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【1】(1) ある公園に,図のように個の丸い椅子が,東側に個横一列に,西側に個横一列に,それぞれ間隔で置かれている.また,東側の椅子と西側の椅子はつずつ背中合わせに置かれていて,その間隔はとなっている.
さんはいつも東側の椅子のいずれかに,さんは西側の椅子のいずれかに,同じ確率で座る.このとき,さんとさんの座る位置がソーシャルディスタンスの以上である確率はである.
なお,さんもさんも椅子の中心に座り,ソーシャルディスタンスは座っている椅子の中心間の距離で測るものとする.
(2) 別の公園には,半径の円周上の地面に時計の文字盤が刻んであり,時間ごと,すなわち度ごとに丸い椅子が置いてある.
この円形に配置された脚の椅子に,来場者人がやってきて任意の位置に座るとき,お互いがソーシャルディスタンスの以上である確率はである.
なお,同じ椅子に複数の人が座ることはなく,人は椅子の中心に座り,ソーシャルディスタンスは座っている椅子の中心間の距離で測るものとする.
【2】 サッカー選手は下図のようにペナルティーエリアの左端の線を延長した線のゴール寄り右をドリブルで敵陣にまっすぐ向かっている.がゴールに向かってシュートするとき,から見てゴールの見える範囲が大きいほうが得策である.すなわち,下図のような配置でのとき,選手が蹴り込める角度範囲であるが最も大きくなるのゴールラインからの距離を求めたい.ただし,ゴールは下図のようにペナルティーエリアの左右の中央で,ゴールラインの外側に設置されているものとする.
これは,レギオモンタヌスの問題として知られている問題の一種である.一般に,上図のようにペナルティーエリアの左端からゴールの左端までの距離をペナルティーエリアの左端からゴールの右端までの距離をのドリブルのラインとペナルティーエリアの左端までの距離を(ただしとする),からゴールラインまでの距離をの正面から右のゴールポストまでの角度をの正面から左のゴールポストまでの角度をとしたとき,に次の選択肢から最も適切な番号を選び,次の解法の文章を完成させなさい.
(解法)を最も大きくするを求める問題と考えることができる.
の逆数を考えると,相加相乗平均の定理より
であり,が最小,すなわちが最大となるのは,のときである.
選択肢:
(01) | (02) | (03) |
(04) | (05) | (06) |
(07) | (08) | (09) |
(10) | (11) | (12) |
(13) | (14) | (15) |
(16) | (17) | (18) |
(19) | (20) | (21) |
(22) | (23) | (24) |
(解法終わり)
ペナルティーエリアの横幅をゴールの横幅をとすると,今回のサッカー選手の場合,のときに,が最も大きくなることが分かる.
【6】 社は氏を報酬で雇っている(は正の実数).社の売り上げは氏の努力水準に依存しており,氏の努力水準が低いと社の売上はだが,氏の努力水準が高い場合,社の売上はの確率でとなり,の確率でのままとなる.そして,このことは氏も知っている.ただし,氏は努力水準を高める際にの苦痛を感じる.そのため,報酬の下で努力水準を高めると,氏の実質的な報酬はとなってしまう.氏は完全にテレワークをしており,氏の努力水準を社が直接知ることはできないし,氏が努力水準を高めるよう強制することもできない.すると,であることから,氏は努力水準を高めないことが合理的な行動となる.
以下では,不確実性下の意思決定をあつかっているが,(1),(2),(3)のいずれにおいても,社,氏共に期待値の大小のみに関心があるものと仮定して解答すること.
(1) いま,社は売上がになったときには氏の報酬をに引き上げ,のときにはにすえおくアイデアを思いついた.B氏が努力水準を高めるためには,である必要がある.
次に,氏は,社をやめても他の会社に報酬で雇われることが可能であるとする.
(2) 社の利潤を売上から氏への報酬を引いた残りだと単純化すると,とを適切に定めることにより,氏に社をやめさせず,かつ努力水準を高めさせるためには,社の利潤の期待値を以下とする必要がある.また,社の利潤の期待値が最大化されたとき,を満たすの値はである.
以下では,氏のの値をこのとする.
(3) 実は,氏の関心は報酬そのものではなく,そこから得られる満足と解釈されるであることが分かった.そのため,努力水準を高める際の苦痛もこの満足から差し引かれ,努力水準を高めたときの氏の満足はとなる.氏は(実質的な)報酬を最大化する人ではなく,満足を最大化する人だとしたとき,氏に社をやめさせず,かつ努力水準を高めさせるためには,でなければならない.