2019 東京工業大学 工学院AO総合問題

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2019 東京工業大学 工学院AO総合問題

易□ 並□ 難□

【1】 平面内に n 個の点 P1 P 2 Pn が分布している.これらの点の座標 ( xk, yk ) k=1 2 n を,ネットワーク通信を用いて送信したい.このまま送ると全部で 2 n 個の実数の送信が必要になるが,ここでは, 2n 個の実数をより少ない数の実数に変換して,誤差を許容しつつ n 個の点の座標情報を送信する方法を考える.

  O を原点とする平面内に大きさが 0 でなく平行でない二つのベクトル a b を考える.このとき,点 Pk の位置ベクトルを pk =Xk a +Yk b と表記すると,点 P k の座標情報は X k Y k を用いて表すことができる.

図1−1

 ここで,図1−1のように二つのベクトル a b として, a =(cos θ,sin θ) b =(- sinθ, cosθ ) を用いる. Yk の代わりに一つの実数 Y 0 を用いて,位置ベクトルが q k =Xk a +Y0 b と表される点 Qk を点 Pk の近似点とする.点 Qk の座標情報は X k Y 0 を用いて表すことができるので,点 P1 P2 Pn の座標情報の近似として点 Q1 Q 2 Qn の座標情報を θ Y0 X1 X2 Xn n +2 個の実数値で送信できる.なお,点 Pk と点 Qk の距離を誤差と呼ぶ.このとき,次の問に答えよ.

問1 ベクトル a とベクトル b が直交することを示せ.

問2 ベクトル a とベクトル b の大きさを求めよ.

問3  Yk の代わりに Y 0 を用いることによる誤差 e k=| pk - qk | Y k Y 0 を用いて表せ.

問4  Yk xk yk および θ を用いて表せ.

問5 誤差 e k の平方の和を

J= k= 1n ek2

とする.ここで, J Y 0 の関数 F ( Y0 ) と考え, F( Y0 ) を最小にする Y 0 cos θ sinθ x および y を用いて表せ.ただし,

x =1 n k=1 nx k y =1 n k=1 ny k

とする.なお θ Y 0 の関数ではないので, F( Y0 ) Y 0 で微分するときに θ は定数と考えてよい.

問6  Sx Sy および S xy

Sx= 1n k= 1n (x k-x ) 2 Sy= 1n k= 1n (y k-y ) 2 Sx y= 1n k= 1n (xk -x ) (yk -y )

とする.問5で求めた Y 0 を用いると J θ だけの関数 G (θ ) となる.ここで, G( θ) が極値をとるときの tan 2θ Sx Sy および S xy を用いて表せ.ただし, Sx Sy とする.

図1−2

問7 図1−2のように, n=4 で,

(x 1,y 1) =(3 + 12, 2) (x 2,y 2) =(-3 + 12 ,0 )

(x 3,y 3)= (0, 3 2+1 ) (x 4,x 4)= (1,- 3 2+ 1)

のとき,誤差の平方の和 J を最小にする Y 0 θ 0θ< π を求めよ.ただし,問5で求めた F ( Y0 ) を最小にする条件によって定まる Y 0 と,問6の G (θ ) を最小にする θ において, J も最小となる.



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