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図1
図形のそれぞれのマスは白または黒で塗りつぶすものとし,上段のマスの通りの配色の各々について,下段のマスを白または黒のいずれかの色で塗りつぶすかを決める.このようにして着色された個の図形をまとめて,つのパターンと考える.図2はパターンの一例である.
図2
問1 考えられるパターンの総数を答えなさい.また,その導出過程も示しなさい.
問2 あるひとつのパターンを選ぶとして,図3(a)のような行の配色されたマスの並びが与えられたとき,このパターンを用いて,その下にくる行以降のマスの配色を決めるルールを考える.
まず,与えられた行の左端から連続したマスを選ぶ.そのマスの配色と,マスの配色が同じ図形をパターンの中から選び,その図形のマスの色により,第行のマスに対応する位置のマスの色を決める.次にマス右にずらして,次の連続するマスを選び,同様の方法で第行のマスに対応する位置のマスの色を決める.これを右端のマスに達するまで繰り返す.同様の手順により,第行をもとに第行を,第をもとに第行を,と順次,すべての行の配色が決まるまで繰り返す.ただし,各行の両隣のマスは,上段の配色にかかわらず白で塗りつぶすものとする.
図3(b)は,図2のパターンを適用した場合の第行までの配色を示したものである.同じパターンを用いて,第行,第行のそれぞれのマスの色を示しなさい.ただし,黒になるマスは鉛筆で黒く塗りつぶし,白になるマスはそのままにしておくものとする.
(a) |
(b) |
図3 |
問3 図4は,あるつのパターンを用いて,問2と同じルールによって描画したものである.問1で求めたパターンの総数のうち,この模様を描画することができるパターンの数を求めなさい.また,その導出過程も示しなさい.
図4 |
【4-1】 君は,素数は無限に存在することを知っている.君は,素数は無限には存在しないと誤って考えている.次の対話では,君が君に素数は無限に存在することの証明を説明している.
この対話を読んで,以下の問いに答えなさい.
君「君の言う通り,素数は無限に存在しないと仮定しよう」
君「そう,それが正しい」
君「すると,素数の個数は,個だよね」
君「その通り」
君「では,その個数をとすると⋯」
君「 待て待て.とかとか小難しい数式を使って煙に巻くつもりだな.だまされないぞ」
君「それなら,素数の個数が個だとすると,そのうちでの素数が存在する.これならどう?」
君「うむ.それはみとめてやろう」
君「それでは,にをかけて,それにさらにをかけて⋯との素数までかけ算を続けることを考えよう.その結果,からの素数までのすべての自然数のかけ算をした答えが一つ定まるよね.」
君「そうだな.でもそれをとかとかと言うなよ」
君「言わないよ.それで,そのかけ算をした答えにを足した数を考える.こんなふうに言葉で言うよりは,数式を使ったほうが楽なんだけど」
君「いやいや,日本語で続けろ」
君「すると,そのかけ算をした答えにを足した数というのは,で割り切れるだろうか」
君「えーと,そのかけ算をした答えというのは,かけるかけるかける⋯とかけ算を続けた数だから,その答えはで割り切れる.ところがそのかけ算をした答えにを足した数であれば,割り切れないで余る」
君「その通り.さらに,で割っても余る.で割っても余る.以下同様.要するに,そのかけ算をした答えにを足した数というのは,からの素数までの,どの数で割っても,余るということになる」
君「それがどうした」
君「では,そのかけ算をした答えにを足した数というのは,素数だろうか,素数でないだろうか」
君「そのかけ算をした答えにを足した数は,の素数より大きいのが自明だから,素数ではありえない」
君「その数が素数ではありえないとすると,何らかの素数の個以上かつ個のということだよね.ところが,その何らかの素数というのは,からの素数までの,どこにも存在しない.だって,どれで割っても余るんだからね.従って,の素数より大きな素数が存在することになる.これはおかしい」
君「じゃあやっぱり,そのかけ算をした答えにを足した数というのは,素数なんだ.あれ,そうすると,こいつはの素数よりも大きくなってしまう.これもおかしい」
君「ということは,いずれにしも矛盾だから,最初の仮定,すなわち,素数は無限には存在しないという仮定が誤りだったことになる.ゆえに素数は無限に存在する.証明終り」
君「しかし待て.素数でない自然数,例えばより大きなは無限に存在するぞ.それでも素数は無限に存在してもいいのか?」
君「いいんだよ.無限に存在する自然数の中で,は無限に存在するけど,その補集合であるも無限に存在することは自明でしょ.が無限に存在することは,が個であることの証明にはならない.同様に,素数でない自然数が無限に存在することと,素数が無限に存在することとは,両立する.無限とは,そういう性質なんだ」
君「そんなこと言われても,割り切れないなあ」
君「割り切れないから素数です」
問1 に入る最も適切な語句または数を次の選択肢から選び,その記号を解答欄に記入しなさい.
問2 この対話を利用して,素数が無限に存在することを,背理法及び数式を用いて証明しなさい.この対話の通りに証明を進めてもよいし,下線を引いた君のセリフによって中断された証明の続きを進めてもよい.
問1 図1は,ある地域のある季節,時刻において,辺の立方体を真上から見たときの影の大きさ,形と方位を方眼紙に表したものである.これと同じ地域,季節,時刻に,参考図に示した図法によって図2に表した立体をさまざまな向きに置いたとき,その立体を真上から見たときの影の大きさ,形で間違っているものは,図3に示す選択肢のうちどれか,すべてを記号で答えなさい.
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図1 |
図2 |
図3
(A) | (B) |
図(A)のように,立体の手前に透明なつの画面を置き,立体をそれぞれの面に投影する.これを展開して図(B)のように配置した図面を「第三角法による正投影図」という.正面方向に投影した図を正面図,真上方向に投影した図を平面図,右横方向に投影した図を右側面図という.
参考図 第三角法による正投影図
問2 図4に示す,形,大きさ,方位を持つ敷地に,図5の立体すべてを配置し,それを真上から見たときの図を解答用紙に描きなさい.ただし,以下の条件をすべて満たすこと.
・敷地は問1と同じ地域にあるものとする.
・問1と同じ季節,時刻のとき,それぞれの立体が敷地に落とす影を,黒く塗って表現すること.
・解答用紙に描いた立体に,区別がつくようにの記号を記入すること.
・問1と同じ季節,時刻のとき,立体の落とす影は,他の立体や他の立体が落とす影にかかったり,接したりしてはいけない.また,立体の影は敷地から出てはいけない.
・立体を配置するときは,図5で示された立体の向きを変えたり,倒したりしてはならない.また,立体の底面の頂点は敷地に縦横間隔で引いた破線の交点に合わせて配置すること.
(編注)図5は欠落