2021　広島大学　AO入試理学部数学科MathJax

【１】　$u$を実数として，$\mathrm{O}$を原点とする座標空間内の$3$点

$\mathrm{A}(1,1,1)\text{，}$$\mathrm{B}(1,-1,1)\text{，}$$\mathrm{P}(0,2u,u+1)$

を考える．$\mathrm{P}$を通り平面$\mathrm{OAB}$に垂直な直線と平面$\mathrm{OAB}$との交点を$\mathrm{H}$とする．以下の問いに答えよ．

(1)　$\mathrm{H}$の座標を$u$を用いて表せ．

(2)　$\mathrm{H}$が三角形$\mathrm{OAB}$の内部または周上にあるような$u$の範囲を求めよ．

(3)　$u$が(2)の範囲を動くとき，$\mathrm{OH}$の最大値および最小値を求めよ．

【２】　次のような手順で座標平面上の点の列を生成する．

以下の問いに答えよ．

(1)　$x_n+y_n=k$（ただし$k\ne -4$）が成り立つとき，$x_{n+1}+y_{n+1}={\displaystyle \frac{5k+2}{k+4}}$であることを示せ．

(2)　$n=3$で点の列の生成が停止するような$(x_1,y_1)$の例を一つ挙げよ．

(3)　数列$\{x_n-y_n\}$が等比数列になるような$x_1+y_1$の値を求めよ．

(4)　$(x_1,y_1)=(2,0)$であるとき，$(x_n,y_n)$を$n$を用いて表せ．

【３】　互いに直交する$3$辺の長さの和が$L$で，表面積が$2$であるような直方体を考える．以下の問いに答えよ．

(1)　この直方体の互いに直交する$3$辺の長さを$\alpha \text{，}$$\beta \text{，}$$\gamma \text{，}$体積を$V$とするとき，$\alpha \text{，}$$\beta \text{，}$$\gamma$は$3$次方程式$x^3-L{x}^2+x-V=0$の$3$つの解であることを示せ．

(2)　$L=2$のとき，この直方体のとりうる体積の最大値，および最大値をとるときの互いに直交する$3$辺の長さをそれぞれ求めよ．

(3)　互いに直交する$3$辺の長さの和が$L$で表面積が$2$であるような直方体が存在するような$L$の範囲を求めよ．

【４】　以下の問いに答えよ．

(1)　座標空間内に$2$点$\mathrm{A}$$(4,0,0)\text{，}$$\mathrm{B}$$(-4,0,0)$がある．座標空間内の点$\mathrm{P}$についての不等式$\mathrm{PA}+\mathrm{PB}\leqq 10$が表す立体$M$の体積を求めよ．

(2)　空間の中に$3$辺の長さが$3\text{，}$$4\text{，}$$5$であるような三角形$T$がある．ただし，三角形$T$には内部の点も含めるものとする．ここで，空間内の点$\mathrm{P}$に関する次の性質を考える．

$\mathrm{P}$を中心とする半径$1$の球と三角形$T$が共通部分をもつ．

この性質を満たす点$\mathrm{P}$全体がなす立体$N$の体積を求めよ．

【５】　$4$つの野球チーム$\mathrm{A}\text{，}$$\mathrm{B}\text{，}$$\mathrm{C}\text{，}$$\mathrm{D}$がある．右の表は，これらのチームが対戦したとき，チーム$X$がチーム$Y$に勝つ確率を表している．ただし，$p$は${\displaystyle \frac{1}{2}}<p<1$を満たす実数とする．

　例えばチーム$\mathrm{A}$とチーム$\mathrm{B}$が対戦したとき，チーム$\mathrm{A}$が勝つ確率は$p$であり，チーム$\mathrm{B}$が勝つ確率は$1-p$である．

　次のような手順のトーナメント方式で試合を行う．

くじ引き：箱の中に$1\text{，}$$2$の数字が書かれた紙が$2$枚ずつ入っており，各チームが$1$枚ずつ引く．

１回戦：くじ引きで同じ数字を引いたチーム同士が対戦する．勝った方が決勝戦に進む．

決勝戦：$1$回戦の各試合で勝ったチーム同士が対戦する．勝った方を優勝，負けた方を準優勝とする．

以下の問いに答えよ．

(1)　$\mathrm{A}\text{，}$$\mathrm{B}\text{，}$$\mathrm{C}\text{，}$$\mathrm{D}$の各チームが優勝する確率をそれぞれ$p$を用いて表せ．

(2)　チーム$\mathrm{B}$が優勝したとき，$\mathrm{A}\text{，}$$\mathrm{C}\text{，}$$\mathrm{D}$の各チームが準優勝となる条件付き確率をそれぞれ$p$を用いて表せ．