2019 慶応義塾大学 総合政策学部

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2019 慶応義塾大学 総合政策学部

2月17日実施

易□ 並□ 難□

2019年慶応義塾大総合政策学部【1】201913338601の図

【1】 将棋盤は右図のように縦横 9 マス計 81 マスからなる.盤面の右上を起点として図のように横を 1 2 9 とアラビア数字であらわし,縦を一,二, ,九と漢数字であらわす.駒の位置は横と縦の数字の組であらわし,右図では飛車の駒が置かれているマスは「 5 五」である.

 将棋のルールでは, 1 回に飛車の駒を縦横の任意の位置に動かすことができる.駒の 1 回の移動は「 1 手」とよばれ,たとえば, 5 五の飛車は 1 手で 5 二, 5 四, 5 七, 5 九, 1 五, 4 五, 7 五, 8 五などに動かすことができる.しかし, 5 五の飛車を 1 手で 1 一に動かすことはできず,「 5 5 1 一」と 2 手で移動させたり.「 5 5 5 1 一」と 3 手で移動させたり,「 5 3 3 1 1 1 一」と 5 手で移動させたりする必要がある.このような駒の移動の列を「手順」とよび,手順における駒の移動の回数を「手数」とよぶ.

 以下では, 5 五にある飛車を右上隅の 1 一に移動させることを考える.ただし,飛車は右あるいは上にのみ移動させ,飛車のまま 5 五から 1 一に移動させることとする.

(1) 移動の最小手数は (1) であり,そのような手順は (2) 個ある.

(2) 移動の手数が 3 である手順は (3) (4) (5) 個ある.

(3) 移動の最大手数は (6) (7) であり,そのような手順は (8) (9) (10) 個ある.

(4) 手順の総数は (11) (12) (13) 個ある.

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2月17日実施

易□ 並□ 難□

【2】 月曜日から金曜日の毎朝のテレビ番組ではジャンケンゲームを 1 回行っている.視聴者はテレビの d ボタンを使ってグー・チョキ・パーを決め,番組側の出すグー・チョキ・パーと対戦し,視聴者が勝つと 40 点,引き分けると 20 点,負けると 10 点となる.各週において,ジャンケンの合計点数が 100 点以上になると,景品に応募することができる.番組側はランダムにグー・チョキ・バーを出し,視聴者は前もって出される手を知ることはできない.また,視聴者は毎朝の決められた時間に d ボタンでグー・チョキ・パーを決めないと,ジャンケンに参加することができない.

(1) 景品に応募するためには,週で少なくとも (14) 回以上ジャンケンゲームに参加する必要がある.

(2) 週において,すべてのジャンケンゲームに参加した場合,週のジャンケンの合計点数の期待値は (15) (16) (17) (18) (19) (20) 点である.

(3) 週において,すべてのジャンケンゲームに参加した場合,その週に景品に応募することのできる確率は, (21) (22) (23) (24) (25) (26) である.

(4) 週において,週の最初からジャンケンゲームに参加するが,途中で負けるとその後は参加しないとした場合,景品に応募することのできる確率は (27) (28) (29) (30) (31) (32) である.

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2月17日実施

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2019年慶応義塾大総合政策学部【3】201913338603の図

【3】 一辺の長さが 2 である立方体 ABCD EFGH の内部に半径 r の球 S r> 0 が存在する.球 S は立方体 ABCD EFGH の少なくとも 1 つの面と接しながら動く.このとき,立方体 ABCD EFGH の内部で球 S が通過しえない領域の体積 V

(ⅰ)  0<r< (33) (34) のとき

V=( (35) (36) (37) + (38) (39) (40) (41) π )r3 + ( (42) (43) (44) + (45) (46) π) r2 + (47) (48) (49) r+ (50) (51)

(ⅱ)  (33) (34) r 1 のとき

V=( (52) (53) (54) + (55) (56) (57) (58) π ) r3 + ( (59) (60) (61) + (62) (63) π) r2

となる.

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2月17日実施

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【4】 実数 a に対して, f( x)= x2 ga (x )=- (x -a) 2+a とする.

(1)  xy 平面において,曲線 y =f( x) と曲線 y =ga ( x) が共通点をもつための必要十分条件は

(64) (65) a (66) (67)

である.

(2)  a (64) (65) <a< (66) (67) の範囲を動くとき, 2 つの曲線で囲まれる部分の面積は

Sa = ( (68) (69) a2+ (70) a) (71) (72) (73)

である.

(3)  a= (74) (75) のとき, Sa は最大値 (76) (77) (78) (79) をとる.

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2月17日実施

易□ 並□ 難□

  1 2 3 n
1 11 12 13 1n
2 21 22 23 2n
3 31 32 33 3n
n n1 n2 n3 nn

【5】 第 i 行,第 j 列の要素が行番号 i と列番号 j の積 i j となっている n n 列( n は自然数)の表がある.

 この表中のすべての要素の総和 S 2 通りの方法で求める.

 まず,第 k 行( k =1 2 3 n )における第 1 列から第 n 列までの要素の総和 s k (80) (81) n (82) ( n+ (83)) (84) k (85) であるから

S= k =1n sk= (86) (87) n (88) ( n+ (89)) (90)

となる.

 次に,第 k 行における第 1 列から第 k 列までの要素の和 r k (91) (92) k(93) (k+ (94) ) (95) であり,第 k 列における第 1 行から第 k 行までの要素の和 c k (91) (92) k (93) ( k+ (94)) (95) であり,第 k 行第 k 列は k (96) であるから

S= k =1n (r k+c k-k (96) )= k=1 nk (97)

となる.

 これらが等しいことを利用すると

k=1 nk (97) = (86) (87) n (88) ( n+ (89)) (90)

を導くことができる.

  1 2 3 n
1 13 13 13 23 13 33 13 n 3
2 23 13 23 23 23 33 23 n 3
3 33 13 33 23 33 33 33 n 3
n n3 13 n3 23 n3 33 n3 n3

(2) 第 i 行,第 j 列の要素が行番号 i 3 乗と列番号 j 3 乗の積 i3 j3 となっている n n 列( n は自然数)の表がある.

 この表中のすべての要素の総和 S 2 通りの方法で求める.

 まず,第 k 行( k =1 2 3 n )における第 1 列から第 n 列までの要素の総和 s k (98) (99) n(100) (n+ (101) ) (102) k (103) であるから

S= k= 1n sk= (104) (105) (106) (107) n (108) ( n+ (109)) (110)

となる.

 次に,第 k 行における第 1 列から第 k 列までの要素の和 r k (111) (112) k(113) (k+ (114) ) (115) であり,第 k 列における第 1 行から第 k 行までの要素の和 c k (111) (112) k(113) (k+ (114) ) (115) であり,第 k 行第 k 列は k (116) であるから

S= k =1n (r k+c k-k (116) )= (117) (118) k= 1n (k (119) +k (120) ) (ただし (119)> (120)

となる.

 これらが等しいことを利用すると

k= 1n (k (119) +k (120) )= (121) (122) n(108) (n+ (109) ) (110)

を導くことができる.

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2月17日実施

易□ 並□ 難□

【6】 ある大学である学会の全国大会が日曜日に開催されることになり,受付や教室での資料配布などの仕事を誰かに頼む必要が生じた.仮に学生にアルバイト代を支払って手伝ってもらうとすると,人材派遣会社から人を派遣してもらう場合と比較して,サービスの質はやや劣るが人件費を節約でき,学会大会の手作り感を演出することで,参加者に大学への好感を持ってもらうことができるメリットがある.

  A 教授はこの学会の会員であり,今回の学会大会の責任者であるが,自分の研究室に所属する学生(以下,ゼミ生)に手伝ってもらうことを考えた.もし, n 人のゼミ生に手伝ってもらい, 1 人あたりのアルバイト代の日給が w 千円とすると,全体で w n 千円の支払いが必要となる.そして,上記の人件費の節約や大学の好感度の向上といったメリットは, 60n 千円であるとすると, A 教授にとっては, x=60 n-w n の値が大きければ大きいほど好ましいと考えられる.

 一方, A 教授のゼミ生は全部で 30 人で,日曜日に全員家庭教師のアルバイトをしていて, 1 日あたり 6 千円を各学生は稼いでいる.仮に学会の手伝いをすると,その日の家庭教師のアルバイトはできない.したがって,ゼミ生全体の立場からは, y=w n+6× (30- n) が大きければ大きいほど好ましいと考えられる.

(1)  x+y を最大化する学生手伝いの数は n = (123) (124) である.

(2)  A 教授はゼミ生の代表の B 君と相談することにした.ここで, x+y の最大は (125) (126) (127) であることに注意しよう.また, A 教授と B 君の相談がまとまらなければ n =0 となることに注意すると, x0 y 180 でなければならない.

(3) そこで, A 教授と B 君は,これらの x y の範囲を満たしつつ, x×( y-180 ) を最大化する x = (128) (129) (130) y= (131) (132) (133) で合意した.このとき, A 教授は (134) (135) 人の手伝ってもらうゼミ生に対して, 1 人あたり (136) (137) 千円をアルバイト代として支払うことになった.

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