2019　熊本大学　前期MathJax

【１】　次の条件によって定められる数列$\{a_n\}$がある．

$a_1=1\text{，}$$a_{n+1}={\displaystyle \frac{2}{a_n}}+1$$\text{（}n=1\text{，}2\text{，}3\text{，}\cdots \text{）}$

以下の問いに答えよ．

(問１)　自然数$n$に対して$a_n\ne 2$を示せ．

(問２)　$b_n={\displaystyle \frac{3}{a_n-2}}+1$とおくとき，数列$\{b_n\}$の一般項を求めよ．

(問３)　数列$\{a_n\}$の一般項を求めよ．

(問４)　$a_n>{\displaystyle \frac{5}{2}}$を満たす自然数$n$を求めよ．

【２】　$1$個のさいころを投げて，出た目の数を$a$とする．$a$が偶数のときは$b={\displaystyle \frac{1}{2}}a\text{，}$$a$が奇数のときは$b={\displaystyle \frac{1}{2}}(a+3)$とする．以下の問いに答えよ．

(問１)　$a>b$となる確率を求めよ．

(問２)　$\sin {\displaystyle \frac{\pi }{5}}>0.5$および$\cos {\displaystyle \frac{\pi }{5}}<0.9$を示せ．

(問３)　$S=\cos {\displaystyle \frac{\pi }{a}}+\sin {\displaystyle \frac{\pi }{b}}$とおく．$a>b$であるとき，$S<1.7$となる条件付き確率を求めよ．

【３】　以下の問いに答えよ．

(問１)　実数$a\text{，}$$b$に対して，$f(x)=x^2+ax+b$とおく．$y=f(x)$は$x$軸および直線$y=2x+3$に接しているとする．実数$a\text{，}$$b$を求めよ．このとき，$y=f(x)\text{，}$$x$軸および直線$y=2x+3$で囲まれた部分の面積を求めよ．

【３】　以下の問いに答えよ．

(問２)　座標平面上の曲線$C_1\text{：}y=x^2+2px-2p$および$C_2\text{：}y=x^3$の共有点がちょうど$2$個になるような実数$p$の値をすべて求めよ．

【４】　座標平面上の直線$l$を$y=ax-a-2\text{，}$直線$m$を$y=bx+3b$とおく．直線$l$と直線$m$は互いに直交しながら座標平面上を動くとする．ただし，$a\text{，}$$b$は$l$と$m$の条件を保ちながら実数値をとって変化するものとする．以下の問いに答えよ．

(問１)　直線$l$と直線$m$の交点$\mathrm{P}$の軌跡を求めよ．

(問２)　点$\mathrm{A}$$(1,-2)\text{，}$点$\mathrm{B}$$(-3,0)$に対して，線分$\mathrm{AP}$および線分$\mathrm{BP}$の長さを$a$を用いて表せ．

(問３)　$\mathrm{▵APB}$の面積が最大となるときの$a$の値を求めよ．

【３】　座標平面上の曲線$C_1\text{：}y=x^2+2ax-2a+1$および$C_2\text{：}y=x^3+1$を考える．以下の問いに答えよ．

(問１)　曲線$C_1$と曲線$C_2$の共有点がちょうど$2$個になるような実数$a$の値を求めよ．ただし，$a\ne 0$とする．

(問２)　(問１)で求めた$a$に対し，曲線$C_1$と曲線$C_2$で囲まれた部分を$x$軸の周りに回転してできる立体の体積を求めよ．

【４】　座標平面上の曲線$y=x\sin 3x+3x^2$$(0\leqq x\leqq {\displaystyle \frac{\pi }{2}})$を$C$とする．曲線$C$の接線で原点を通るものを$l$とし，その接点の$x$座標を$a$とする．ただし，$0<a<{\displaystyle \frac{\pi }{2}}$とする．以下の問いに答えよ．

(問１)　$a$の値を求めよ．

(問２)　曲線$C$と直線$l$の共有点の座標をすべて求めよ．

(問３)　曲線$C$と直線$l$で囲まれた部分の面積を求めよ．

【４】　赤球と白球の$2$色の球を用いて行うゲームがあり，手元にある球全体に対する赤球の比率が$p$であるとき，確率$p^2$でゲームに勝つものとする．$n$を$2$以上の整数とし，赤球，白球ともに$n$個入っている箱から$n$個の球を取り出してゲームを行った．以下の問いに答えよ．

(問１)　$k$を$0$以上$n$以下の整数とする．取り出した$n$個の球のうち赤球が$k$個となる確率は${\displaystyle \frac{{({}_{n}C_k)}^2}{{}_{2n}C_n}}$となることを示せ．

(問２)　$k$を$1$以上$n$以下の整数とする．取り出した$n$個の球のうち赤球が$k$個となり，さらにゲームに勝つ確率は${\displaystyle \frac{n}{2(2n-1)}}\cdot {\displaystyle \frac{{({}_{n-1}C_{k-1})}^2}{{}_{2n-2}C_{n-1}}}$であることを示せ．

(問３)　ゲームに勝つ確率は${\displaystyle \frac{n}{2(2n-1)}}$であることを示せ．