【1】 平面内に個の点が分布している.これらの点の座標を,ネットワーク通信を用いて送信したい.このまま送ると全部で個の実数の送信が必要になるが,ここでは,個の実数をより少ない数の実数に変換して,誤差を許容しつつ個の点の座標情報を送信する方法を考える.
を原点とする平面内に大きさがでなく平行でない二つのベクトルとを考える.このとき,点の位置ベクトルをと表記すると,点の座標情報はとを用いて表すことができる.
ここで,図1−1のように二つのベクトルとして,を用いる.の代わりに一つの実数を用いて,位置ベクトルがと表される点を点の近似点とする.点の座標情報はとを用いて表すことができるので,点の座標情報の近似として点の座標情報をの個の実数値で送信できる.なお,点と点の距離を誤差と呼ぶ.このとき,次の問に答えよ.
問1 ベクトルとベクトルが直交することを示せ.
問2 ベクトルとベクトルの大きさを求めよ.
問3 の代わりにを用いることによる誤差をとを用いて表せ.
問4 をおよびを用いて表せ.
問5 誤差の平方の和を
とする.ここで,をの関数と考え,を最小にするをおよびを用いて表せ.ただし,
とする.なおはの関数ではないので,をで微分するときには定数と考えてよい.
問6 およびを
とする.問5で求めたを用いるとはだけの関数となる.ここで,が極値をとるときのをおよびを用いて表せ.ただし,とする.
問7 図1−2のように,で,
のとき,誤差の平方の和を最小にするとを求めよ.ただし,問5で求めたを最小にする条件によって定まると,問6のを最小にするにおいて,も最小となる.