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コンピュータの容量は日々増加し続けているが,有限であることに変わりがないため,無限の実数を扱うことはできない.その結果,どのようなコンピュータにも「最小の正の数」というものが存在する.しかし,数学上は「最小の正の実数」は存在しない.「最小の正の実数」が存在しないことは,背理法によって示すことができる.例えば,最小の正の実数が存在すると仮定してそれをとおくと,も実数である.が最小の正の実数であることから,は開区間の範囲外にある.ここから矛盾を示すことで,最小の正の実数が存在しないことを証明することができる.
問1 「背理法」とは何か説明せよ.
問2 次の実数上の方程式を解け.最終結果だけでなく,途中の計算もあわせて記述すること.
問3 前問を少しだけ変形した方程式
を次のようにして解いたところ,最後に示すような矛盾が生じてしまった.なぜ,このような矛盾が生じるのかを説明せよ.
(1) 両辺にをかけると,
(2) 両辺を展開して整理すると,
(3) よって,が導かれる.
問4 コンピュータに「最小の正の数」が存在することに対し,そのようなコンピュータを 利用する上での留意点を,あなた自身の考えとして述べよ.
問1 からまでのそれぞれの整数について,その正の約数とその個数を以下の例を参考に表にまとめよ.
の正の約数 | 正の約数の個数 | |
問2 整数の正の約数の個数は,偶数か奇数のいずれかになる.の正の約数の個数は,がどのような数のときに奇数になり,どのような数のときに偶数になるだろうか.問1で作成した表を参考にして,その関係について答えよ.また,それが正しい理由を書くこと.
今,からまでの番号が書かれた個のロッカーがある.最初はロッカーの扉はすべて閉じている.また人の人がいて,それぞれ番から番まで番号が振られている.まず番の人がすべてのロッカーの扉を開ける.続いて番の人はの倍数の番号のロッカーを閉める.番の人はの倍数の番号のロッカーをすべて見て,閉まっていれば開け,開いていれば閉じる.同様に,番の人はの倍数の番号のロッカーをすべて見て,閉まっていれば開け,開いていれば閉じる.どの人も開けたり閉めたりするロッカー以外は触れないとする.
問3 番から番までの人が順に上記の操作を終えたとき,番のロッカーに触れた人の番号をすべて答えよ.また,番までの人が終わったときに番のロッカーは開いているか閉じているかを答えよ.
問4 番から番の人が順に操作を終えたとき,空いているロッカーの番号をすべて答えよ.また,それが正しい理由を書くこと.