【1】 数列の各項はのいずれかの値から選ばれるものとする.この数列を用いて,数列を以下のように定めるものとする.
の値が選ばれたとき,に対して,はで定まる.これをステップと呼ぶ.つぎにの値が選ばれたとき,ステップで定まったに対して,はで定まる.これをステップと呼ぶ.このルールを繰り返し,任意のステップに対して,の値が選ばれたとき,は漸化式に従って定まるものとする.
このとき,つぎの関数を最小にする数列を求めることを考える.
問1 ステップでのを,を用いて表せ.
問2 が取り得る最小値と最大値を,を用いて表せ.
問3 とするとき,つぎの関数を最小にするの組み合わせをすべて求めよ.
ステップまでの数列は,全部で通りあるため,が大きくなると,この関数を最小にする数列を見つける際の計算の量は膨大になる.そこで,以下では,効率よく解く方法を考える.
ステップでが定まったとし,ステップからステップまでの数列を考える.このとき,つぎの関数を定義する.
この関数を最小にする数列を数列とし,関数の最小値をとする.すなわち,
とする.上式の右辺のは,関数を数列に関して最小にした際の関数の最小値を意味している.このとき,以下の問いに答えよ.
問4 とするとき,つぎの関係式が成り立つ.
この関係式を証明せよ.
問5 問4の関係式を任意のの場合に一般化すると,とに対して,つぎの関係式が成り立つ.
この関係式の意味を簡単に説明せよ.
問6 とするとき,問5の関係式を用いて,関数を最小にするを求めたい.このとき,関数が関数(ただし,)と書けることに注意して,つぎの手順で求めよ.
6-1 まず,が取り得る値のおのおのに対して,を計算し,表1-1を完成せよ.同様に,が取り得る値に対して,問5の関係式を用いてを計算し,表1-2を完成せよ.ここで,表1-1のとは,それぞれ,の値が与えられたもとでの関数を最小にするの値,および,それを用いた際のの値を表す.表1-2で使われている記号も同様とする.
表1-1
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表1-2
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6-2 作成した表1-1,表1-2を用いて,関数を最小にするをすべて求めよ.その際,表1-1,表1-2をどのように用いたかを説明せよ.
問7 問6においての最小値をに対して総当たりで求めるには,通りの組み合わせを調べればよい.一方,問5の関係式を用いると,問6の表1-1の(ただし,)をすべて求めるのに通りの組み合わせを,表1-2の(ただし,)をすべて求めるのに通りの組み合わせを,そして,を求めるのに,に対して通りの組み合わせを,すなわち,全部で通りの組み合わせを調べればよい.このようにの場合は,どちらの場合でも同じ組み合わせ数を調べることになるが,の場合には,問5の関係式を用いると,総当たりで求める場合に比べて,調べる組み合わせ数がが大きくなるにつれて格段に減る.この調べる組み合わせ数を,を用いて表せ.