Mathematics
Examination
Test
Archives
【1】 将棋盤は右図のように縦横マス計マスからなる.盤面の右上を起点として図のように横をとアラビア数字であらわし,縦を一,二,,九と漢数字であらわす.駒の位置は横と縦の数字の組であらわし,右図では飛車の駒が置かれているマスは「五」である.
将棋のルールでは,回に飛車の駒を縦横の任意の位置に動かすことができる.駒の回の移動は「手」とよばれ,たとえば,五の飛車は手で二,四,七,九,五,五,五,五などに動かすことができる.しかし,五の飛車を手で一に動かすことはできず,「五一一」と手で移動させたり.「五三一一」と手で移動させたり,「五五四四二一」と手で移動させたりする必要がある.このような駒の移動の列を「手順」とよび,手順における駒の移動の回数を「手数」とよぶ.
以下では,五にある飛車を右上隅の一に移動させることを考える.ただし,飛車は右あるいは上にのみ移動させ,飛車のまま五から一に移動させることとする.
(1) 移動の最小手数はであり,そのような手順は個ある.
(2) 移動の手数がである手順は個ある.
(3) 移動の最大手数はであり,そのような手順は個ある.
(4) 手順の総数は個ある.
【2】 月曜日から金曜日の毎朝のテレビ番組ではジャンケンゲームを回行っている.視聴者はテレビのボタンを使ってグー・チョキ・パーを決め,番組側の出すグー・チョキ・パーと対戦し,視聴者が勝つと点,引き分けると点,負けると点となる.各週において,ジャンケンの合計点数が点以上になると,景品に応募することができる.番組側はランダムにグー・チョキ・バーを出し,視聴者は前もって出される手を知ることはできない.また,視聴者は毎朝の決められた時間にボタンでグー・チョキ・パーを決めないと,ジャンケンに参加することができない.
(1) 景品に応募するためには,週で少なくとも回以上ジャンケンゲームに参加する必要がある.
(2) 週において,すべてのジャンケンゲームに参加した場合,週のジャンケンの合計点数の期待値は点である.
(3) 週において,すべてのジャンケンゲームに参加した場合,その週に景品に応募することのできる確率は,である.
(4) 週において,週の最初からジャンケンゲームに参加するが,途中で負けるとその後は参加しないとした場合,景品に応募することのできる確率はである.
【5】 第行,第列の要素が行番号と列番号の積となっている行列(は自然数)の表がある.
この表中のすべての要素の総和を通りの方法で求める.
まず,第行()における第列から第列までの要素の総和はであるから
となる.
次に,第行における第列から第列までの要素の和はであり,第列における第行から第行までの要素の和もであり,第行第列はであるから
となる.
これらが等しいことを利用すると
を導くことができる.
(2) 第行,第列の要素が行番号の乗と列番号の乗の積となっている行列(は自然数)の表がある.
この表中のすべての要素の総和を通りの方法で求める.
まず,第行()における第列から第列までの要素の総和はであるから
となる.
次に,第行における第列から第列までの要素の和はであり,第列における第行から第行までの要素の和もであり,第行第列はであるから
となる.
これらが等しいことを利用すると
を導くことができる.
【6】 ある大学である学会の全国大会が日曜日に開催されることになり,受付や教室での資料配布などの仕事を誰かに頼む必要が生じた.仮に学生にアルバイト代を支払って手伝ってもらうとすると,人材派遣会社から人を派遣してもらう場合と比較して,サービスの質はやや劣るが人件費を節約でき,学会大会の手作り感を演出することで,参加者に大学への好感を持ってもらうことができるメリットがある.
教授はこの学会の会員であり,今回の学会大会の責任者であるが,自分の研究室に所属する学生(以下,ゼミ生)に手伝ってもらうことを考えた.もし,人のゼミ生に手伝ってもらい,人あたりのアルバイト代の日給が千円とすると,全体で千円の支払いが必要となる.そして,上記の人件費の節約や大学の好感度の向上といったメリットは,千円であるとすると,教授にとっては,の値が大きければ大きいほど好ましいと考えられる.
一方,教授のゼミ生は全部で人で,日曜日に全員家庭教師のアルバイトをしていて,日あたり千円を各学生は稼いでいる.仮に学会の手伝いをすると,その日の家庭教師のアルバイトはできない.したがって,ゼミ生全体の立場からは,が大きければ大きいほど好ましいと考えられる.
(1) を最大化する学生手伝いの数はである.
(2) 教授はゼミ生の代表の君と相談することにした.ここで,の最大はであることに注意しよう.また,教授と君の相談がまとまらなければとなることに注意すると,でなければならない.
(3) そこで,教授と君は,これらのの範囲を満たしつつ,を最大化するで合意した.このとき,教授は人の手伝ってもらうゼミ生に対して,人あたり千円をアルバイト代として支払うことになった.