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【3】 あるすごろくのゲームでは,枚のコインを投げてその裏表でコマを前に進め,マス目のゴールを目指すものとする.
コマは,最初,マス目のスタートの位置にあり,コインを投げて表であればマスだけコマを前に進め,裏であればマスだけコマを前に進める.ただし,マス目で表が出たためにマス目を超えて前に進めなくてはならなくなった場合には,ゴールできずにそこでゲームは終了するものとする.また,コインの表と裏は等しい確率で出るものとする.
このとき,ある回のゲームの中でマス目にコマがとまる確率をとすると
である.一般に
である.また,コマがゴールしたとき,スタートからゴールまでにコインを投げた回数は平均回である.
【4】 平面上で座標も座標も整数である点を格子点という.とを正の整数とするとき,平面上に点を格子点上に置く.次に,これらの点を囲むようにを頂点とする長方形を描く.
長方形の内側に,以下のように「軌道」を作図する.
1. の外周の点またはまたはまたはの点)を選び,その点からの距離だけはなれた長方形の辺上の点を軌道の起点とし,起点の置かれた辺との角度をなす直線の軌道を長方形内に描く.
2. 軌道が長方形の別の辺にぶつかった場合,軌道を直角に曲げる.この操作を繰り返すと,軌道はいずれ起点に戻るので,そこで描くのを停止すると,一筆書きで閉じた1つの軌道が得られる.
3. ステップ1と2で描いた軌道の内側にすべての点が含まれているようなら,作図を終了する.軌道の外にある点が残っている場合,まだ軌道の外にある外周の点を選び,ステップ1以降の操作を繰り返す.
すべての点を軌道内に納めるために必要な最小の軌道の数をと書くことにする.
右の図はであることを示している(異なる軌道を破線と点線で描き分けた).
(1) はである.
(2) はである.
(3) はである.
(4) 下の個のの値の最大値はであり,最大値を取るものが個ある.
【6】 いま,部族(以下と部族(以下のどちらに帰属しているかはっきりしない土地がある.とには交渉を行って双方が納得できる案で妥協する選択肢と,紛争を起こしてその土地の支配権を得る選択肢がある.ここでは単純化のために,この土地の価値はとにとってであるとし,との間の交渉では,をとにどのように分配するかが話し合われるものとする.したがって,との分配値は以上以下であり,合計するとになる.また,紛争が起きた場合には,人や物的インフラの損傷などの紛争コストが発生することを考慮し,との紛争を起こすことで期待できる価値は,(この土地の価値がなので)勝利確率から紛争コストを引いた値とする.
以下ではつの期間を考え,期目の期間中に紛争が起きた場合のとの勝利確率をそれぞれと期目の期間中に紛争が起きた場合のとの勝利確率をそれぞれと期目の期間中に紛争が起きた場合のとの勝利確率をそれぞれととする.また,紛争コストはと共にとする.
まず,期目の交渉案の分配値がと共に紛争で期待できる価値以上であれば,交渉案を受け入れ紛争を起こさず,期待できる価値未満であれば紛争を起こすものとすると,は自らの分配値が以上であれば交渉案を受け入れ,はの分配値が以下であれば交渉案を受け入れる.また,紛争が起きた場合には,期目と期目にとが期待できる価値は期目に期待できる価値と同一とする.
もし期目に交渉が妥結した場合は,期目に改めて交渉が行われ,の分配値が以上で以下ならば,と共に紛争で期待できる価値以上なのでと共に交渉案を受け入れ紛争を起こさず,そうでない場合には紛争を起こし,その場合には,期目にとが期待できる価値は期目に期待できる価値と同一とする.
もし期目に交渉が妥結した場合には,期目に改めて交渉が行われ,の分配値が以上で以下ならば,と共に紛争で期待できる価値以上なのでと共に交渉案を受け入れ紛争を起こさず,そうでない場合には紛争を起こす.
以下では,各期において交渉が妥結した場合には,の分配値は,と共に受け入れられるの分配値の上限値と下限値の中間に定まるものと仮定しよう.すると,が得られると期待できる価値の期分の合計は,期すべてで交渉が妥結した場合となり,期目に紛争が起きた場合であり,期目に紛争が起きた場合であり,期目に紛争が起きた場合となる.に紛争を起こすインセンティブがないことは容易に確認できるので,はこれらの期待できる価値を比較して,紛争を起こすか起こさないか,また起こすとしたらどのタイミングで起こすかを決めることになる.
また,紛争コストがと共にに増加した場合,が得られると期待できる価値の期分の合計は,期すべてで交渉が妥結した場合となり,期目に紛争が起きた場合であり,期目に紛争が起きた場合となる.
さらに,紛争コストがと共にに増加し,問題となっている土地の価値が期と期でと共にに増加したとすると,が得られると期待できる価値の期分の合計は,期すべてで交渉が妥結した場合となり,期目に紛争が起きた場合であり,期目に紛争が起きた場合となる.
なお,この問題では,価値の比較が簡単にできるように,分数を必ずしも既約分数とはせずに書いている.