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2021 群馬大学 推薦理工学部小論文

易□ 並□ 難□

【1】 次の文章を読んで,問1.2.3,4に答えよ.

 コンピュータの容量は日々増加し続けているが,有限であることに変わりがないため,無限の実数を扱うことはできない.その結果,どのようなコンピュータにも「最小の正の数」というものが存在する.しかし,数学上は「最小の正の実数」は存在しない.「最小の正の実数」が存在しないことは,背理法によって示すことができる.例えば,最小の正の実数が存在すると仮定してそれを x とおくと, x2 も実数である. x が最小の正の実数であることから, x2 は開区間 (0, x) の範囲外にある.ここから矛盾を示すことで,最小の正の実数が存在しないことを証明することができる.

問1 「背理法」とは何か説明せよ.

問2 次の実数上の方程式を解け.最終結果だけでなく,途中の計算もあわせて記述すること.

1x 1+ xx+2 =x+ 4x+1

問3 前問を少しだけ変形した方程式

xx 1+ 2x+2 =x+4 x+1

を次のようにして解いたところ,最後に示すような矛盾が生じてしまった.なぜ,このような矛盾が生じるのかを説明せよ.

(1) 両辺に (x -1) (x+2) (x+1 ) をかけると,

x(x+ 2)( x+1)+ 2(x- 1)( x+1) =(x+4 )(x -1) (x+2 )

(2) 両辺を展開して整理すると,

左辺 =(x 3+3x 2+2x )+(2 x2-2 ) =x3+ 5x2+ 2x-2

右辺 =(x+4 )( x2+x-2 ) =x3 +x2-2 x+4x 2+4x- 8 =x3+5 x2+2 x-8

(3) よって, 2=8 が導かれる.

問4 コンピュータに「最小の正の数」が存在することに対し,そのようなコンピュータを 利用する上での留意点を,あなた自身の考えとして述べよ.

2021 群馬大学 推薦理工学部小論文

化学・生物化学科

易□ 並□ 難□

【2】 次の問1,2,3,4に答えよ.

問1  1 から 20 までのそれぞれの整数について,その正の約数とその個数を以下の例を参考に表にまとめよ.

n n の正の約数 正の約数の個数
1 1 1
2 1 2 2
3 1 3 2
4 1 24 3
 
20 1 2 4 5 10 20 6

問2 整数 n の正の約数の個数は,偶数か奇数のいずれかになる. n の正の約数の個数は, n がどのような数のときに奇数になり,どのような数のときに偶数になるだろうか.問1で作成した表を参考にして,その関係について答えよ.また,それが正しい理由を書くこと.

 今, 1 から 100 までの番号が書かれた 100 個のロッカーがある.最初はロッカーの扉はすべて閉じている.また 100 人の人がいて,それぞれ 1 番から 100 番まで番号が振られている.まず 1 番の人がすべてのロッカーの扉を開ける.続いて 2 番の人は 2 の倍数の番号のロッカーを閉める. 3 番の人は 3 の倍数の番号のロッカーをすべて見て,閉まっていれば開け,開いていれば閉じる.同様に, k 番の人は k の倍数の番号のロッカーをすべて見て,閉まっていれば開け,開いていれば閉じる.どの人も開けたり閉めたりするロッカー以外は触れないとする.

問3  1 番から 20 番までの人が順に上記の操作を終えたとき, 12 番のロッカーに触れた人の番号をすべて答えよ.また, 20 番までの人が終わったときに 12 番のロッカーは開いているか閉じているかを答えよ.

問4  1 番から 100 番の人が順に操作を終えたとき,空いているロッカーの番号をすべて答えよ.また,それが正しい理由を書くこと.

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