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【2】 社は工場で商品を製造している.商品の製造費用を表す変数は,製造量の関数であるとする.この関数をで表す.以下の分析を容易にするため,は区間を定義域とする関数とし,とする.また,正の実数に対して,関数のにおける微分係数が定るとし,その値をにおける限界費用といい,で表す.さらに,と定め,正の実数に対して,をにおける平均費用という.ここで,
であることがわかったとする.
(ⅰ) 区間において,限界費用が最小となる製造量をで表すとであり,平均費用が最小となる製造量をで表すとである.
(ⅱ) である.
(ⅲ) この問いでは,限界費用を特定する式は仮定しないことにする.その場合でも,あるに対して,平均費用が区間において単調に減少するならば,すなわち,ならばとなるならば,
を満たす任意のに対して,
となることを証明せよ.
(ⅳ) 社は工場で商品と同等な商品を製造している.商品の製造費用は,商品の製造費用と同じであるとする.すなわち,社における商品の製造費用は,製造量の関数で定まる.
ここで,社が社を買収したとし,商品の製造は社が工場ですべてまとめて行うこととする.(商品が同等なので,工場で製造した商品を社の顧客に提供しても何ら問題はない.また,このとき,工場における製造量はになる.)買収前と比較して,製造を集約することによって両社合わせた製造費用が節約される度合いを求めてみよう.
買収時点での商品と商品の製造量を,それぞれととする.このとき,節約される費用は,再び,限界費用に対して式を仮定すると,
となる.(もしこの値が負となる場合は,製造費用は節約ではなく追加されることになる.)
【3】 点を原点とする座標空間につの平面とがある.平面の方程式は,であり,平面の方程式は,である.そして,平面との交線をとする.
(ⅰ) ある点の原点を基準とする位置ベクトルと,方向ベクトルを用いると,
は直線のベクトル方程式である.ここで,は直線上の点の原点を基準とする位置ベクトルで,は実数である.
(ⅱ) 点を中心とする球面を考える.球面と直線が点のみを共有するとき,その共有点の座標はである.また,球面と直線が異なる点を共有し,そのつの共有点と点を頂点とする三角形の面積がであるとき,そのつの共有点の座標は,とである.
(ⅲ) 直線は軸に平行な平面と軸に平行な平面の交線でもある.このとき,平面の方程式は
であり,平面の方程式は
である.(これらの方程式はできる限り簡単な形にせよ.)
【4】 箱の中に赤玉個,青玉個,白玉個が入っている.玉にはからまでの整数のいずれかつが書かれており,赤玉にはの各数がつずつ,青玉にはの各数がつずつ,白玉にはの各数がつずつ書かれている.
この箱から太郎が玉を個取り出し,その玉を戻さず残りの玉から花子が個取り出す.このとき,玉に書かれた数が同じならば,おのおのが自分が取り出した玉を獲得し,異なるならば,大きい数が書かれた玉を取り出した方が両方の玉を獲得するゲームを行う.
(ⅰ) このゲームにおいて,太郎が個の玉を獲得する確率はであり,花子が個の玉を獲得する確率はである.そして,花子が個の玉を獲得したとき,玉に書かれた数の差の絶対値がである確率をとすると,
である.
(ⅱ) このゲームにおいて,太郎が少なくとも個の赤玉を獲得する確率はである.
(ⅲ) このゲームを回繰り返すことを考える.回目のゲームで獲得した玉を箱に戻さず,続けて回目のゲームを行ったとき,太郎が回とも同色の玉を取り出す確率はである.また,花子が回のゲームを通じて獲得した玉に書かれた数の和がとなる確率はである.