2023 慶応義塾大学 環境情報学部

Mathematics

Examination

Test

Archives

2023 慶応義塾大学 環境情報学部

2月18日実施

易□ 並□ 難□

【1】(1) 正の整数 m n の最大公約数を効率良く求めるには, m n で割ったときの余りを r としたとき, m n の最大公約数と n r の最大公約数が等しいことを用いるとよい.たとえば, 455 208 の場合,次のように余りを求める計算を 3 回行うことで最大公約数 13 を求めることができる.

455÷208 =239 208÷39 =5 13 39÷13 =30

このように余りを求める計算をして最大公約数を求める方法をユークリッドの互除法という.

(a)  20711 15151 のような大きな数の場合であっても,ユークリッドの互除法を用いることで,最大公約数が (1) (2) (3) であることを比較的簡単に求めることができる.

(b)  100 以下の正の整数 m n (ただし m >n とする)の最大公約数をユークリッドの互除法を用いて求めるとき,余りを求める計算の回数が最も多く必要になるのは, m= (4) (5) n= (6) (7) のときである.

2023 慶応義塾大学 環境情報学部

2月18日実施

易□ 並□ 難□

【1】(2) 正の整数 m n は,不等式 20222023 < mn< 2023 2024 を満たしている.このような分数 mn の中で n が最小のものは, (8) (9) (10) (11) (12) (13) (14) (15) である.

2023 慶応義塾大学 環境情報学部

2月18日実施

易□ 並□ 難□

【2】 関数 f (x ) g ( x)

f( x)= -x2 01 f( t) dt- 12x+ 2 9 -1 0f (t ) dt

g( x)= 01 (3 x2+ t) g( t) dt 34

を満たしている.このとき

f( x) = (16) (17) x 2-12 x+ (18) (19)

g( x) = (20) (21) x 2+ (22) (23)

である.また, xy 平面上の y =f( x) y =g( x) のグラフの共通接線は

y= (24) (25) x + (26) (27) (28) (29) (30) (31)

である.なお, n 0 または正の整数としたとき, xn の不定積分は x ndx = 1n+ 1 x n+1 +C C は積分定数)である.

2023 慶応義塾大学 環境情報学部

2月18日実施

易□ 並□ 難□

2023年慶応義塾大環境情報学部【3】2023133380704の図

図1

【3】(1) 図1の 9 つのマスに,縦,横,斜めにならんだ 3 つの数の積がいずれも等しくなるように,相異なる正の整数を 1 つずつ割り当てる.ただし, 4 9 は図1のように割り振られており, (32) (33) < (34) (35) となっているものとする.

  (32) (33) (34) (35) (36) (37) に入る数を求めなさい.

2023 慶応義塾大学 環境情報学部

2月18日実施

易□ 並□ 難□

【3】(2) まず,図2の 9 つのマスに,縦,横,斜めにならんだ 3 つの数の和がいずれも等しくなるように,相異なる 1 9 の正の整数を 1 つずつ割り当てる.複数の割り当て方が考えられるが,その 1 つを選び割り当てるものとする.

2023年慶応義塾大環境情報学部【3】2023133380705の図  ⟹  2023年慶応義塾大環境情報学部【3】2023133380705の図

図2

図3

   ⟹ 

2023年慶応義塾大環境情報学部【3】2023133380705の図

図4

この 9 つの数を,図3に示すように 3 つのサイコロの展開図に書き写し,図4のように 3 つのサイコロを作成する.サイコロは,振ると等しい確率で目(書き写した数)が出るものとする.

 いま, 2 人のプレーヤーが 3 つのサイコロから異なるものを 1 つずつ選び,そのサイコロを振り,出た目が大きいほうが勝つとする.あなたの対戦相手が 9 を含むサイコロを選んだとき,あなたがこのゲームに,より高確率に勝つために選ぶべきサイコロは, (38) を含むサイコロである.

2023 慶応義塾大学 環境情報学部

2月18日実施

易□ 並□ 難□

2023年慶応義塾大環境情報学部【3】2023133380706の図

【4】  xy 平面上で x 座標も y 座標も整数である点を格子点という.この格子点上を,次のように点 A と点 B が移動する.

・点 A は,時刻 t =0 において原点 O にあり,時刻 t 1 増えるごとに, x 軸正方向に 1 あるいは y 軸正方向に 1 のいずれかに等確率 12 で移動する.

・点 B は,時刻 t =0 において点 ( 1,1 ) にあり,時刻 t 1 増えるごとに, x 軸正方向に 1 あるいは x 軸負方向に 1 あるいは y 軸正方向に 1 あるいは y 軸負方向に 1 のいずれかに等確率 14 で移動する.

ここで,時刻 t =k k=0 1 2 3 以前に点 A と点 B が一度も接触しない(同じ時刻に同じ座標を取らない)確率を P (k ) とする.

(1)  k=0 1 2 のとき

P( 0)= 1 P( 1)= (39) (40) (41) (42) P( 2)= (43) (44) (45) (46)

である.

(2)  k=3 のとき

(a) 点 A が点 ( 1,0 ) と点 ( 2,0 ) を経由して点 ( 3,0 ) に移動する場合, t=3 で初めて点 A と点 B が接触するような点 B の移動パターンは (47) (48) 通り, t=3 より前に点 A と点 B が少なくとも一度は接触するような点 B の移動パターンは (49) (50) 通り,

(b) 点 A が点 ( 1,0 ) と点 ( 2,0 ) を経由して点 ( 2,1 ) に移動する場合, t=3 で初めて点 A と点 B が接触するような点 B の移動パターンは (51) (52) 通り, t=3 より前に点 A と点 B が少なくとも一度は接触するような点 B の移動パターンは (53) (54) 通り,

(c) 点 A が点 ( 1,0 ) と点 ( 1,1 ) を経由して点 ( 2,1 ) に移動する場合, t=3 で初めて点 A と点 B が接触するような点 B の移動パターンは (55) (56) 通り, t=3 より前に点 A と点 B が少なくとも一度は接触するような点 B の移動パターンは (57) (58) 通り,

(d) 点 A が点 ( 0,1 ) と点 ( 1,1 ) を経由して点 ( 2,1 ) に移動する場合, t=3 で初めて点 A と点 B が接触するような点 B の移動パターンは (59) (60) 通り, t=3 より前に点 A と点 B が少なくとも一度は接触するような点 B の移動パターンは (61) (62) 通り

であるから, P( 3)= (63) (64) (65) (66) (67) (68) である.

2023 慶応義塾大学 環境情報学部

2月18日実施

易□ 並□ 難□

2023年慶応義塾大環境情報学部【3】2023133380707の図

【5】  xy z 空間において, O (0, 0,0 ) A (1, 0,0 ) B (1, 1,0 ) C (0, 1,0 ) D (0, 0,1 ) E (1, 0,1 ) F (1 ,1,1 ) G (0, 1,1 ) を頂点とする立方体 OABC‐DEFG が存在する.

 いま,球面が原点 O を通る球 S が,立方体 OABC‐DEFG のいくつかの辺と接している.以下のそれぞれの場合について,球 S の半径と中心の座標を求めなさい.

(1)  3 つの辺 BF EF FG と接する場合

半径: (69) (70) - (71) (72) 中心:( (73) - (74) , (75) - (76) , (77) - (78) )

(2)  6 つの辺 AB AE BC CG DE DG と接する場合

半径: (79) - (80) 中心:( (81) - (82) , (83) - (84) , (85) - (86) )

(3)  4 つの辺 AB BC EF FG と接する場合

半径: (87) (88) - (89) (90) (91) (92) (93) (94) 中心:( (95) - (96) , (97) - (98) , (99) (100) )

(4)  4 つの辺 DE EF FG DG と接する場合

半径: (101) (102) (103) (104) 中心:( (105) (106) , (107) (108) , (109) (110) )

2023 慶応義塾大学 環境情報学部

2月18日実施

易□ 並□ 難□

【6】 いま, A 国の部品会社 A 社から B 国のメーカー B 社が一定量の部品の取引を行うために,その取引価格 p を交渉している. A 社の生産コスト c は事前の投資額 x に依存し, c= 18 x 2-10 x+220 が成り立っているものとすると, A 社の利益は p -c-x とあらわすことができる.一方, B 社はこの部品を使用し生産を行うことで 308 の売上を得ることができるものとすると, A 社から部品を輸入する際に 10 % の関税が課せられるため, B 社の利益は 308 -11 10 p とあらわすことができる.

 ところで,交渉は常に成立するわけではなく決裂することもあるから, A 社および B 社は共に決裂した場合のことを考慮しながら互いに交渉しなければならない.そこで,交渉が成立したときの A B 社)の利益から,交渉が決裂したときの A B 社)の利益(負の場合は損失を意味する)を引いた値を, A B 社)の純利益と呼び, A 社の純利益と B 社の純利益の積を最大化するように p の値が定まるものとする.また, A 社は,以上のことをふまえて,自らの利益 p -c-x を最大化するような x の大きさの投資を,事前に行っておくものとする.

 次に,交渉が決裂した場合の 2 つのシナリオについて考える.

(1) 交渉が決裂したとき, A 社は生産を行わず生産コスト c はかからないが,事前の投資額 x の分だけ損失を被るので, A 社の利益は - x となり, B 社は B 国内の他の部品会社から,価格 220 で同量の同じ部品を調達できるとすると,(この場合は関税がかからないことから) B 社の利益は 308 -220=88 となる.この場合の投資額 x (111) (112) となり,価格 p (113) (114) (115) となる.

(2) 交渉が決裂したとき, A 社は国内の他のメーカーに価格 250 で部品を販売できるとすると, A 社の利益は 250 -c-x となり, B 社は生産が行えなくなるとすると, B 社の利益は 0 となる.この場合の投資額 x (116) (117) となり,価格 p (118) (119) (120) となる.

 最後に,交渉が成立した場合の 「(2)の A 社の利益」 -「(1)の A 社の利益」 = (121) (122) (123) である.

inserted by FC2 system