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【2】 放物線とそれに点で交わる直線で囲まれた右図の濃い色の部分の面積は,放物線と直線の交点をとしたとき
である.以下では,同じ面積を,アルキメデスが使った取り尽くし法で求める.
点と点の間の放物線上に点をとり,三角形を考えたとき,を底辺とし高さが最大となるのは,点の座標がのときであり,そのとき,三角形の面積は
である.
からを取り除くと,線分と放物線で囲まれた領域と線分と放物線で囲まれた領域のつができるが,同じように,それぞれに含まれる高さが最大の三角形を考えたとき,そのつの三角形を合わせた面積は
である.
さらに,からを取り除いた部分に,同じように,それぞれに含まれる高さが最大の三角形を考えたとき,そのつの三角形を合わせた面積は
である.
このように,順次,高さが最大の三角形を考え,その三角形を合わせた面積を計算していくことで
となることがわかる.
このように,図形に内接する一連の多角形を描き,それらの面積を合計することで元の図形の面積を求める方法を取り尽くし法という.アルキメデスは取り尽くし法を使い,直線と放物線に囲まれた部分の面積は,その直線の線分を底辺とし放物線に内接する高さが最大の三角形の面積の倍であることを発見した.
【6】 ABO式血液型には,A型,B型,AB型,O型の種類が存在し,血液型に関わる遺伝子には,A遺伝子,B遺伝子,O遺伝子の種類が存在する.すべての人は,これらの遺伝子を対もっており,A遺伝子とA遺伝子の対(AA)あるいはA遺伝子とO遺伝子の対(AO)をもつ人はA型,B遺伝子とB遺伝子の対(BB)あるいはB遺伝子とO遺伝子の対(BO)をもつ人はB型,A遺伝子とB遺伝子の対(AB)をもつ人はAB型,O遺伝子とO遺伝子の対(OO)をもつ人はO型になる.ここで,対をなすつの遺伝子に順序はなく,すべての遺伝子対はAA,AO,BB,BO,AB,OOのいずれかであらわされる.子は,母親の遺伝子対の一方と父親の遺伝子対の一方を引き継ぎ,新たに遺伝子対を形成することで血液型が決まる.このとき,母親においても父親においても,遺伝子対のうちいずれの遺伝子を子に引き継ぐかは等確率である.
以下に登場する人物の住む国の血液型の遺伝子対の割合は,AAがAOがBBがBOがABがOOがであり,これは時と共に変化せず常に一定であるとする.
血液型 | A型 | B型 | AB型 | O型 | ||
遺伝子対 | AA | AO | BB | BO | AB | OO |
割合 |
いま,さんの血液型がO型であることだけがわかっているとき,さんと血縁関係にある人の血液型について考えてみよう.
(1) さんとこの国の人との間に生まれてくる子の血液型が,O型である確率はA型である確率はB型である確率はと推定することができる.
(2) さんの血液型がわからないときには,さんの両親がともにO型である確率は,この国の血液型の割合からと推定される.しかし,さんがO型であることがわかっているため,両親がともにO型である確率はと推定することができる.また,さんの母親のみの血液型を考える場合,さんがO型であることから,母親の血液型がAB型であることはなく,母親の血液型がO型である確率はA型である確率はB型である確率はと推定することができる.