに導入した 1 つの頂点とを辺で結んだものも 2 分木である.

(帰納ステップの様子については下図を参照せよ.)



2013年島根大推薦1総合理工学部情報【1】2013106810401の図 2013年島根大推薦1総合理工学部情報【1】2013106810401の図

このように定義される 2 分木 T の高さ h (T ) は頂点から葉までいくときに通る辺の数の最大値で,以下のように帰納的に定義される:

基礎ステップ:ただひとつの頂点からなる 2 分木 T の高さ h (T ) 0 である.

帰納ステップ 2 つの 2 分木 T 1 T 2 の高さを h ( T1) h ( T2 ) とすると,その 2 つの 2 分木から,上述の帰納的定義を使って作られる 2 分木 T の高さ h (T ) h (T )=max (h ( T1) ,h( T2) )+1 で定義される.ここで max (a ,b) a b の大きい方を値とする関数である.

このとき,以下の問に答えよ.すべての解答は解答用紙に記入すること.:

(a)  2 分木の頂点数 n (T ) の帰納的定義を述べよ.

(b)  2 分木の高さと頂点数に関する以下の不等式を帰納的に証明せよ.解答は以下の枠1)と2)に式や文を記入して証明を完成することで示せ.各枠の中には複数の式や文を記入してよい.

n( T) 2h (T) +1

証明:

基礎ステップ:ただひとつの頂点からなる 2 分木 T に対しては,

1)

となり,問題文の不等式は成り立つ.

帰納ステップ 2 つの 2 分木 T 1 T 2 に対して不等式が成り立っていると仮定する.このとき, 2 分木の定義の帰納ステップを使って T 1 T 2 から新たに作られる 2 分木 T に対しては,

2)

となり,やはり問題文の不等式は成り立つ.

以上より,すべての 2 分木に対して問題文の不等式が成り立つことが示された.(証明終わり)



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易□ 並□ 難□

【2】 有限個の数を順序付けして並べたものを列と呼ぶ.以下では,列 A に対して, A に含まれている数を小さい方から並べた列 B を作り出す方法について考える.数はすべて整数とする.列は ( ) 内に,数を順に左から並べて表現する.例えば, (11 ,8,7 ) は, 3 つの数を含む列であり, 1 番目の数は 11 2 番目の数は 8 3 番目の数は 7 である.

 具体的な方法は以下のようになる.例えば,列 A =(6 ,5,8 ,7 ) に対してこの方法を使うと,列 B =(5 ,6,7 ,8 ) が得られる.

❲列 A から列 B を作り出す方法❳

・まず,列 A 1 番目の数を取り出して,その数のみからなる列 B を作る.

・次に,以下の操作を列 A 中の数がなくなるまで繰り返す.

A 1 番目の数を取り出して,列 B へ移す.このとき,列 B 中で数が小さい方から並ぶようになる場所を見つけて, A から取り出した数を入れる.具体的には,列 B 1 番目の数, 2 番目の数, と順に大小比較を繰り返して, A から取り出した数よりも,大きい数が見つかった場合は,その直前に挿入し,見つからなかった場合は, B の最後に付け加える.

(a) 上記の方法について述べた次の文章について,    内を適当な数字または記号で埋めて,答えを解答用紙に記せ.

 列 A =(3 ,1,2 ,4) を考える.まず,列 A 1 番目の数を取り出して,列 B を作ると B =(3 ) となる.また,列 A からは, 3 を取り出すので, A=( 1,2, 4) となる.

 次に,列 A から 1 番目の数である 1 を取り出して,列 B へ移す.このとき, 1 と列 B 1 番目の数 3 を大小比較する. 1 3 より小さいので, 3 の直前に挿入する.つまり B =(1 ,3) となる. A からは 1 を取り出したので, A=( 2,4 ) となる, 1 を移すときに必要となる大小比較の回数は 1 回となる.

 続いて, A 1 番目の数 2 を取り出して,列 B へ移す.まず, 2 B 1 番目の数 1 と大小比較して,次に B 2 番目の数 3 と比較する. 2 3 より小さいので,結局 B = となる.また, A からは 2 を取り出したので, A= となる. 2 を移すときに必要となる大小比較の回数は 回となる.

 最後にもう一度 A 1 番目の数を取り出して,列 B に移す. B の要素の 1 番目から順に大小比較をしていくと,最終的に列 B ( 1,2, 3,4 ) となる. A には数が残っていないため,終了となる. A の最後の数を B に移す時に必要となる大小比較の回数は 回となる.

(b) 列 A =(1, 2,3, 4) に対して上記の方法を使って列 B を作ると,大小比較は合計何回行われることになるか.

(c) 列 A =(n ,n-1 ,,2 ,1) は, 1 から n n 2 までの n 個の数が,大きい方から順に並べられた列である.上記の方法を使って列 B を作ると,大小比較は合計何回行われることになるか. n を使って示せ.また,なぜそのような結果が得られたかを説明せよ.

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【3】  n 105 の倍数とする. 1 から n までの整数で, 3 の倍数でも 5 の倍数でも 7 の倍数でもない数が 144 個存在するとき, n はいくらか?またその理由を説明しなさい.

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【4】 以下の問に答えよ.

2013年島根大推薦1総合理工学部情報【4】2013106810404a.gif

図 回転する座標

(a) 右図のように座標 x y に対して座標 X Y が一定の回転速度で回転しているとする.回転の中心は両座標に共通の原点 O とする. x 軸と X 軸とのなす角が θ のとき,座標 X Y において ( a,b ) という座標を持つ点は,座標 x y においてはどのような座標をもつか答えよ.

(b) 座標 x y において, (p ,q) という座標を持つ点は,座標 X Y においてはどのような座標を持つか答えよ.



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