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【1】(1) 正の整数との最大公約数を効率良く求めるには,をで割ったときの余りをとしたとき,との最大公約数ととの最大公約数が等しいことを用いるとよい.たとえば,との場合,次のように余りを求める計算を回行うことで最大公約数を求めることができる.
このように余りを求める計算をして最大公約数を求める方法をユークリッドの互除法という.
(a) とのような大きな数の場合であっても,ユークリッドの互除法を用いることで,最大公約数がであることを比較的簡単に求めることができる.
(b) 以下の正の整数と(ただしとする)の最大公約数をユークリッドの互除法を用いて求めるとき,余りを求める計算の回数が最も多く必要になるのは,のときである.
【3】(2) まず,図2のつのマスに,縦,横,斜めにならんだつの数の和がいずれも等しくなるように,相異なるの正の整数をつずつ割り当てる.複数の割り当て方が考えられるが,そのつを選び割り当てるものとする.
⟹ | ||
図2 |
図3 | |
⟹ | ||
図4 |
このつの数を,図3に示すようにつのサイコロの展開図に書き写し,図4のようにつのサイコロを作成する.サイコロは,振ると等しい確率で目(書き写した数)が出るものとする.
いま,人のプレーヤーがつのサイコロから異なるものをつずつ選び,そのサイコロを振り,出た目が大きいほうが勝つとする.あなたの対戦相手がを含むサイコロを選んだとき,あなたがこのゲームに,より高確率に勝つために選ぶべきサイコロは,を含むサイコロである.
【4】 平面上で座標も座標も整数である点を格子点という.この格子点上を,次のように点と点が移動する.
・点は,時刻において原点にあり,時刻が増えるごとに,軸正方向にあるいは軸正方向にのいずれかに等確率で移動する.
・点は,時刻において点にあり,時刻が増えるごとに,軸正方向にあるいは軸負方向にあるいは軸正方向にあるいは軸負方向にのいずれかに等確率で移動する.
ここで,時刻以前に点と点が一度も接触しない(同じ時刻に同じ座標を取らない)確率をとする.
(1) のとき
である.
(2) のとき
(a) 点が点と点を経由して点に移動する場合,で初めて点と点が接触するような点の移動パターンは通り,より前に点と点が少なくとも一度は接触するような点の移動パターンは通り,
(b) 点が点と点を経由して点に移動する場合,で初めて点と点が接触するような点の移動パターンは通り,より前に点と点が少なくとも一度は接触するような点の移動パターンは通り,
(c) 点が点と点を経由して点に移動する場合,で初めて点と点が接触するような点の移動パターンは通り,より前に点と点が少なくとも一度は接触するような点の移動パターンは通り,
(d) 点が点と点を経由して点に移動する場合,で初めて点と点が接触するような点の移動パターンは通り,より前に点と点が少なくとも一度は接触するような点の移動パターンは通り
であるから,である.
【6】 いま,国の部品会社社から国のメーカー社が一定量の部品の取引を行うために,その取引価格を交渉している.社の生産コストは事前の投資額に依存し,が成り立っているものとすると,社の利益はとあらわすことができる.一方,社はこの部品を使用し生産を行うことでの売上を得ることができるものとすると,社から部品を輸入する際にの関税が課せられるため,社の利益はとあらわすことができる.
ところで,交渉は常に成立するわけではなく決裂することもあるから,社および社は共に決裂した場合のことを考慮しながら互いに交渉しなければならない.そこで,交渉が成立したときの社社)の利益から,交渉が決裂したときの社社)の利益(負の場合は損失を意味する)を引いた値を,社社)の純利益と呼び,社の純利益と社の純利益の積を最大化するようにの値が定まるものとする.また,社は,以上のことをふまえて,自らの利益を最大化するようなの大きさの投資を,事前に行っておくものとする.
次に,交渉が決裂した場合のつのシナリオについて考える.
(1) 交渉が決裂したとき,社は生産を行わず生産コストはかからないが,事前の投資額の分だけ損失を被るので,社の利益はとなり,社は国内の他の部品会社から,価格で同量の同じ部品を調達できるとすると,(この場合は関税がかからないことから)社の利益はとなる.この場合の投資額はとなり,価格はとなる.
(2) 交渉が決裂したとき,社は国内の他のメーカーに価格で部品を販売できるとすると,社の利益はとなり,社は生産が行えなくなるとすると,社の利益はとなる.この場合の投資額はとなり,価格はとなる.
最後に,交渉が成立した場合のである.