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1892-20001-0101
1892 第一高等中学校
算術
易□ 並□ 難□
【1】 四,五,六,七,八秒毎に鳴る五個の鈴と,毎時時を報づる時計とあり.或時其時計の時を報ずると同時に五個の鈴も一斉に鳴りたりと云ふ.此後幾時を過ぎなば時計の報時と共に各鈴一斉に鳴るべきか.
1892-20001-0102
【2】 24 5-2 56 + 72 1 2-1 45 +1 18 × 411 を最簡の分数に直せ.
1892-20001-0103
【3】 或人月の初に所持金の三分の一を費したる後に五十円の収入あり.其後現在の金の四分の一を費し,月末に臨みて複た七十円の収入ありて月末の現在金は百二十円になりしと云ふ.月初の所持金は何程なるか.
1892-20001-0104
【4】 地球は二十四時間に一周回転す.今地球の赤道に於ける直径を三千二百四十七里とすれば,赤道の各点は此回転の為めに壱秒毎に幾町幾間を走るか.但し円周率は七分の二十二を用ふべし.
1892-20001-0105
【5】 銅を混ずる銀塊あり.九割六分の銀を含む.其割合を九割三分にせむには幾何の銅を増すべきか.
1892-20001-0106
【6】 或人生命保険会社に毎年の初めに七円五十銭ずつを払込み,死後三百円を受取るべき契約を結び,十箇年の終りに死去せり.若此人生前年々の払込金を五分の単利法を以って他に預けたりとすれば,此人死去の時の損益金幾何なるか.
1892-20001-0107
【7】 .05 .15 を小数点以下三位まで正しく計算すべし.
1892-20001-0108
代数
【1】 (a- b)⁢ (b- c)⁢ (c- a)= am⁢ bn+ bm⁢ cn+ cm⁢ an- an⁢ bm- bn⁢ cm- cn⁢ am を整除することを証明せよ.
(編注)問題として成立しないが,そのままにしてある.
1892-20001-0109
【2】 二次方程式 x2 +p⁢x +1=0 の一根と他の根の平方とを相等しからしむべき p の有らゆる値を看出せ.
1892-20001-0110
【3】 x が実量なるときの x2+ 12⁢ x の値の制限を確定せよ.
1892-20001-0111
【4】 x3+ a⁢x2 +b⁢x +c が x に付きて有理の式の立方ならむが為めには係数の間に如何なる関係あるべきか.
1892-20001-0112
【5】 代数式を細かに分類し,各々例を挙げて説明せよ.
1892-20001-0113
【6】 直角平行面体あり.其長さ,幅,厚さの和は十二寸,総面積は八十二平方寸,容積は四十二立方寸なりといふ.長さ幅厚さ各々幾何なるか.
1892-20001-0114
幾何
【1】 円外の一定点より割線を引き,円外の部分と円内の部分とを等しくする方法如何.
1892-20001-0115
【2】 正方形と等積の等辺三角形を作る法如何.
1892-20001-0116
【3】 二つの与へられたる点よりの距離が与へたる比を有する点の軌跡を求む.
1892-20001-0117
【4】 一つの直線が三角形 ABC の辺 BC , CA ,AB と夫々 A′ , B ′ , C′ , に於て交はれば三つの比 AB′: B′ C ,: A′ B ,BC ′: C′ A の相乗比は等比なり.これを証明せよ.
(編注)チェバの定理の証明問題.正しくは「 CA′: A′ B 」と思われる.